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座談会

18歳選挙権の是非について


参加記者:村上類(16)松本哉人(16)前田佳菜絵(15)三好恵瑠(14) 司会:藤原沙来(記者修了生)2015/08/26

沙来:来年(2016年)夏から選挙権が18歳に引き下げられます。引き下げられることについてみんなはどう思いますか?

類:よかったと思っています。今日のメンバーで、この制度の影響を一番早く受けるのは私ですが、将来のことを決めるのに、その将来に現役で働いていない人がいろいろ勝手に決めるのはおかしいと思うからです。例えば、集団的自衛権が将来もし変わるとなった時に、同世代の自衛隊学校に入っている人たちが直接影響を受けるので、身近な年齢の人が決めるのはよいと思います。

哉人:基本的に引き下げについては賛成です。その法案が施行されるときには、リタイアしている人が決めるのはおかしいと思います。実際に、大学生などの若者がいろいろな形で安保法案に反対だと行動を起こしているわけで、彼らが、デモではなく選挙で物事を変えられる状況が与えられるのはよいことです。

佳菜絵:私も基本的に賛成です。今法案を決めても、実際に施行されるのは1年後だから今から積極的に若い人たちの意見を取り入れた方がよいと思います。でも、18歳以上の人たちの意見を取り入れたからと言って、大きく政治が変わるのかどうかは疑問に思っています。*注1

恵瑠:私も基本的には賛成です。みんなが言うように、人口の中で、シニアの年齢の人たちが一番多く占めている中で、いずれは法案に一番関係してくる若者の意見を取り入れるというのはよいことだと思います。でもいま若者は一番投票に行っていないんです。引き下げても行かない人もいるかもしれないので、引き下げたうえでみんなが行くことが大切だと思います。

沙来:私自身は、CE記者時代に「成人年齢引き下げ」について取りあげた時、政治の知識も投票する責任感も実感もなくて不安しかなかったのですが、みなさんは選挙に行くことを身近に感じますか?投票することはそれなりの義務や責任が伴うけれども、どのように考えていますか?

類:中学受験の時や中学3年の公民の授業で勉強したのですが、ただ暗記しただけで、政治に関する単語は知ってもそれが実際にどう働くかは全然分かりませんでした。今回、調べてみて、まだ憲法改正投票は含まれないことなどが書いてあってびっくりしました。実際に、投票年齢が下げられるのは変えられるからよいと思ったのですが、正直細かいことはあまり分かりません。

哉人:18歳で行くときも20歳で行くときも、たいして感覚は変わらないと思います。ただ、統計で言えばこれで投票する人数が増えるわけです。たぶん思想的には大学生というと急進派だったりタカ派的なことを言う人も少なくないと思います。だから、意見の比率は変わってくると思います。でも、義務としての感覚の違いは2歳下がってもないと思います。

佳菜絵:今、私たちはあまり政治に詳しくないけれど、政治に興味を持っていろいろニュースを見ることだけでも意味はあると思います。政治をもっと身近に感じるということでも、選挙に行く意味はあると思います。

恵瑠:選挙権を得た以上、何歳であろうと投票に行かなければいけないと思います。しっかり調べて自分がこうした方がよいと思うところに行くべきだと思います。

沙来:調べたり政治を身近に感じたりすることは大事だとみんな言っていますが、今のみんなにとって政治は身近ですか?

類:そんなに身近ではないです。

恵瑠:ワイドショーぐらいです。

佳菜絵:テレビを見ていても、自分とは関係のないことと思ってしまっているところはあります。

沙来:これから身近になると思いますか?今後、何かが変わると思いますか?

類:変えるべきだとすごく思うのですが、公民で知識を詰め込んで覚えてきたものの(*注2)学校の方針も変わらないだろうし、政治家も向こうからこっちに歩み寄ってくることはないと思います。総理大臣も官僚の人たちの年齢も高いので、
考えすぎかもしれないのですが、その人たちの年齢に近い人の意見を通させたいというのはあると思います。そういうことを考えるとあまり変わらないと思います。

哉人:変わらないと思います。ただ、国の政治の一端を感じられていないわけではないです。ベビーシッターの取材をしたときに、ベビーシッター業界に国からの支援が下りるかという瀬戸際にあって、その変化がなぜ起きたかというと、数年前に国が決めた子育ての政策が変わったからです。そういう大きな政策がベビーシッターという僕らの身近に感じられる業界にもおりてきています。だから、政治の変化の一端は感じられています。

佳菜絵:学校の公民の授業で勉強はしているけれど、いざ自分が関わるとなると身近には感じません。自分とはあまり関係ないと思ってしまっているところがあります。

恵瑠:母と政治について話すこともあるので、意外と身近に感じます。それでも知識はワイドショーレベルなので、自分自身で政治を捉えることはできていないのかなと思います。

沙来:政治はあまり身近ではないけれど、投票には気軽に行けそうな印象ですか?

類:私の親は、軽い感じで投票に行っています。だから、気軽に行けるものなのかなという感じがします。

恵瑠:母はいつも選挙に行くときに私も連れて行き、私は投票所の前で待っています。母がいろいろ調べてから来ているようで、これは…、あれは…と私に話してきます。やっぱり、考えてから選挙に行かなくてはいけないと感じます。まずは、選挙に行くことが大事かなと思います。

佳菜絵:確かに、駅前で立候補者がいろいろ話していても、私の家の近くでも年配の人たちばかりが集まっていて、若い人はちゃんと考えているのかなと思うこともあります。

哉人:いざ、投票に行くとなったら、選挙の広報も読むと思います。駅前で配られるチラシにも目を通すだろうし、その候補者がこれから何をするだろうかは把握するようにすると思います。

類:来年高校3年生で、誕生日が遅いので来年の夏はまだ投票できないのですが、同学年の子が選挙に行くとなると、配っているマニフェストを読んでみようかなと思います。

沙来:いざ、行くとなったら、自分で政治を知ろうとする努力をするということですね。では、どうしたらもっと政治が身近になったり、選挙権を持つ責任を感じたりすることができると思いますか?

恵瑠:まず、政治が身近に感じられない原因を考えてみました。テレビで国会中継もやっているけれども、話自体が難しくて分からない、何をやりたいのかが分からないというのが前提にあると思います。そのうえで、私たちがどう思っていても、選挙で投票した時にしか私たちの意見は反映されないし、マニフェストに書いていなくても私たちはそれ以上関与できない。だから、何かやっているなという感じで終わってしまうのだと思います。身近に感じるにしても、限度はあると思います。デモ活動をしている人たちにとっては政治が身近かもしれません。その人は意見を持っているのだと思います。意見を持てば、政治を身近に感じられると思います。
そのためには、いろいろなことを知らないといけません。今の政治家たちが何をしようとしているのか知ろうとすれば、知らない時よりは身近になるのではと思います。

類:簡単に言えることではないですが、私たちに年齢が近い政治家が出てきてもらえれば、その人が若者向けの政策などを提案してくれて若い人たちも「それいいね!」となると思います。ただ、政治や選挙権について話している子は主に真面目に勉強している子たちだけです。他の子たちは分からないと言っています。学校でもプリントを渡されるのですが、すぐ捨てています。先生でもいいと思うのですが、私たちに年齢が近くて政治に興味があったり、関わったりしている人に直接話を聞くのがよいのではと思います。

沙来:実際に選挙に行くことに興味がある子が学校にいるのですね?

類:学校の授業で、戦争の話を英語で学習した時に、来年の選挙権の話になりました。「ちゃんと考えないと」と話している子が2人ほどいました。他の30人以上は何も考えていないか、中には知らない子もいると思います。現状としてはよくないと思います。

沙来:その子たちから周りに広がったりはしないのかな?

類:表面上は話すかもしれないけれども、すぐ忘れると思います。

哉人:良し悪しは別にして、政治家のやっていることや政治家の意見をバカにして笑っている風潮も一部ではあります。それは、写真のコラージュなどいろいろありますが、そういうものを作って遊んでいる人たちは、政治家が何をやっているのかを知った上でそれをやっているということになる。そういう動きもよいのかなと思っています。

佳菜絵:この前学校の授業で、公民の時間に18歳選挙権に賛成か反対かをやりました。ほとんどの人は賛成だったのですが、考えているのはあくまでも授業の間だけで、まだ中学生だからかもしれませんが、みんなはあまり興味がない感じでした。

沙来:政治に興味がない子たちやみんなにとって、どういうアプローチがあると政治に興味を持ったり、投票に行こうとしたりするかな?

哉人:20歳以上の人たちの間でも投票率が低いことが問題になっています。要するに、引き下げられる前に、どう手を尽くしても選挙に行くことや政治への関心を上げることができなかったので、年齢を引き下げたからと言って、いきなり投票率が上がったり、これから上がったりすることもないと思います。こうやって話していても、政治に興味がある人もいればない人もいて、改善のしようがないし、問題にすることではないと思います。

佳菜絵:いろいろな政治家がこんなことやりますと言っていても、難しいことばかり言ってそうで、言っている内容が私たちとあまり関係ないと思ってしまっていると思います。もっと身近な政策を言ってもらえるとみんなも興味を持つと思います。

恵瑠:選挙には20代で30%ほどしか行っていないようで、私たちが選挙権を得た時に考えることは面倒くさいか、選挙権を得たことがうれしくて投票に行くか、本当に真剣に考えて行くかだと思います。友達と話をしていても、家族が選挙に行っていないという話も聞きます。一番投票しているのはシニア層だから、政治家もその人たちに訴えかければ投票数が上がるから、そういう政策も立てているのではと思ってしまいます。自分たちの世代に関係のある法案も出されれば、もっと考えると思います。

哉人:実際に今、出ている法案は新しく作られると、施行されるのは2年か3年の後になるから、僕らの世代にかかわってくると思います。ほとんどの法案というのは、10年先、20年先のことを考えて作られているので、認識していないだけで、本当は僕らの世代にとても関係のあることだと思います。

沙来:私は、実際に20歳になって投票権を得てから、政治についてもっと知らないといけないと思ったし、いろいろな政治家のマニフェストにも目を通すようにもなりました。投票権を得たことが、政治に興味を持つきっかけになるかもしれないなと思います。
投票権を得たらこうしたいという思いはありますか?

佳菜絵:今から政治に関心を持つのは難しくても、18歳になっていざ選挙に行くとなったらいろいろと調べて、自分の意見をもって投票したいと思います。政治家の言っていることを聞いて、責任をもって投票ができたらと思います。

類:私も、マニフェストや政治家の意見を読んだり調べたりして、過去に学んだことを見直して、まず選挙に直接関わるところから、そして18歳になってからいろいろと知っていきたいと思います。

哉人:僕も、同じように18歳になったときに何が争点になっているかわからないのですが、それに関して、自分なりに調べて、自分の意見を持って、それに合う人を探して投票したいと思います。

恵瑠:私も、まず知ることが大事だと思います。自分の選挙区内の立候補者のマニフェストを一通り読んでみて、今起こっている話題についてもしっかりと知ったうえで、自分の意見を持って投票に行けたらよいなと思います。大学に入ってからも時事について学ぶ機会もあると思うのですが、できたら自分でも調べて、そういう話をすることで周りに興味を持ってくれる人も出てくるといいなと思います。

類:ただ、実際に行ってみて、票を投じたい候補者がいない時は、それでよいのか不安です。

恵瑠:私は、自分の意見に一致しなくて、白紙投票でもよいと思います。自分のいやなことを無理矢理、他の人の意見に合わせることはしなくてよいと思います。白紙投票も1つの意見の形だと思います。とりあえず白紙でもよいから投票することが大事だと思います。

佳菜絵:いろいろな人のマニフェストを聞いたうえでの白紙投票はよいと思います。何も知る努力をしないで、よくわからないから白紙投票というのはよくないと思います。白紙でも投票をするからには、責任をもって行うべきだと思います。

哉人:日本の選挙システムの理念的には白紙投票をするぐらいならば、自分で立候補をしようという理念だと思います。もしするならば、自分が立候補してもよいというぐらいの勢いと自信を持ってしなくてはいけないと思います。将来的には、被選挙権の年齢引き下げもあるのではないかと思います。

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教育 国際

訪英取材より(6記事)

少年の軽犯罪 ~日英の対応と対策の違い~
2010/11/14                持丸 朋子(15)

日本で近年、少年の犯罪が増えている。警察庁によると昨年は検挙されただけでも 5 万人を超え、中でも万引き犯が 12000 人いるそうだ。理由としては家庭の事情や親に関心を持って欲しい、かまって欲しいなどが あ げられるという。このような身近な問題である万引きなど少年の軽犯罪の対応と対策はどのようになっているのだろうか。今夏、日英記者交流事業で記者として訪れた英国と、日本とで少年犯罪者への対応と予防対策について調べることにした。

ロンドンのYJB(少年司法委員会) 取材

<日本>

まず日本の警察庁へインタビューを行った。

そもそもなぜ軽犯罪をしてしまうのか。たとえば万引きの場合、理由は、お金がなかった、ゲーム感覚でやった、親にかまって欲しい、友達に強制的にさせられたというのが主なものだと生活安全局少年課理事官の佐野裕子氏はいう。

万引きをした少年は、親とのコミュニケーションが取れておらず居場所を求めている場合が少なくないことから、万引きに至った経緯や家庭の状況等について話を聞いてあげることが大切なのだそうだ。また、軽犯罪をする少年の中には、過去に虐待を受けた経験があり、それが万引きといった非行に影響している者もいるという。

「ぴあすぽ」取材

佐野氏はさらに、「警察庁は万引きをした少年がいたら警察に連絡するように店の人に呼び掛けている。警察へ通報された子どもは事情聴取をうけるとともに、親も呼ばれることになり、これをきっかけに、自らの行為をしっかりと振り返ることにつながる。事情聴取だけで終わる場合もあるが、その後、何度も補導されるなどして継続的に支援をする必要が認められ、保護者がこれに同意をした場合などは、警察が設置している少年サポートセンターという施設で立ち直り支援を受けることもがある」という。

警察は全国の道府県に少年サポートセンターを設置しているが、東京都は青少年・治安対策本部青少年課が民間の NPO に委託している。東京都から「ぴあすぽ」という名称で委託を受けている世田谷区にある特定非営利活動法人「日本子どもソーシャルワーク協会」へ取材に行った。

「ぴあすぽ」の寺出草太氏によると、ここには犯罪をした子ども、不登校などの問題がある子ども、そして保護監察中の子どももいるそうだ。

ここにきた子どもはユースワーカーの人と話したり、マンガやゲーム、スポーツをするなどをして居場所づくりができる。このようにして軽犯罪をした子どもを立ち直らせようとしているという。

<イギリス>

では、イギリスの場合はどうなのか。ロンドンにある Youth Justice Board( 少年司法委員会 ) で取材をした。少年司法委員会は、イングランド地方とウェールズ地方で少年犯罪対策を管轄している。

警視の Sian Lockley 氏によると、対策の一つとして、万引きをする子どもが多い昼時に学校近くのスーパーマーケットなどの前に、私服のガードマンと一緒に学校の教師が立ち、見張りをする。また、私服ガードマンが店内を周り、監視をすることもある。このような直接的な対策のほかに、軽犯罪を犯した少年の親の教育もするという。

Lockley 氏によると、イングランドとウェールズ地方の一部の地域では Youth Restorative Disposal( 少年修復処置 ) という更生方法をとっているそうだ。

この「少年修復処置」は、少年法が適用される 刑事責任年齢である 1 0~17 歳の子どもが万引きのような軽犯罪を初めて犯したしたときに適用されるそうだ。ただし、 200 ポンド (29,000 円※ ) 以上の高額商品を万引きした場合は警察に逮捕され、顔写真、指紋、 DNA 、調書などがとられ、保護者が呼び出される。逮捕歴が犯罪記録に残り、少年が将来就職をする際には、雇用主がこの犯罪履歴を見て、採用を見合せることがあるという。

「少年修復処置」がとられると、犯罪者は金銭で罪を償うのではなく、地元の清掃などのボランティア奉仕活動をすることで償う。この方法は、犯罪履歴が残らないため犯罪者の保護者も、被害者も喜んでいるという。

この「少年修復処置」は 2007 年にイングランドとウェールズ地方の 8 地域で試験的に開始されてから、わずか 3 年で 33 地域に増えた。ロンドンのような大都会でも似たような処置がとられているそうだ。

「少年修復処置」の特徴の一つは、少年犯罪者と被害者が同意すれば直接会って話をすることができる。

ベルファスト局取材

少年犯罪者は、まず被害者に直接謝罪をし、なぜ犯罪をしてしまったのかを伝えることができ、一方被害者は被害がどういうことに影響を及ぼしているかなどを話すことができる、同じ地域で 再び会う 機会があるので、再犯の防止につながると L ockley 氏はいう。

また、犯罪者の更生はだれが行っているのかを尋ねたところ「各地域の家族や警察官、ソーシャルワーカー、教育スタッフ、メンタルヘルス担当官などから編成される『少年犯罪対策チーム』が 1 つの建物内で一緒に行っている」ということだった。

これは日本の警察が設置している少年サポートセンターと似ているのかもしれない。

ロンドン局取材

 しかし、万引きをした少年がいたらすぐに警察へ連絡するように呼びかけている日本の警察庁と、犯罪履歴を残さないために 200 ポンド未満の初犯の場合は、警察に逮捕されずに「修復的処置」をとるイギリスの少年司法委員会の方法は違うのではないか。

 日英共通して言えることは、親子の関係が原因であり、それをなおすことが一番の解決策のようだ。親子の関係が、子どもが軽犯罪をする一番の原因であると警察庁も「ぴあすぽ」も強く言っていた。

 日本とイギリスで方法は違うけれど、子どもの一番そばにいて大きな影響を与える大人との関係をよくし、話を聞いてもらえる人がひとりでもいることが大切なのではないだろうか。

(※円換算は 2010 年 11 月 12 日現在の対顧客売値で 1 ポンド= 145 円)

日本と違う? 高校時代の過ごし方
2010/11/14                宮澤 結(17)

ロンドン局取材

2009年、日本では97.9%の学生が高等学校に進み、そのうち53.9%の学生が大学へ進んだ(文部科学省「平成21年度 学校基本調査」より)。大学へ進むために多くの学生が塾や予備校に通っている。一方、イギリスの大学進学率は2000年に60.0%だった(文部科学省「平成18年度 教育指標の国際比較」より)。日本と大学進学率はそれほど変わらないイギリスだが、イギリスの中高生たちは大学進学をするためにどのような準備をしているのだろうか。
その点を知るため、イギリスの3つの局で、それぞれインタビューを行って見えてきたのが、イギリスの中高生の将来に対する職業選択の意識の違いであった。日本とイギリスの大学進学および職業選択の意識の違いについてまとめてみた。

日本では中学校を卒業する15歳までが義務教育で、その後進学するか就職するかを決める。イギリスの場合は16歳で義務教育が終了し、進学を希望する人も就職を希望する人も、卒業するにあたってGCSE(General Certificate of Secondary Education)という統一試験を受けなければならない。その後、就職を希望する生徒は日本でいう高等専門学校に進学し、就職に直結する専門のコースで学び、大学進学を希望する生徒は日本の高等学校にあたる「6th form」という2年間のコースに進む。
  6th form に進んだ学生は、大学に入学するために大学で専攻したい科目の関連分野3科目について専門的に学び、2年後の18歳でA Level(Advanced Level)という統一試験を受ける必要がある。A-LevelではA~Eまで5段階の合格基準があり、通常、大学で専攻したい科目の関連分野がC以上で合格することが、大学入学許可の条件となっている。

今回インタビューを行ったベルファスト局では13人中12人、フォイル局、ロンドン局では共に6人中6人の記者が大学へ行くと言っていた。その理由としては「経験を積むため」という意見や、「学位を取って仕事を得るため」など様々な意見が上がった。

大学進学のためにどうやって準備をするのかを聞いたところ、三つの局で「学校のテストで準備をする」という回答をもらった。日本の塾の写真を見せて説明をすると、どの局でも驚かれた。ベルファスト局のスタッフであるカイアン・マッカー氏(38)は「イギリスでは小学校に入学する前に勉強を始める準備のための幼稚園があるけれど、それは小学校受験のためではない。大学受験のための塾もないと思う」と言う。
どうして大学受験の準備の仕方に違いがあるのだろうか。

これにはイギリスの教育制度が関係していると思われる。イギリスでは公立私立に関係なく、統一試験だけが唯一の大学入学試験であり、試験の合格基準によって行ける大学が決まるのに対し、日本は大学入試センター試験はあるものの、それに加え大学ごとに独自の試験を行うことところがほとんどだ。そのため、日本では志望大学ごとの対策が必要となり、塾や予備校に通って大学受験の準備をする人が多いのだろう。日本では学校の終わった後の放課後や休日を利用して塾などに通う。

大学進学のための準備についてインタビューしていくうちに、イギリスの中高生は大学の先を見越して大学進学をも考えている様子が見えてきた。イギリスにはWork experienceという制度があるが、彼らは職業体験を重視し、この制度を利用している。この制度では自分の希望する職種・分野の仕事で2週間働くことができるのだ。
ロンドン局でインタビューをした大学2年生のジャメリア(20)は「就職するにはCollege(単科大学)かUniversity(総合大学)に行って学位を得ることが有利だと思う。でも、自分が希望する職種に就くには技能を身につけることが必要で、一番大切なのは経験を積むことだ」と言っていた。そのために彼女がしたことがWork experienceだった。「アルバイトは長期的にできるしお金も得られるけれど、Work experienceの方が将来したい仕事により近い仕事ができる。私はこの制度を使って、音楽雑誌の会社で働いた」と彼女は語った。
また、フォイル局ではWork experienceを経験している人はいなかったものの、グレイス(15)は「私の学校では15歳から17歳の間にWork experienceを利用して、新聞社で働ける制度がある」と言っていた。

今回の取材を通して、日本とイギリスの中高生時代の過ごし方に大きな違いを感じた。日本では、大学合格のために、学生生活の多くの時間をただひたすら塾に行って受験勉強に費やすように思われる。したがって、一番の目標が大学合格であれば、大学入学と同時にその目標は失われ、その先を見失いがちになってしまうのではないかと思う。イギリスでは大学受験の勉強は学校で行い、放課後の時間は、「自分は将来何をしたいのか考えること」に時間を費やせる。
イギリスの同年代の学生が大学卒業後の就職を考えて中高時代を過ごしていることが、本来の学生の姿であるように思えた。

自分のやりたいこと、考えている?  日英の比較
2010/11/14                持丸 朋子(15)

日本の成人式の説明をしているところ

日本では 15 歳で義務教育が終了した後の進路は、平成 19 年の文部科学省のデータによると 99.7 %が高等学校へ進学。その後、 51.2 %が大学や短期大学などへ進学する。 その際、 大学ならどこの学校でもどこの学部でもいい、就職もどこでもいいから企業へ入りたいといって、大学で専攻した学部とまったく関係のないところへでも就職するということが多くあると言われる。その傾向は就職氷河期と言われている現在、特に激しいとも聞く。

このようなことは他の国でも同じなのか疑問に思い、この夏の訪英プログラムで訪れたイギリスの子どもたちに、大学進学や就職に対してどうかんがえるのか、聞いてみた。

英国にあるチルドレンズ・エクスプレスの姉妹団体 Headliners の 3 つの局(北アイルランドのベルファースト局、フォイル局、イングランド地方のロンドン局)で、大学へ行きたい、もしくは既に行っている人にその理由について聞いた。すると、日本の現状とは大きく違う答えが返ってきた。すべての局で返ってきた答えは「自分の興味のある分野を専門的に学びたいから」というものだった。

たとえば、ロンドン局で記者を修了して現在は局で働いているジェイミー (20) は「将来メディアにかかわる仕事がしたいから、メディアについて大学で学んでいる」と答えた。フォイル局の記者トーマス (18)は「学位が取れ、就職で有利だから」と答えた。このようにただ大学に入るだけでなく、入ることによっての自分へのメリットをしっかりと考え、大学で学んだことや学位など得たことを就職へ生かそうとしている。

就職を考えるという点では、英国にはユニークな制度がある。 Work Experience (職業体験)という制度だ。これは仕事に就いた時、つまり就職のための準備の一つである。また、実際にその職業に就く前に体験してみることによって、その職業の見えていない部分などもよくわかり、その職業が自分に向いているかどうか、などを見極める機会ともなる。

Work Experience を利用すると、高等学校に在学している間の第 10 学年と第 11 学年にあたる 15 歳から 17 歳の時に約 2 週間、もしくは大学在学中か大学卒業後に、自分の興味のあるところで働けるのだ。 Work Experience を学校のプログラムとして実施するところもあるという。フォイル局の記者グレース (15) によれば「彼女の学校では「新聞社へ行って Work Experience ができる」。 そうだ

 高等学校に在学している間の Work Experience は、大学へ入るときには特に評価されないという。その代わり、就職するときに評価される。高校時代にこの制度を利用する人は、つまり、将来、就職するときの自分のために、高校にいるときから自分の時間を割いて準備をしているのだと言える。

日本の高校生 の多くは 、学校のほかに塾へ行って大学受験の勉強をしてとりあえず大学に入り、大学で専攻していたことと関係が無くても、とりあえず就職をと考える。一方、英国の高校生は とても早い段階から自分の将来を考え、そのために大学では何を専攻するのか、 Work Experience をやるかやらないか、やるならば何をいつやるのかなどを決めている。

イギリスで記者に取材をし、イギリスの子どもは自分の行きたい進路がはっきりしているうえに理由もきちんとあり、進路や就職などの将来に対しての意識が高いことに驚いた。 

日本でも、将来に対しての意識がこれくらいあるといいと思う。そのためには、 英国の学生たちのように、早いうちから自分がやりたいことを考えられるように、職業に関しての情報がもっと子どもたちに届くといいと思うし、職業を体験できる機会もあるといいのではないかと思う。

成人年齢の「日英比較」
2010/11/14                富沢 咲天(15) 

現在、日本の成人年齢は20歳である。成人年齢になると日本では選挙や飲酒、喫煙の権利が与えられる。しかしイギリスの成人年齢は日本より2年早い18歳だ。なぜ日本とイギリスとでは成人年齢が違うのだろうか。その点を疑問に思い、両国の若者たちは、成人年齢は何歳がいいと考えているのか、また、その理由はどんなものなんかなどを知るため、選挙や飲酒、喫煙に焦点をあてて両国の若者にインタビューをした。

まず最初に選挙権についての意見を比較してみよう。
日本の20~30代の若者に実施した街頭インタビューでは、16人中9人が「選挙権は20歳でいい」、残りの7人が「18歳がいいと思う」と答えた。わずかだが20歳支持派が多かった。20歳でいいという女性(29)は「18歳だとまだ政治について分からないことが多いから、選挙権は20歳のほうがいい」という理由だった。

イギリスの若者21人からは「18歳か16歳がいい」という答えが圧倒的に多く、「20歳がよい」という回答はゼロだった。「18歳になると大学に行けるし、軍隊にも参加できるし、16歳から働くことができるので18歳がいい区切りだ」とロンドン局のジャメリア(20)は言う。

早い年齢から政治に興味を持ち積極的に参加したいという意見と、政治について正しい判断ができると思われる20歳まで待った方がいいという意見。イギリスは早い年齢の積極派が多く、日本はどちらの考えも一定の支持があった。

次に飲酒の年齢について聞いてみた。
日本では20歳以上の大学生の3人に意見を聞いた。日本では「大学のコンパなどで、20歳未満の学生も一緒にお酒を飲む機会が多い。この点から、日本も飲酒可能年齢は18歳からがいい」という1人の意見があったが、残りの2人は別に20歳でもよいという意見だった。

日本での飲酒は20歳からなのに対し、イギリスでは18歳から飲むことができる。そのうえリンゴ酒やビールならば、親同伴の条件で16歳から飲むことができるという。それはイギリスでは19世紀末までは生水の衛生状態が悪く、幼児でも水代わりにリンゴ酒を飲んでいたという歴史からきているのかもしれない。イギリスの若者たちは現状の飲酒解禁年齢に不満はないそうだ。

イギリスでは18歳から飲酒できるので、日本の大学でのような問題は起きない。ジャメリアは「パブでお酒を飲むことによって学生同士が仲良くなれるが、自分で飲む量を調節できるかどうかが大切だ」と言った。人にもよるが、年齢が低いほど酒量のコントロールが難しいという欠点もある。リスクをおかしてでも学生にまかせるイギリスと、リスクのことを考えて飲酒年齢を上げておく日本とでは考え方が違うようだ。

最後に喫煙年齢についてだが、日本は20歳、イギリスは18歳からである。イギリスでは喫煙年齢はあまり問題にならないそうだ。「イギリスでは法律で、公共の場で吸ってはいけないと厳しく決められているから、タバコを吸う人は少ないよ」とロンドン局のジェイミー(21)は教えてくれた。実際私たちがイギリスに滞在している間、タバコを吸っている人をほとんど見かけなかった。イギリスではタバコが日本の3~4倍もの値段で売られているということも影響しているのかもしれない。日本でインタビューした大学生3人も皆20歳の現状でよいと答え、不満は感じられなかった。これは喫煙が健康を害するということをみんなが自覚しているから、あえて年齢の引き下げは望まないのではないだろうか。

今回のインタビューでは、日本とイギリスの若者の考えがいくつかの点で違っていることがわかった。個人的には、選挙と飲酒の年齢は社会に出て働いて納税する人も増える18歳から、喫煙年齢だけは健康に関係することなので現状のままで、そして喫煙の場所の法規制がイギリス並みにもっと厳しくなればいいと思った。

印象に残ったのは、イギリスの若者たちは大人になることについてみな「私たちは若くても自分の考えをちゃんと持っているから大丈夫」と自信たっぷりに話してくれたことだ。日本人のインタビューの中でも、もっと成人年齢を下げても「日本の若者はしっかりした意見を持っているから大丈夫」「政治に興味がある若者もたくさんいる」などの心強い意見もあったが、「まだ早い」「できない」「分からない」「責任を負えない」という自信のなさがあらわれた意見もあった。

これらの年齢は、私たちの属する社会が何を重視して考えるかで決まるのではないだろうか。イギリスでは若者を自立した個人として扱うことを重視していて、日本では若者を未熟な人間として保護することを重視していると思う。歴史や文化、国民性や風土が違うイギリスと日本でまったく同じ意見になる必要はない。意見が違っても、相手の考え方を知ることでお互いがもっと深く理解しあえるのではないだろうか。これらのテーマについてイギリスの若者の率直な意見が聞けたことで、彼らをとても身近に感じられるようになったと思う。

大人になるために大切なこと~日英の違いから学ぶ~
2010/11/14                南雲 満友(15)

イギリスの成人年齢は 18 歳で、日本のように行政のホールなどに一堂に会する成人式はないという。

これをはじめとして、イギリスと日本では、成人すなわち「大人になること」に対する意識には差があることがわかった。 飲酒、喫煙、選挙権について、イギリスの記者たちにインタビューし、 意見交換を通して見えてきた「大人になること」の意味について、まとめてみた。

 日本では 20 歳を成人年齢とし、 20 歳の誕生日になると、何もしなくても「はい、どうぞ」と飲酒も喫煙も法律で許され、選挙権も同時に与えられる。一方、イギリスでは事情が異なる。イギリスでは、かつて 21 歳が成人年齢と決められ、飲酒、喫煙、選挙権が与えられるのは 21 歳からだった。しかし成人年齢の引き下げを求める学生運動により、 1969 年から法律上の成人年齢が 18 歳になったのだ。ただ、成人年齢を 21 歳とみなす慣習はまだ強く、 18 歳、 21 歳どちらを成人とするかは、各家庭で決められることが多い。これは、自分の子供の成人年齢は、慣習的に親自身の考える「成人」という定義に任されているからだ。したがって、 21 歳を成人とみなす家庭の子供も、 18 歳になっていれば法律上は飲酒、喫煙が許され、選挙権を持てるというのが現状だ。

 飲酒についてイギリスの記者たちに聞いてみると、、ほとんどの記者が「お酒を今までに飲んだことがある」と答え、「場所は家やバーなどで」だったという。飲酒年齢について聞いた時、ロンドン局のボランティアスタッフ( 21 )は、「自己管理できるなら 18 歳は適切な年齢だと思う」と答えた。また「 18 歳未満の記者にバーでお酒を飲んだ時に、年齢を聞かれたか」を聞いたところ、「全く聞かれなかった」とフォイル局の女性記者( 18 )は答えた。

 飲酒について、イギリスではユニークな条件もある。イギリスの飲酒解禁年齢は 18 歳であるが、 16 歳以上であれば、大人同伴ならバーやパブでリンゴ酒やビールを飲むことは、合法とされているのだ。イギリスの義務教育終了年齢が 16 歳であること、そして大学入学年齢が 18 歳であることを考えると、この条件は合理的だと言える。

 喫煙については、イギリスの記者たちに、日本で未成年者の喫煙防止のために導入された「 taspo 」についてどう思うかと聞いた。フォイル局の女性記者( 18 )は「本当にたばこを買いたい人は、知人に頼めるから意味がないと思う」と答え、ロンドン局のボランティアスタッフ( 21 )は「イギリスにも ID カードはあるけど写真がないから使い回しできる。日本の taspo は写真入りだからそれができない。イギリスもそうしたシステムを導入すべきだと思う」と語り、賛成、反対それぞれの意見が聞けた。

イギリスで驚いたことは、たばこの自動販売機がないことだった。「どうしてイギリスには自動販売機がないと思うか」と質問したところ、フォイル局の女性記者( 15 )は「自動販売機でならば、どこでもいつでも買えるから、未成年が買ってしまうので、イギリスにはないと思う」と語った。また、ロンドン局のボランティアスタッフ( 21 )は「法律で公共の場所での喫煙は禁止されているから、(買っても吸えないため)イギリスにはないと思う」と答えた。

 選挙権については、「あなたは選挙に行きましたか」と聞いたところ、ロンドン局のボランティアスタッフ( 21 )は「自分の税金がどう使われているのか気になるから、選挙に行った」と答えた。またベルファスト局の記者たち 12 歳~ 17 歳に聞くと全員が「 18 歳になったら行く」と言った。調べてみると、 イギリス 2010 年総選挙の投票率は 65 %、日本 2009 年衆議院議員総選挙は 69.6 %と日本の方が高かった。しかし、年齢層別の統計では、 30 歳以下年齢層投票率は日本では 33 %、イギリスでは 52 %だった(ダイヤモンド社ビジネス情報サイトによる)。若者の選挙に対する関心は、イギリスの方が日本よりはるかに高いことがわかった。

今回の取材を通じ、飲酒・喫煙・選挙権について、両国の制度や、若者の意識の違いを知ることができた。

喫煙については、イギリスは、国が制定した法律により、年齢にかかわらず公共の場での喫煙を禁止し、根本的な部分で規制をかけているのに対し、日本は、公共の場での禁煙は法制化せず、末端の自動販売機にだけ未成年に対して規制をかけている。実際に未成年者の禁煙を進めるのであれば、日本の今のやり方でいいのだろうか。

また選挙に関して、私は、自分が働いて収めた税金の使い方を決める人を選ぶ権利が、働いている人にはあると思った。日本では 20 歳以上でも働かずに親の仕送りなどで暮らしている人がたくさんいる。それに対し、中学校を卒業してすぐ、就職して働いている人も少なくないが、この人たちは選挙権がない。最近、選挙権の年齢の引き下げがとりただされているが、 18 歳に一律引き下げではなく、働いている人には選挙権が与えられ、働いていない人には選挙権が必要か考えてみることも大切かもしれないと考えるようになった。

日本でも参政権運動などを経て、今は 20 歳(成人年齢)になると考える間もなく、男女とも選挙権が与えられる。権利には責任が伴うが、新成人の大半は選挙にもいかず、その責任を果たしているとは言えない。しかし飲酒、喫煙だけは享受しているようにも見える。一方イギリスの若者は 18 歳で選挙権が得られる以前から、投票や政治に興味を持ち、与えられる権利に伴う責任についても考えていると感じた。

「大人になること」つまり成人年齢に達するということは、自分の行動や言動に責任を持ち、与えられた権利に対して義務や責任を果たしていくことなのではないだろうか。その点で、イギリスの若者は「大人になること」についてよく考えていると言えると思えるが、日本の若者はもう一度よく考え、行動していく必要があるのではないだろうか。

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政治

成人年齢の引き下げさらに、18歳選挙権の実施の実現に向けて

衆議院第2議員会館で枝野幸男衆議院議員へ取材

2007/11/06           藤原 沙来(17)

 現在、世界のほとんどの国が国民投票権所有者の対象年齢を 18 歳に定めているなか、日本でも対象者の年齢を 18 歳に下げる動きが始まっている。これからの日本の国民投票権所有者の対象年齢はいったいどうなっていってしまうのだろうか。

 18 歳に国民投票権所有者の対象年齢を引き下げるにあたって、多くの問題点も指摘されている。一つ目は大半の人が現在は高校に行き卒業したすぐ後に急に社会の一員として義務を負えるかだ。投票権を所有するということは同時に義務を負おうことであり、義務が果たせない人に権利を与えていいのかということだ。卒業後、 2 年間身をもって社会に関わり政治を知った後に選挙権を与えたほうが有効的ではないか。二つ目は、きちんと自分の意見を持ち、投票することができるかということ。しっかり意見を持ち投票している人とそうでない人の間では一票の重みが違ってきてしまうのではないだろうか。三つ目は喫煙や飲酒といった現在年齢の規定を 20 歳またはそれ以上に現在定めているものはどうなるのだろうか。また、もし万が一これらの規定の対象年齢を一度下げるとどんどん対象年齢が低くなってしまうのではないだろうか。

 私たちチルドレンズ・エクスプレスはこの問題に対して的場順三副官房長官と民主党の枝野幸男議員に取材した。現在、日本は若者の政治についての関心度がとても低く、また年代別に見ても 20 代の投票率は最も低い。 18 歳に引き下げる折にはどのように若者の政治についての関心度を高め、また投票率の向上を図っていくのだろうか。的場官房長官に 18 歳に年齢を引き下げてからの学校で行う政治に対する教育について変化はあるのかを質問したところ、「国が積極的に学校で投票についてもっと詳しく教育するようにこれからなるだろう」と語った。国が率先して政治に力を入れて教育を行うことは、これからの未来の日本にとっても心強いものだと感じた。国がもっと積極的に投票に関する教育をすることで若者が政治に対する自分の意見をしっかりと考え持ち社会に出ていくようになることが期待できると思う。

 また、 18 歳の若者がしっかり意見を持ち、考えて投票ができるかという問題について枝野議員に質問したところ「大人だってしっかりと考えて投票しているかわからないので、若者だからといって卑下することはない」と語った。ならば、なおさら少しでもしっかりと考えて投票する若者が増えるように政治に関心を持てるようなきっかけと社会に出てすぐ選挙ができるように十分な知識が必要だと感じた。

 この国民投票権所有者の対象年齢引き下げに伴い、喫煙や飲酒などの対象年齢はどうなるのだろうか。喫煙や飲酒の対象年齢は引き下げても何もメリットはないと感じられる。的場副官房長官や枝野議員はこれについて、一つ一つ対象年齢を引き下げるかどうかは慎重に検討していくと語った。メリットのあるものは積極的に規定を変更し、デメリットが出るものは変更しないそうだ。もし、喫煙や飲酒などといった規定の対象年齢が国民投票所有権対象年齢引き下げと同時に 18 歳に引き下げると、数年後さらに対象年齢が下がる気がして少し不安も感じる。

 実際に国民投票所有権の対象年齢が引き下がるかはまだわからないが、もっと多くの若者がこのことを機に、政治に興味を持ち積極的に社会に関わっていけるようになればよいと思う。そして、 18 歳になった人がすぐに社会に積極的に関われるように国がしっかりと教育をしてくれることを期待したい。



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国民投票法が2007年衆議院参議院で可決され、5月18日に公布された。この法律によると18才以上が投票権者となる。 いずれ国政選挙の投票も18才以上になるかもしれない、ということを前提に10代の若者が話し合った。 

https://cenews-japan.org/index.php/2007/08/16/565/
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政治

これからの日本の年齢による権利の制限

これからの日本の年齢による権利の制限
2007/10/18        大久保 里香(15)

 現在、世界のほとんどの国が国民投票権所有者の対象年齢を 18 歳に定めているなか、日本でも対象者の年齢を 18 歳に下げる動きが始まっている。これからの日本の国民投票権所有者の対象年齢はいったいどうなっていってしまうのだろうか。

 18 歳に国民投票権所有者の対象年齢を引き下げるにあたって、多くの問題点も指摘されている。一つ目は大半の人が現在は高校に行き卒業したすぐ後に急に社会の一員として義務を負えるかだ。投票権を所有するということは同時に義務を負おうことであり、義務が果たせない人に権利を与えていいのかということだ。卒業後、 2 年間身をもって社会に関わり政治を知った後に選挙権を与えたほうが有効的ではないか。二つ目は、きちんと自分の意見を持ち、投票することができるかということ。しっかり意見を持ち投票している人とそうでない人の間では一票の重みが違ってきてしまうのではないだろうか。三つ目は喫煙や飲酒といった現在年齢の規定を 20 歳またはそれ以上に現在定めているものはどうなるのだろうか。また、もし万が一これらの規定の対象年齢を一度下げるとどんどん対象年齢が低くなってしまうのではないだろうか。

 私たちチルドレンズ・エクスプレスはこの問題に対して的場順三副官房長官と民主党の枝野幸男議員に取材した。現在、日本は若者の政治についての関心度がとても低く、また年代別に見ても 20 代の投票率は最も低い。 18 歳に引き下げる折にはどのように若者の政治についての関心度を高め、また投票率の向上を図っていくのだろうか。的場官房長官に 18 歳に年齢を引き下げてからの学校で行う政治に対する教育について変化はあるのかを質問したところ、「国が積極的に学校で投票についてもっと詳しく教育するようにこれからなるだろう」と語った。国が率先して政治に力を入れて教育を行うことは、これからの未来の日本にとっても心強いものだと感じた。国がもっと積極的に投票に関する教育をすることで若者が政治に対する自分の意見をしっかりと考え持ち社会に出ていくようになることが期待できると思う。

 また、 18 歳の若者がしっかり意見を持ち、考えて投票ができるかという問題について枝野議員に質問したところ「大人だってしっかりと考えて投票しているかわからないので、若者だからといって卑下することはない」と語った。ならば、なおさら少しでもしっかりと考えて投票する若者が増えるように政治に関心を持てるようなきっかけと社会に出てすぐ選挙ができるように十分な知識が必要だと感じた。

 この国民投票権所有者の対象年齢引き下げに伴い、喫煙や飲酒などの対象年齢はどうなるのだろうか。喫煙や飲酒の対象年齢は引き下げても何もメリットはないと感じられる。的場副官房長官や枝野議員はこれについて、一つ一つ対象年齢を引き下げるかどうかは慎重に検討していくと語った。メリットのあるものは積極的に規定を変更し、デメリットが出るものは変更しないそうだ。もし、喫煙や飲酒などといった規定の対象年齢が国民投票所有権対象年齢引き下げと同時に 18 歳に引き下げると、数年後さらに対象年齢が下がる気がして少し不安も感じる。

 実際に国民投票所有権の対象年齢が引き下がるかはまだわからないが、もっと多くの若者がこのことを機に、政治に興味を持ち積極的に社会に関わっていけるようになればよいと思う。そして、 18 歳になった人がすぐに社会に積極的に関われるように国がしっかりと教育をしてくれることを期待したい。


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政治

18歳から成人?

18歳から成人?
2007/10/18            川口 洋平( 17 )

首相官邸で的場順三官房副長官へ取材
首相官邸で的場順三官房副長官へ取材

 憲法改正に関する国民投票法 ( 日本国憲法の改正手続きに関する法律 ) が公布され、憲法改正をする際、満18歳以上に投票権が与えられることになった。それに伴い、今まで20歳だった成人年齢を18歳に引き下げようとする動きが広まっている。

 政府は5月14日に年齢条項の見直しに関する検討委員会 ( 委員長:的場順三官房副長官 ) を発足させ年齢条項がある法律の見直しを始めた。成人年齢が引き下がると参政権を得られるのだろうか?飲酒、喫煙はどうなるのだろうか。的場委員長によると、どのような法律が具体的にどう変わるかは検討中で、改正の必要のある法律を各省庁に調査してもらっている段階だという。

  そもそも、国民投票法成立で整合性をとるために、民法や公職選挙法などに必要な措置を講じる必要があるという名目で見直しがはじまった、今回の成人年齢引き下げ。国民投票法案を提出した枝野幸男衆議院議員によると、昔から成人年齢を引き下げようとする動きはあったという。その内容は、成人年齢を見直すことが国民投票法より先であり、目的は二つあった。一つは若い人たちに政治に関心をもってもらいたいということだ。もう一つは、世界の流れにあわせるというものだ。実際、海外では18歳成年制をとる国が多く、150カ国以上の国が18歳成人制を取り入れている。的場委員長が成人年齢を他国と同調することに関して、「政治に必要なのは外交だ」と言っていたことからも、世界各国にあわせたいというのが本音ではないだろうか。

衆議院第2議員会館で枝野幸男衆議院議員へ取材

 実際に成人年齢が18歳に下げられれば、それぐらいの年齢の人はどう思うのだろうか。 NPO 法人ドットジェイピーが今年4月、全国の大学生 430 名に実施した国民投票法案意識調査によると、約6割の学生が、「社会に対してある程度の判断力を持っていることが必要という理由で、成人年齢は20歳からが良い」という。チルドレンズ・エクスプレス中高生記者で行った座談会では成人年齢引き下げに伴う、参政権に関して「 18 歳に引き下げるのは良くない、政治を判断できないのではないか?」「権利だけもらっても義務を果たせない人が出てくるのではないか」と不安視する意見が多く出た。

 的場委員長は、政治を判断できない人が出てくることに関して「現行の20歳であってもきちんと判断できるとは限らない。深い知識を身に付けた専門家もいれば、なにも知らないような人がいて、それらが平均化されて政府ができあがる」という。

 とはいっても、一人でも多くの人がきちんと政治を理解し判断することは必要だろう。人気投票で政治家が生まれ、その政治家が作りあげる政府はあまり考えたくない。

 成人年齢引き下げは、まだ検討が始まったばかりだ。成人年齢が引き下げられ、憲法改正だけでなく、国政選挙や地方選挙において投票権を得ることができた場合、私たちが政治に興味を持たなくてはいけないのは言うまでもない。一方で、18歳できちんと責任をもって一票を投じるためにも、政治についての知識を学び、考えることが必要だ。そのためにも、学校で公民や政治経済などの薄っぺらい政治の仕組みを教える場だけでなく、政治を考える機会や教育制度を整備して欲しい。


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国民投票法が2007年衆議院参議院で可決され、5月18日に公布された。この法律によると18才以上が投票権者となる。 いずれ国政選挙の投票も18才以上になるかもしれない、ということを前提に10代の若者が話し合った。 

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政治

成人年齢が引き下げられたら・・・

成人年齢が引き下げられたら・・・
2007/10/18          曽木 颯太朗(15歳)

 2007 年の通常国会で憲法改正手続について定めた国民投票法が成立した。この法律の注目すべき点は参政権の一つである国民投票の投票権を 20 歳以上ではなく、 18 歳以上の国民に与えていることだ。これに伴って現在 20 歳となっている成人年齢を引き下げることが検討されているそうだ。

衆議院第2議員会館で枝野幸男衆議院議員へ取材

 成人年齢が 18 歳というのは世界の趨勢で、 20 歳という日本は少数派だ。選挙権を与えることで 若い世代の政治への関心が高まる ことを期待する声もある。しかし、成人年齢を引き下げることは参政権を得る年齢のみならず、喫煙や飲酒が可能な年齢などの引き下げにもつながってくる。また成人するということは一人前の大人になるということであり、社会に対して義務と責任を負う必要がある。

 周囲を見ていると、 18 歳で義務を果たすことはできるのか、また政治について深く考えずに選挙権を行使してしまうのではないか、と いう 疑問が浮かび上がった。

 まず、 政府の成人年齢引き下げについて検討する「年齢条項の見直しに関する検討委員会」委員長の的場順三内閣官房副長官にお話をうかがった。成人年齢引き下げに伴う飲酒・喫煙年齢などの引き下げについて「全てを必ずしも変える必要はない」としたうえで、「現行法制で未成年に有利か不利かなどを考えて検討する」という。また政治について学校で 現在よりも 詳しく教えないのかと尋ねたところ、「今もきちんと教えているが、さらに力を入れる必要もある」と答えた。

 こうして聞いてみると政府が年齢引き下げに伴って予想される弊害を極力抑えようとしていることが分かった。しかし、 18 歳に成人年齢を下げて僕たち子どもには一体どういうメリットがあるのだろうか。一定の配慮はあれども、成人するからには大人としての責任を果たさなければならず、当事者として は 無責任な言い方をすれば「いい迷惑」である。

 僕たちは、 18 歳への成人年齢引き下げを積極的に推進していた民主党憲法調査会長の枝野幸男衆議院議員に も インタビューを 行った。「成人年齢が 18 才というのは世界的な流れだ。加えて情報化が進んだ社会で、子どもが大人同様に情報を得られるようになり、昔より早く成熟しているのも理由のひとつ」と枝野さんはいう。 そして「本来ならば義務教育が終了する 16 歳で成人が望ましいが、社会全体に“高校生は まだ 子ども”だという強い観念がある。 18 歳に選挙権を与えることは、あまり深く考えず人気投票になりかねない懸念もある。もっとも年を重ねている人がしっかり考えて投票しているかどうかは分からないが…」ともいう。

 権利と義務の関係については 、 「成人年齢を引き下げれば少年法も改正し、大人と同じような罪を問うことになる」のでちゃんと義務も備わっていると強調した。

 枝野さんはインタビューを通して年齢の引き下げは子 ども たちのためではなく 、 社会全体のためだと強調していた。歳をとれば目先の利益に目がいってしまうが、若ければもっと長い目でものを見られるというのである。

 成人年齢の引き下げについていろいろな話や調査を通して、いかに有益なのかはよく分かった。引き下げに 向 けた準備も進行している。しかし、やはり当面は現行維持に留まったほうがよいと思う。国民投票法は施行まで 3 年間の準備期間が設けられるが、その間に引き下げを周知し、その結果生まれてくる権利と義務について学ぶにはおそらく時間が足りない。もっといえば責任感のある人間として育てなければならないのだ。僕自身現在それほど責任感があるとは思っていない。 18 歳までの残り少ない時間で成人の権利と義務を学んで、しっかり理解できるようになるとも到底思えない。引き下げには反対しないが、子ども を いかに教育するかが今後の課題だと思う。


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国民投票法が2007年衆議院参議院で可決され、5月18日に公布された。この法律によると18才以上が投票権者となる。 いずれ国政選挙の投票も18才以上になるかもしれない、ということを前提に10代の若者が話し合った。 

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政治 座談会

成人年齢引き下げ

参加者:
藤原沙来(17)、原衣織(15)、曽木颯太朗(15)、大久保里香(15) 川口洋平(17 司会)
2007/08/16

 国民投票法が2007年衆議院参議院で可決され、5月18日に公布された。この法律によると18才以上が投票権者となる。 いずれ国政選挙の投票も18才以上になるかもしれない、ということを前提に10代の若者が話し合った。

洋平:今日は「参政権もらったら自分たちは投票する?」をベースにしてやっていきたいと思います。今回、国民投票法が成立して、憲法を改正するにあたって、18歳以上が参政権を与えられることになったので、自分たちも投票できることになりました。憲法というものをきちんと理解して、投票できると思いますか?

沙来:あと数ヶ月で18歳なので、すぐに選挙権を得ることができるのですけど、今のところ、私自身は親が選挙に行くのを傍観者として客観的にしか見ていないので実際に選挙権を得ることができても、投票する責任とかはまだわいてないのが現状だなと思います。

洋平:では3年後に憲法改正の国民投票が行われました、自分はもう18歳すぎています。投票へ行きますか?

里香:私は行きます。自分の意見が社会に反映されたらうれしいと思うからです。

洋平:18歳になったから自分なりに憲法解釈して、投票できるよ、ということ?

里香:たぶん。そういうふうに決まってしまったらやるしかないと思うので。

洋平:自分は行くかもしれないけど、まわりの友だちとかは行くと思う?

里香:興味ない子もいると思うし、それに急に2年も引き下げられたら心の準備もまだできてないと思うので、行かない子もいると思います。

颯太朗:自分では行くつもりですけど、インターネットや掲示板などであおられて、それに影響されて行っちゃう友だちがいっぱいいるような気がする。

洋平:2チャンネルなどで憲法九条のもとにまとまるのか。なるほどね。憲法をきちんと理解して、投票する人はあんまりいないということかな。

衣織:私もたぶん行きます。ただ今の中高の公民の授業では、憲法をちょっと離れたこととして扱っていると思う ので、まわりに憲法という問題を身近なものと感じている人は少ないと思います。

洋平:憲法を身近に感じさせるためには何かいい方法ありますか? 学校の教育にゆだねるしかないのかな。

沙来:高校生の間に18歳になる子は高校生の段階で投票に行くことができてしまうから、学校での教育が必要だと思う。うちの学校の場合は総合授業の中で、投票ボックスみたいのを先生が借りてきてくれて、実際に投票するというデモンストレーションをやって、もうちょっと身近に感じてもらうみたいなことをしていました。他の学校でも黒板に書いて勉強するのではなくて、もっと実体験できるような機会を与えてあげたら、もっと身近に感じられると思います。

洋平:ちなみに国民投票法を受けて、いろいろな学校でもそういうふうな授業が実際に行われているらしいです。

18歳と20歳の違いは?

洋平:大学へ行かないで高校卒で就職している人はたくさんいます。その人たちはちゃんと自分で稼いで、税金 も払っているのに、成人とみなされる20歳まで子供扱いされている。参政権ももらえないし、いろいろと制限されていますが、それについてはどう思いますか?

衣織:なにかの資料に18歳でもう自立している人が3割弱ぐらいいるっていうのがあったのですけど、今の日本は社会がどんどん高度化しているのに、自立する年齢はどんどん遅くなっていっている。その中で下げるっていうのは逆な気がする。だいたいほとんどの人は大学や大学院を卒業してからじゃないと自立しないからそうすると22歳とかもっと上になっちゃうわけで、そうなると18歳で自立する人は少なくなる。

里香:18歳で自立して働いている人は少数派で、おそらく多くの人が大学に行っていて、まだ自分で税金も払ってないと思う。そんななかで18歳を基準にすると、大半の人が社会のことをあんまり考えないで選挙に出ることになるので意味がないと思います。

颯太朗:18歳で働いて、自立している人に限って参政権を与えるなら賛成です。

洋平:じゃ参政権をもらえる人っていうのは働いているかどうかを基準とする?

颯太朗:働いている人、または働いた経験のある人。

沙来:18歳で働いている人がいるから引き下げるというのは反対で、20歳という社会人になるためのボーダーが あるのだから、それまでは社会のモラルを勉強しなきゃいけない年齢と設定すればいい。一定の常識も働いている間に身につけることができると思うし。

洋平:さきほど大学や大学院を出るまでは自立できないという話をしていたのですけど、逆に18歳で「大人なんだから」とつきはなしたほうが自立早まるのではないかとも思うのですが。

衣織:つきはなされたところで、実際就職はできないですよね。

沙来:私は18歳で自立はいいのですが、ただ法としては20歳のほうが気持ち的にいいかな、と。働くのであれば社会でちゃんと自分でしっかりしなきゃいけないっていう、自分に対して厳しくできる期間が2年間あるというのがいいかなと思います。

洋平:話は変わりますが、20歳が成人ということで、飲酒や喫煙も20歳からとなっていますが、実際大学生は 18歳でも新歓コンパなどで飲みますね。だから飲酒に関しては、年齢制限があってもなくても変わらないのではないか、みたいになっていますけれど、それについて意見はありますか。

颯太朗:選挙権を引き下げるのはあえて言えばどちらでもいいけれど、喫煙や飲酒の年齢まで引き下げると、今は法律があるから隠れてやっているようなのに、18歳になるとおおっぴらにやるようになって身体に悪影響を及ぼすような気がします。

里香:18歳から飲酒やタバコがいいとなると、みんな堂々と飲んだり吸ったりするようになってどんどん社会現象として、飲酒喫煙の年齢が引き下がると思うので、20歳は変えない方がいいと思います。

沙来:私も20歳から下げない方がいいと思っています。逆に低年齢化しないようにもっと働きかけをするべきだと 身体に悪いのは当たり前なのになんで18歳に下げて「しょうがないからいいのですよ」という流れになっているのかが納得ができないので。逆に20歳以上でもいいぐらいにして、タバコとかお酒にはもっと税を課すとか。日本の社会が下げるっていう方向性じゃなくて、なるべく酒とか喫煙をしないという方向に進むべきだなと思います。

衣織:お酒を飲む危険性って?

沙来:飲酒運転もそうだし、身体にもちろん悪いし、脳も小さくなるから悪影響。

洋平:でも外国はけっこう16歳からOKというところもあって。昔は食べ物にあまり栄養価がなかったので成長が遅かったけれど、今は18歳でも20歳でも成長的にはあまり変わらないらしい、と。それでも20歳じゃなきゃダメ?

颯太朗:喫煙はよくない。

洋平:わかりました。では20歳と18歳の違いってなんだと思います?

里香:基本的に違いはあんまりないと思うのです。高校卒業はまだ子供という意識があるじゃないですか。その中で急に社会の権利を与えられてもどうしたらいいかわからないと思うので、2年間勉強期間をおいて、20歳になって成人と認められたほうがいい影響が出てくると思いますし、みんな選挙にも興味もってくると思います。

沙来:正確な違いはちょっとまだわからないけれど、20歳という響きも、社会に出た時に大人になったなって思うし。そんなに大きな違いはないとしても感覚的な違いはあるのかなと思います。

洋平:日本では20歳が一つの基準とされてきたから、そういうふうな意識が根付いているとも思えるのだけど。

成人年齢を下げる理由

洋平:僕自身は、18歳で投票権、18歳を成人とするべきだと思っています。それは高校卒業したら大人、としないと、いつまでたっても親から自立もできないだろうし、それがニートにつながることも考えられるわけだし。    あと、高校を卒業してすぐに社会人になる人は、もう大学とかで学んだりしないわけじゃないですか。だけど政治を理解して20歳になったら投票に行く。ということは18歳の時点ですべて政治も社会のしくみも分かっているという状態じゃなきゃおかしいと思うのですね。それについてなにか意見はありますか?

衣織:18歳で自立している人はいるとは思いますが、その人たちが本当に選挙権を望んでいるか疑問。

颯太朗:18歳で自立している人がいるので参政権も引き下げた方がいいということですが、少数ながら中卒で16歳で社会に出る人もいる。16歳で社会に出ている人と18歳で社会に出ている人をどうして区別をつけなきゃならないのかという問題があると思う。

洋平:中学卒業する時点では一通り政治のしくみだとか分かっていなくてもいいし。

颯太朗:だいたいあんまり中学ではやらない。

里香:学校で教えられても黒板とかを前にして教えられるだけなので、全然親近感もわかない。だから18歳か20歳の期間が政治とかを身体で覚えていく期間だと思う。

洋平:わかりました。さっき話に出たのですが、そもそもなぜ年齢を引き下げたがっているのだと思いますか? 

沙来:少年法が一番関係していると思っていて。犯罪が低年齢化しているという動きがあるなかで、少年法だと 18歳から20歳未満の大人も少年として扱わなければならないのが中途半端なのかな? それを今12歳ぐらいまで引き下げようとする動きとかを見ていると、全部を一気に低年齢化させて、それプラス選挙に行ける子たちをもっと増やそうとしているようで。

里香:18歳からにすると、初めて選挙権が与えられたらやっぱりちょっと興味本位で投票してみたくなるじゃないですか。それでよくわからないから、テレビや新聞などに出ている政党の言うことを信じがちになる。そうすると18歳の投票率が高くて賛成とかも得やすくなると思うので、政党が国を支配しやすくするために18歳に引き下げるのではないかなと思います。

洋平:政治的な目論見がある。なるほど。

颯太朗:新聞によると18歳に引き下げる案を出したのは政府じゃなくて野党の方で、低年齢層の方が野党の支持率が高いというので始め政府はそれに抵抗していたっていうふうに読んだことがあります。

低年齢化は防ぐべき?

洋平:参政権については「18歳に引き下げるのはあんまり良くない、判断できないのではないか?」という話がありましたが、そもそもなんでみんなは成人年齢をさげるのが嫌なの?

衣織:この引き下げには、少年法の適用年齢引き下げが大きく関わってくると思うんです。少年犯罪が凶悪化しているからというのが理由のようですけれど、それは統計的には不正確と言われているし、今の大人の子供に対する恐怖感が厳罰化として現れているだけだと思うので、18歳とかもっと下の年齢からそういう罰を与えるのは反対です。

沙来:逆に年齢を下げるんじゃなくて、低年齢化を防ぐ動きをするべきだと思っていて、少年法に関してもそうす べきだなと思います。

颯太朗:まわりを見ていて、若者が何事に関しても無責任すぎるところがあると思う。大人になっちゃったら、「大人だから何をやってもいいんだ」と、親のいうことをまったく聞かなくなっちゃって、社会全体が無責任になりそうで。そういう点から18歳、もっと低年齢化することには反対です。

里香:20歳でも無責任な人はいて、18歳に引き下げたところで、権利だけもらっても義務を果たさない人も出てくると思うので、2年間で義務を学ばせてから権利を与えるべきだと思います。

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