■円の中心にいるリーダー カリフォルニア大学バークレー校でY-PLANという教育を行っているCenter for Cities and Schoolsのディレクター. デボラ・マッコイさんと、コーディネーターのジェシー・スチュワートさん(28)にインタビューをした。Y-PLANとは、若者が地域の活性化プロジェクトに参加し、自分たちのアイディアを市長や企業に直接プレゼンテーションをするまでを行うプログラムだ。スチュワートさんは「ここでは、自分の意見やアイディアを表現する場が与えられるため、自分がリーダーとなってこの地域を変えてみようという自信をもつことができるようになる」と自信たっぷりに語った。リーダーになるための要素は「周りへの思いやりとリスクを取る勇気。リーダーは自分のことだけではなくグループ全体のことも考えなければいけないし、反対意見も聞いてグループをバランスよくまとめる能力が必要なの」と指導のコツを教えてくれた。なぜリーダーシップが重要視されているかを尋ねると、「アメリカではこれまで、高等教育を受けた裕福な人たちがリーダーになっていたが、グローバル化した今、金持ちか貧乏か、教育をうけたか受けてないかは関係なく、誰もがリーダーシップスキルを持つ必要がある時代になった」とデボラさんはいう。 このY-PLANを体験した日本人がいる。東北で被災した100人の高校生たちだ。彼らがまとめた昨年の報告書によると、参加者の一人は、「リーダーとは一番偉い人で三角形の頂点に立っている人ではなく、円の中心にいて、みんなの意見を一つにまとめてきれいな円を作りあげる人のことだ」と述べている。さらに「一番変わったことは、人前で話すことが全く怖くなくなり自分の意見を言えるようになった」という前向きな感想が多かった。
A news article about the University of Tokyo planning to change its enrollment of undergraduate students from spring to autumn caught my eye. Then many questions emerged: What exactly does autumn enrollment mean? Will it have a positive impact on junior and senior high school students? What kind of problems are anticipated?
I had interviews with the University of Tokyo, business people, the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, and the Tokushima University to study this issue.
Ms. Taeko Onodera, Manager for Long-term planning, General Affairs and Planning Department, University of Tokyo stated “we have not yet officially decided to change to autumn enrollment, but we are considering this system quite seriously. Mr. Junichi Hamada, the President of our university is eager to support students to be more global minded, having the intelligence and social skills necessary to challenge world taking risks. He believes that autumn enrollment is instrumental towards this goal.”
There are some issues to be resolved in regard to this change including a so-called “gap term” and conflict with the current employment process. Gap term is a new phrase coined by the University of Tokyo meaning the period between April to September when students graduating high school do not have classes to attend. Students are encouraged to participate in volunteer activities during this term. Ms. Onodera explained the university’s strong commitment saying “We would like to offer students volunteer activity programs and study programs including activities in foreign countries with financial support. Then students can make valuable use of this time. As to employment, companies’ policies are becoming more flexible to hire graduates throughout the year. It is necessary to change our current education system otherwise Japan will lose global competition. The University of Tokyo is expected to take leadership in globalizing our academic system and driving Japan to reform itself entirely.”
Ms. Tomoko Hasegawa, Deputy Director, Public Relations Bureau, Keidanren (Japan Federation of Economic Organizations), said Keidanren is also aiming to support the cultivation of globally-minded people and welcomes the autumn enrollment as a measure for internationalizing Japanese. However, she does not agree with all Japanese universities’ changing to fall enrollment. Keidanren is ready to support those colleges which are heading for internationalization.
According to Mr. Shun Shirai, Deputy Director, University Promotion Division, Ministry of Education, the Ministry is going to endorse the introduction of autumn enrollment. However, they need to work with the business community and other relevant ministries to solve the conflict with current recruitment procedures and the national examination calendars. In addition, it is not easy to provide a subsidy for the operational cost of such introduction because such subsidies come from taxpayers. That said, making Japan adopt a global standard is significant and the Ministry is going to cooperate with universities as much as possible.
Mr. Yoshihisa Takaishi, Vice President, Executive Director for Education and Students Affairs, the Tokushima University said “Today the issue of globalization is a common topic throughout Japan. As a whole, the country must move forward to become global. Our graduate program has already started to adopt the autumn term enrollment as a measure of globalization.” The Tokushima University is ready to introduce the autumn enrollment system for undergraduates, too if there is public support to cover transitional costs and solve the national examination scheduling problem, the Tokushima University is a regional public university which has many science courses including medicine, dentistry, pharmacology, and engineering.
What obstacles are expected from the introduction of the autumn enrollment? One is the corporate recruitment procedure. The University of Tokyo and Keidanren realize that many corporations are hiring new graduates throughout the year, but the Ministry of Education said that most newly hired employees start working from spring and recruitment throughout the year is exceptional. As to the national examinations held only once a year, graduates in the autumn enrollment system would have to wait for the next year’s examination. Students who finish high school in spring will not have a stable position nor identity until autumn and this point must be clarified. If they find temporary jobs and gain some income during the gap term, they would surely have to pay social security tax. Can we solve all these issues?
Throughout these interviews, the recognition of the autumn enrollment system was the same; it is a measure to globalize Japan. Japan is aiming to be more global to beat competition with foreign countries. Some universities are for the autumn enrollment and others seek alternative measures to be global. We should keep tabs on their various approaches.
警視の Sian Lockley 氏によると、対策の一つとして、万引きをする子どもが多い昼時に学校近くのスーパーマーケットなどの前に、私服のガードマンと一緒に学校の教師が立ち、見張りをする。また、私服ガードマンが店内を周り、監視をすることもある。このような直接的な対策のほかに、軽犯罪を犯した少年の親の教育もするという。
就職を考えるという点では、英国にはユニークな制度がある。 Work Experience (職業体験)という制度だ。これは仕事に就いた時、つまり就職のための準備の一つである。また、実際にその職業に就く前に体験してみることによって、その職業の見えていない部分などもよくわかり、その職業が自分に向いているかどうか、などを見極める機会ともなる。
Work Experience を利用すると、高等学校に在学している間の第 10 学年と第 11 学年にあたる 15 歳から 17 歳の時に約 2 週間、もしくは大学在学中か大学卒業後に、自分の興味のあるところで働けるのだ。 Work Experience を学校のプログラムとして実施するところもあるという。フォイル局の記者グレース (15) によれば「彼女の学校では「新聞社へ行って Work Experience ができる」。 そうだ
高等学校に在学している間の Work Experience は、大学へ入るときには特に評価されないという。その代わり、就職するときに評価される。高校時代にこの制度を利用する人は、つまり、将来、就職するときの自分のために、高校にいるときから自分の時間を割いて準備をしているのだと言える。
日本の高校生 の多くは 、学校のほかに塾へ行って大学受験の勉強をしてとりあえず大学に入り、大学で専攻していたことと関係が無くても、とりあえず就職をと考える。一方、英国の高校生は とても早い段階から自分の将来を考え、そのために大学では何を専攻するのか、 Work Experience をやるかやらないか、やるならば何をいつやるのかなどを決めている。
まず、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (SFC) の AO 入試は出願方式により異なる部分もあるが、それまでの主だった活動実績、高校 3 年間における評定平均などといった書類審査によって一次選抜を行い、それをパスした受験生に対して面接が課され、最終合格者を決定する。
「本当は 3 日間かけてじっくり面接を行いたい」という前 SFC 総合政策学部長・慶應義塾常任理事の阿川尚之先生は、「本当は能力のある受験生を一次選抜で不合格にさせてしまうことが絶対ないとは言えない」と AO 入試の限界点を指摘する。他方で、「たった数十分の面接で受験生の全てを知ることはできないが、話し方や目を見ると相手の正直さや知的興味、熱意がこちらに伝わる」とも言う。
阿川先生によると、実際に AO 入試で入学した学生たちの意欲は極めて強く、オリジナルな計画を実現するなどの行動力で、一般入試によって入学した学生にも多大な刺激を与えているという。しかもこの学生たちの SFC に対する愛着は凄まじく、彼らの意欲が大学全体の活性化に直接貢献しているため、 SFC における AO 入試の導入は結果的に成功を収めているのである。
次に、東北大学の AO 入試であるが、これは後期日程( 2 月下旬実施の国公立大学前期日程終了後、 3 月中旬ごろ前期日程合格者以外から選抜する方式)廃止に伴いその定員を新たにシフトしたものだという。研究者の養成を目的に、どうしても東北大学で研究に取り組みたいという意志の強い受験生を対象にしており、大学入試センター試験、独自の学力検査、評定平均と面接などによる入試で、一般入試に先立って行われる。一定の学力基準に基づいて第一次選抜を行うことにより志願者を絞ることで、大学側のコスト負担を軽減していることも特徴だ。 2000 年度より 2 学部で導入されたが、現在では全学部に AO 入試枠が存在する。
大学自身が東北地方を代表する立場であるために、夏のオープンキャンパスには東北 6 県を中心に多くの受験生が集まり、東北大学の研究に直に触れて「試食」することができる。また大学側からも東北地方の各高校に教官を派遣し、東北大学の研究活動等を広報していくことで高校との緊密な関係を築き、その高大連携の橋渡しとして AO 入試を位置づけている。
東北大学高等教育開発推進センターの倉元直樹准教授によると、この AO 入試によって入学した学生の成績は概ね一般枠の学生より高い水準で、学問に対する意欲も高いという。特に工学部においては“先取り学習”として数学・物理学の演習講座を設置しており、一般科目に先立ち単位を修得する学生が大半となる。また AO 入試で不合格となっても一般入試で合格した学生は毎年 100 人以上にのぼり、彼らの受験生活で培われた粘り強さも、その後の研究に生きてくると考えられている。こうして東北大学における AO 入試は、 SFC とはまた異なった形で成功を収めている。
この 2 大学のように、 AO 入試を大学の活性化に活用している大学が存在する一方、 AO 入試を学生の早期囲い込み、いわゆる「青田買い」に利用して問題化している大学もある。「青田買い」で批判されているのは、経営資金確保のために入学者を一定数確保することが最優先されてしまうことだ。それにより受験期の試行錯誤を経験しない学生が入学し、大学全体の学力低下を進めてしまう。大学は、そうした学生の底上げへ労力を費やすことになり、大学本来の使命を果たすことから更に遠ざかっていくことになる。
これに関して倉元先生は、「 AO 入試は SFC が素晴らしい才能を発掘するために導入した画期的な制度であったが、多くの大学が専門組織を整えずに追随したことによって、本来の目的とは異なる方向に進んでしまった」と残念がる。
「大学とは、自分の頭で考える力をつけ、新しい問題に対処する力をつける場所」と阿川先生は述べていたが、そういった本質的な意味での「学問」に取り組もうとする姿勢をもった学生と教授が集まってこそ、大学の意味があるのではないだろうか。 AO 入試は今や「多様化」というスローガンのもと、大学ごとに独り歩きしてしまい、ひとくくりに成否を論じることは不可能に近い。ただ AO 入試の導入によって過熱した受験戦争をある程度冷却できていることは確かである。そして、「大学入試がゴールではない」ことを示そうとする AO 入試に関して考えることは、大学を目指すことに対する本質的な意味について考えることに直結していると言えるだろう。