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報告会、レクチャー

スマホで発信する映像ワークショップ

チルドレンズ・エクスプレスとNPO法人8bit.newsの共催

 2015年7月26日、チルドレンズ・エクスプレスとNPO法人8bit.newsの共催で、
Googleの協力を得て六本木ヒルズ内の事務所で「スマホで発信する映像ワークショップ」が開催された。
8bit.news代表の堀潤さんの進行で、小中学生、高校生、大学生など約20数名がスマホを通して何をどのように発信するのかのスキルを指導していただいた。実際にスマホで撮影して編集し、映像をアップロードして楽しんだ。

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社会

A “waiting elderly” problem in Japan

A “waiting elderly” problem in Japan    2015/03/10

Rina Koizumi (17)

Japan is said to be an “aging society” today. One of the problems of an aging society is that “waiting elderly”, meaning elderly people who are waiting to enter a special care nursing home because there are no spaces available. I investigated the actual conditions of the waiting elderly problem.

I asked Shoji Kawamoto, Elderly Facility Deputy Manager and Group Leader, Kanagawa Prefectural Institute of Public Health and Welfare Department, about whether or not people who wish to enter the special nursing home has increased. He said it has. The government created a nursing care insurance system in 2000. Since then, every year in April, the government conducts a survey that looks at the number of people wanting to enter nursing homes. In the first survey that year, in Kanagawa prefecture, there were 6,300 people on the list. In 2004 that number rose to 21,585, an increase of over 15,000 people. Since the 2004 survey, the numbers continue to rise. In 2014, 22,928 were on the list due to the increase of the elderly population.

Nursing Home Fukami in YamatoIn my next interview with Sumire Narita, Certified Care Worker and Care Manager, Social Welfare Service Corporation Shikou Kai and Director of Aobadai Area Care Plaza, I learned that many elderly people who have difficulty in their daily life come to Aobadai Area Care Plaza. Sometimes, people come only for consultation about nursing care for their who live in distant suburbs. This care plaza accepts applications for care level assessments for long term care.

To make use of the nursing service provided by nurse-care insurance, the necessity for care must be recognized. In this system, several steps must be taken to receive authorization. First, the person or their family send in their application to a public office or to a Community General Support Centers.

Second, a certified examiner visits the home to confirm the information stated in the application. Also, the home doctor writes a statement to support the application. Then the Certification Committee of Needed Long-Term Care, organized by health, medical and social welfare experts, examines the application. The applicant may be assigned a Certification of Needed Support with a number between 1 and 2 or a Nursing Care Level between 1 and 5 based on assessed care needs and ability to live independently. The more care services one needs, the higher the score they receive. If the applicant receives a Certification of Needed Support, a preventive care plan will be provided.

If an applicant receives a Certification of Nursing Care level with a number between 1 and 5, in addition to the care plan, they can also apply to enter a nursing home. However, if the nursing home is full, one has to wait. This is the problem of the “waiting elderly.”

If one has to wait to enter the nursing home with a high level of nursing care needs, it would be difficult to maintain the daily routine alone. Therefore, one would need more help in that case. Nowadays, there are many services to support a daily routine as an alternative choice to nursing homes such as household help including cooking, cleaning or laundry. Also, there are day centers providing a place for the elderly to spend their time and have meals or bathe. Thanks to these services, the waiting elderly are able to maintain their lives more easily than they had before.

Mr. Kawamoto pointed out one of the causes of the waiting elderly problem and that is that many people apply to many nursing homes at the same or apply without any urgency. In other words, there are many people rushing to apply to nursing homes because they worry about their future. However, some of them wouldn’t enter the nursing home even if their application was approved because they are still healthy enough or can receive care from their family members.

It is natural for us to worry about our future but in order to reduce the waiting elderly problem, we shouldn’t apply for nursing homes due of our insecurities. We should rather wisely utilize the living support service that appropriately supports our daily functioning .

 

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社会

なぜ今声優志願者が増えているか


2015/03/10                  毛利 真由(17)

  日本のアニメーションは今、日本のみならず世界中で見られている。大きな注目が集まる中、アニメに命を吹き込む声優という仕事に人気が集まり志願者が増えているが、簡単に成功できるものではない。今声優を目指す人はどのような気持ちでこの職業を目指すのか、なぜ声だけで演じることを選んだのかを探ってみた。

TSAを卒業した現役若手声優の小堀幸さん
声優の小堀幸さん

声優になるためにはふつう専門学校や養成所に入り基礎から学ぶ。そこで、まず専門学校東京声優アカデミーの教務部で担任をしている東さんに話を聞いた。声優になるためには基礎力、技術力、コミュニケーション力、個性が必要であると東さんは語る。基礎力とは主に滑舌・発声・イントネーションなど日本語を正しく話せる力のことを指す。感情を出せる技術を磨き、より良い演技をするため現場の雰囲気づくりも重要で、そこでコミュニケーション力が必要となるそうだ。そして増加する声優の中で抜きんでた存在となるために、声質や見た目などの個性も必要だという。

声優はアニメの声や吹き替えのイメージが強いが、今ではラジオやテレビ番組のナレーションの仕事も行うようになっている。以前は裏方としてアニメを支え、本人の姿が出ることは少なかった。それがイベントへの出演や歌手活動など声優の仕事以外にも頻繁に登場するようになり、本人が認識される機会が増えた。活動の幅が広がったのは、アイドル化する声優が増えてきたことが原因の一つとして挙げられると東さんは言う。アイドル化が進み人前に出ることで声優個人の人気が高まり、CDを出す歌手活動などにもつながったようだ。また東京声優アカデミーに通う生徒の森倉智奈央さんは、自分のキャリアアップにつながる歌などには挑戦してみたいと語る。声だけで演じることについては、お金では買えない演技の楽しさがあり、人に夢を与える仕事だからこそ苦労してもやっていきたいのだという。

東京声優アカデミーを卒業して実際声優になり、賢プロダクションに所属する小堀幸さん(『ハピネスチャージプリキュア!』ぐらさん役、『FREE!』橘蘭役 など)にも取材に行った。賢プロダクションでは二年間の養成期間があるが、一年目で生徒40人のうち半数が落とされる。二年間の養成期間を終えてプロダクションに所属できるのは数人しかいない。声優になるには一筋縄ではいかず、運と努力が必要なようだ。小堀さんは「厳しい道のりだからこそ、その中で生き残ってやっていきたい」と語った。声優という仕事の魅力は、声だけでこどもや外国人、動物にもなれ、「様々な人生」を歩めるところだという。自分以外のものになり、アニメを通して見た人がそれを喜んでくれて何かを学んでくれることがこの仕事のやりがいであるとも語った。

TSAの録音スタジオ前で取材

声優という職業はアニメブームをきっかけに増加し始めたことが分かった。声優になるため専門学校に通う森倉さんも、声優になった小堀さんも「声だけで演じるからこそ夢を人に与えられる」と、この仕事の魅力を語った。しかし、役のオーディションに最終選考まで残ってもそこで落ちてしまったらそれで終わりである。二等賞などない。そんな厳しい世界でも輝こうとする声優と志願者たちに注目していきたい。

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社会

夢を諦めることなかれ ~声優、その魅力と実情~


2015/03/10                  三好 恵瑠(13)

  皆さんは「声優」という仕事に興味を持ったことがあるだろうか。最近では声優専門のウェブラジオチャンネルや、声優がメーンパーソナリティーのテレビ番組が放送されるなど声優人気が高まっている。そんな声優という仕事の実情を知るため、専門学校東京声優アカデミーと賢プロダクションに所属する現役声優に取材した。

東京声優アカデミーの東氏

東京声優アカデミー(以下TSA)は18年前に声優養成科が設立された。主な卒業生には、代永翼、甲斐田裕子などがいる。併設校の東京アナウンス・声優アカデミーも石田彰、阿部敦などの有名声優を輩出してきた。60年以上にわたり声優界と向き合い、生徒を指導してきた学校として声優界の変化について質問をした。

取材に答えてくれたのは、教務部担任の東氏だ。東氏はTSAに来る前、声優の出演するドラマCDの制作をしており、業界には10年以上関わっている。東氏によると、現在声優ブームが起こっているのはインターネットの普及で、アニメキャラに誰が声を当てているのかが簡単に調べられるようになり、今までの「キャラクターへの人気」から「声優個人の人気」に変化してきたことが一つの要因ではないかという。志願者の増加という点では、高校生のなりたい職業ランキングのトップ10に入ったというデータもある。

こうして声優個人の人気が高まったことにより作品に声を当てるだけでなく、グラビア活動やアニメのイベント、ドラマCD、キャラクターになって歌を歌うキャラクターソングなどの仕事も出てくるようになったという。一部の声優は個人名で歌手活動も行っており、NHKの紅白歌合戦に出演するまでになった人もいる。声優の仕事の一つとして、歌のうまさ、というものはある程度必要になってきたようだ。

TSA生徒の森倉智奈央さん

それにより、声優に求められるスキルのレベルが上がったように感じられるが、昔と今で教える内容が大きく変化した訳ではないようだ。声優を目指し憧れる皆さんに東氏からのアドバイスをお伝えしよう。まず、基礎力だ。これは、滑舌や発音、イントネーション、日本語のルールなどといったものだ。次に、技術力。演技のうまさ、声だけで感情を表すといったものだ。これを鍛えるためTSAでは1年目はマイク前の授業はせず、芝居を重要視しリアリティを出せるようにしているという。そして、コミュニケーション能力。「点数がつかない仕事だからこその、人と人とのつながり、相手にこの人と仕事をしたいと思ってもらうことが重要だ」と東氏は語る。最後に個性だ。これは声優ならでは、といっても過言ではないだろう。声の個性、見た目、歌のうまさなどだ。

TSAの生徒である森倉智奈央さんに取材した。彼女は高校で演劇部に入り芝居の楽しさを知り、声優の道を目指したという。「発声、滑舌、感情表現など課題はあるが芝居の楽しさがその壁を超えてくれる」と語る。声優だけで生活をしていくのは簡単なことではないが、お金ではない楽しさが自身を突き動かしているそうだ。

賢プロダクションでは、TSAを卒業した現役若手声優の小堀幸さん(『ハピネスチャージプリキュア!』ぐらさん役、『FREE!』橘蘭役 など)に取材した。小堀さんも森倉さんと同様、高校時代は演劇部に入っており、その時の友人に声優という仕事を勧められ目指したという。声優の魅力は、自分だけでなく普通はなれないような動物や、男の子、その他様々なキャラクターとして様々な人生を歩めることだという。そして、自分の演技からそれをみている人たちが楽しんでくれたり、学んでくれたりしている人がいる、ということが励みだという。

しかし、苦労も沢山あるようだ。生活面では声優として食べていくこと、次の仕事を掴み取っていくことはとても大変なことだという。声優になるためにも、プロダクション付属養成所のオーディションに受かるだけでなく、そのあと養成所で査定に合格しなければならない。そこでも生徒数が次第に絞られていく。

小堀幸さんを取材

賢プロダクションのチーフデスクの坂本あずさ氏はこんなことを語った。「誰が流行るかは自分たちにもわからない。その人を推しても全く流行らない場合もあれば、何もしていなくても流行る場合もある。そんな厳しい業界だ」と。

最初に述べたように、声優人気が高まっていることは確かだ。諦めなければ夢はかなうと言えるのは、自分が成功したからこそかもしれない。厳しい業界であるが憧れと芝居の魅力に取りつかれこの道を選び、進んで行く人はこれからも沢山出てくるだろう。しかし、あえて小堀さんの言葉を伝えようと思う。諦めなければ必ず夢はかなう、と。

(一部現役声優の敬称を略しました)

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社会

待機高齢者問題を考える


2015/03/10                  小泉 璃奈(17)

  今日の日本は高齢社会と言われている。高齢社会の問題の一つとして「待機高齢者」の存在が挙げられる。特別養護老人ホーム(以下特養)に入所を希望しているが、空きがないために待っている高齢の人たちのことだ。増え続ける待機高齢者の実態について取材をした。

青葉台地域ケアプラザ成田所長

 まず初めに神奈川県保健福祉局福祉部高齢施設課課長代理兼グループリーダー川元昌二氏に取材をした。「特養への入所を希望する高齢者が実際に増加しているか」という質問をしたところ、答えは「増加している」だった。平成12年に介護保険制度が施行され、それ以降毎年4月に特養への入所希望者の人数を調査している。神奈川県を例に挙げると調査開始のこの年は6300人だった。その後平成16年には2万1585人と約1万5000人も増加した。その後も増加傾向にあり、平成26年は2万2928人となっている。これには高齢者人口の増加が大きな原因としてあるという。

神奈川県保健福祉局の川元氏を取材

次に社会福祉法人試行会青葉台地域ケアプラザ所長で、介護支援専門員・社会福祉士の成田すみれさんに取材をした。ここには日常生活で何らかの不自由や困難を有する高齢者等が訪れる。中には地方にいる親の介護相談のために来る人も少なくない。ケアプラザでは介護保険に際しての要支援介護の認定申請を受け付けている。介護保険利用では、まず本人または家族が居住地の町村や地域包括支援センターで申請をする。その後認定調査員が自宅などを訪問、また届出のあった主治医により意見書が作成される。それらをもとに保健・医療・福祉の専門家で構成される市町村での介護認定審査会で審査・検討が行われ、要支援1・2、要介護1~5、自立のいずれかが認定される。数字が大きい方が支援や介護の必要性が高い。もし要支援1・2の認定を受けると介護予防ケアプランが作成される。要介護度1~5の認定を受けると担当のケアマネージャーと相談してケアプランを作成する。または利用する施設を選んで申し込むことができる。つまり特養への入所「資格」が認められるというわけだ。しかし希望するホームが満員だった場合、入所待ちをしなければならない。これがいわゆる待機高齢者だ。

神奈川県大和市特養老人ホームのル・リアンふかみ

 要介護度が高く特養への入所を希望しているのに待機することになると日常生活の維持が困難になってしまう。そこで生活支援の必要性が大きくなるが、最近では生活支援サービスが充実してきていると成田さんは言う。例えば調理や掃除・洗濯などの家事援助、家庭の代わりに入浴や食事提供をする日中通って過ごす場など、このようなサービスのおかげで負担は軽減することができる。

 また前出の川元氏によると待機高齢者が増加する原因として挙げられるのが一度に複数の施設への申し込みや、すぐに入所を希望しない申し込みだ。つまり将来の不安から一度に複数の特養に申し込みをしている人が多くいるということだ。そしていざ入所が可能になると、まだ体を自由に動かすことができる状態にあったり、家族による介護を受けられることを理由に入所しないケースが多々あるそうだ。

神奈川県大和市特養老人ホームのル・リアンふかみ

 誰でも自分の老後について不安を感じるのは当たり前のことだが、待機高齢者を減少させるためには、不安に駆られてすぐに特養に申し込むのではなく自分にあった生活支援サービスをうまく活用することが大切だろう。

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社会 IT

SNSの危険性~犯罪に巻き込まれないために

SNSの危険性~犯罪に巻き込まれないために
2015/02/01                  前田 佳菜絵(14)

  いま「LINE」や「Facebook」、「Twitter」などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(インターネット上のコミュニティー型のサービス、以下SNS)が多くの人に利用されている。しかし、2013年の「三鷹ストーカー殺人事件」のようにSNSがきっかけで多くの事件が発生し、またそれらに中高生が多く巻き込まれているのも事実だ。安全に楽しくSNSを利用するには、どうしたらいいのだろうか。

 実際にSNSを利用している中高生にアンケートをとってみた。まず、使っているSNSの種類を聞くと、「LINE」や「Facebook」、「Twitter」や「Skype」、さらには「instagram」や「vine」など多くの種類のSNSの名前が挙がった。それらの多くが連絡手段として、また情報の共有のために使われていることもアンケートから分かった。SNSで事件に巻き込まれないために行っている対策を聞くと、アンケートをとった中高生は全員が何らかの対策をとっていて、その内容は、フィルタリングや公開範囲の設定、個人情報や顔写真は載せない、大勢の人が閲覧できるところにはコメントを残さないなどだった。また、自身がSNS関連の事件に巻き込まれた人はいなかったが、友人が「Twitter」のアカウントのなりすましの被害にあったという人もいた。

警視庁生活安全部管理官少年育成課課長代理(少年育成担当)の古郷氏郎警視と警視庁生活安全部少年育成課学校地域係長の山崎広行警部
左から山崎警部、古郷警視、山本警部

 アンケートの結果を踏まえ、警視庁生活安全部少年育成課へ取材を行った。警視庁生活安全部管理官少年育成課学校地域係長の山崎広行警部によると、特にコミュニティーサイトに起因して犯罪被害にあった児童は、平成21年以降は全国で毎年1000人を超えていて、今年(2014年)の上半期だけでも698人だという。その中のほとんどは中高生の年齢の児童だ。今では、携帯電話かスマートフォンを所持している中高生のうち中学生の約50%、高校生の約80%がスマートフォンを所持しているという。

中高生が巻き込まれたSNS関連事件の例として警視庁生活安全部管理官少年育成課長代理の古郷氏郎警視は「スマートフォンなどで見知らぬ人と出会いメールなどで個人情報を流出し、性的被害にあったり恐喝される犯罪がある。特に中学生、高校生になるといろいろな人とメールをするから、その点を気をつけないといけない」と指摘した。 古郷警視は「フィルタリングの説明は、必ず携帯電話の購入の際にするように通信会社に働きかけている。スマートフォンでは携帯電話回線の他に無線LAN回線のフィルタリングも必要だから、その説明もするよう求めている」と語る。ただし、携帯電話に慣れると他の機能を使いたくなってフィルタリングを外してしまい、そこで犯罪被害に遭うケースがあるため注意しないといけないようだ。その証拠にフィルタリングの利用率は中学生で約61%、高校生で約49%だという。

また、「家庭や学校で、携帯電話を購入した際に話し合って、携帯電話の使い方に関するルールを作ってほしい。自分の身を守るためにも大切だ」とも古郷警視は語る。SNSの危険性を尋ねると、「相手が見えないから、相手がいい人ばかりとは限らない。いい人なのか悪い人なのかの判断ができない。相手は自分の悪いところを言わないから、どうしても相手のことを信用してしまう。さらに、インターネット上に載せた写真からもGPSで位置情報が分かってしまうから、そこにも注意しなければならない」と古郷警視は答えた。

 警視庁が行っているSNS関連の犯罪被害対策については、学校に出向いて(要確認)「サイバー犯罪対策教室」を開き、事件の事例を紹介し啓発活動をするほか、その際サイバー犯罪対策課が作成するDVDでトラブル事例を紹介し注意を促す活動をしているそうだ。このDVDは警視庁のホームページで私たちも見ることができる。SNS関連の犯罪被害対策についてについて古郷警視は「各学校において概ね年に1回は教室をやっている。。薬物乱用以外の内容で警視庁が行った教室は、2013年は東京都内だけでも小学校で1815回、中学校で379回、高校で115回行った。主に学校側からの要請に基づいて行っており、DVDを使ったサイバー犯罪対策教室など、話題性のあるものが一番反響が大きい」と語った。他には、「サイバー補導」を古郷氏は挙げる。「サイバー補導」とは、インターネット上で援助交際等の書き込みをしている子どもとメールでやり取りをした後に、実際に接触して注意することだという。

 警視庁や通信会社は、新しいタイプの犯罪、巧妙な手口の犯罪についても研究、対策を行っている。古郷警視は最後に、「相談することの重要さ」を訴えた。「インターネット上の見知らぬ人から、一緒に会ったり写真を送ったりするよう誘われたら、はっきり断りブロックするように。もし被害に遭いそうになっても誰にも言わなかったら被害に遭ってしまう。すぐに家族や警視庁に相談するように」と語った。警視庁の「ヤング・テレホンコーナー」(03-3580-4970)ならば、名前や住所を言わなくても相談に乗ってくれるという。 「三鷹ストーカー殺人事件」も、フィルタリングなどの対策をしていたら、SNSの危険性をもっと理解していたら、また家族や警視庁に早い段階で相談していたら起こらなかった悲劇かもしれない。もっとSNSの危険性の理解が社会に広まり、もう悲劇が繰り返されないことを願ってやまない。

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社会 IT

まず相談!!~SNSの危険性~


2015/02/01                  三好 恵瑠(13)

  最近、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)関連の事件の話をニュースでよく耳にする。今は3DS、 iPhone、iPad、iPod、Walkmanの一部の機種でもSNSを使うことができる。SNSが多くつかわれる今日、どうしたらトラブルに巻き込まれずにすむのだろうか。その方法をさぐるために事件を扱う警視庁に取材した。

警視庁生活安全部

私たちはSNS関連の事件について知っていることはあまり多くない。そこで、中高生が被害にあった事件の傾向や相談、SNSの危険性や対策についての質問をぶつけてみた。答えてくれたのは警視庁生活安全部管理官少年育成課課長代理(少年育成担当)の古郷氏郎警視と警視庁生活安全部少年育成課学校地域係長の山崎広行警部だ。山崎警部は学校で非行・被害防止教室を開くなどの活動をしている部署に所属している。

警視庁の統計によれば、SNS関連の事件の被害児童数、特にコミュニティーサイトを通じたものは平成21年以降毎年1000人を超えているという。一番近い統計は平成26年上半期(1月~6月)のもので、全国の18歳以下の児童(ほとんどが中高生)698人が被害にあっている。その半数が青少年保護育成条例違反にあたり、「性」に関するものだと山崎警部は言う。そのほかワンクリック詐欺、メール上で知り合った人に個人情報を漏らしてしまったことによる恐喝などもある。これらを防ぐためには安易に個人情報を漏らさないことや、知らない人からのメールに気をつけることが大切だという。ストーカー事件にあうこともあり、「被害にあったらまず相談することが被害を大きくしないためには大切だ」と古郷警視は語った。

警視庁が考えるSNSの危険性やその使い方、行っている対策についても聞いてみた。
「SNSの危険性は相手が見えないことだ」と古郷警視は言う。SNSなどのコミュニティーサイトはネット上のつながりなので相手のことがわからない。相手がいい人ばかりだとは限らない。例えば、あるコミュニティーサイトに写真を投稿したとする。驚いたことにその写真から位置情報がわかり、自分の自宅等を追跡することができるのだ。そこからストーカー事件などにつながることもある。

 SNSの望ましい使い方には2つあるという。ひとつはフィルタリングだ。これは、携帯電話会社、本人、両親が関係することだと古郷警視は指摘する。フィルタリングは、携帯回線と無線LANの2つがある。最初はフィルタリングを皆つけているが、慣れてくるとはずしてしまうという。これを安易にははずさないことも大切なことらしい。二つ目は、家庭内や学校で話しあってルールを作りそれを守ることだという。

 古郷警視によれば警視庁が行っている対策は1つとして学校において概ね年に1回行っている教室がある。 警視庁のOBがスクールサポーターとして非行防止教室を行っている。その中で警視庁が製作したDVDを見せ、事例を教えたり、フィルタリングやルール作りの必要性を教える。児童・生徒自身に自分を守る方法を身につけさせることが目標だという。その他にも、サイバー補導というものがあり、インターネットの掲示板などに援助交際の書き込みをする子どもを見つけ、実際に会って注意をするというものもあるという。

 今回の取材で警視庁の担当者が繰り返し強調したことがある。それは、「早めに相談する」ということだ。相談する相手は、もし嫌だったら親でなくてもかまわない。そのために、警視庁ではヤングテレホンコーナーを設置している。匿名で相談することができ、しっかりと警察がアドバイスや捜査してくれるという。(相談電話番号は03-3580-4970)今日、SNS無しでは生活が成り立たなくなりつつある。みんなが有効活用できればとても便利で居心地のよい世の中になるのではないだろうか。しかし、SNSにはこの記事で伝えたようにたくさんの危険性がまだまだ潜んでいるし予防策を覚えねばならない。私たち子どもは安全にSNSを利用できる日が来ることを待ち望んでいる。

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Interviews 社会

The recent situation of Ishinomaki

by Mio Sakamoto (11)

Fishing port of Ishinomaki.

It is almost three and half year since March 11, what a memorable day. At 9.0 on the Richter scale, maximum seismic intensity at 7, the earthquake hit in the east Japan. It named “The Great East Japan Earthquake.” This earthquake caused a huge tsunami and drowned towns at Sanriku coast. I went to those damaged areas, Ishinomaki and Onagawa on August 16th. The aim was to learn how the damaged areas look like from the children who live there. I conducted an interview for Children Reporters who work at The Kids Media Station at Ishinomaki.

First of all, I visited Hiyoriyama Park, Ishinomaki Port, Minato Elementary School and Onagawa Regional Medical Center (the old Onagawa town hospital.) Since Hiyoriyama Park is located at height, we could see a panoramic view of Ishinomaki city from there. There were landscape pictures taken before the earthquake posted in places. To compare with those pictures, it is clear that city landscape was dynamically changed. Buildings in the town disappeared sharply, resulting in almost vacant land in Minamihama Area and Kadonowaki Area. Sandbanks in Old Kitakami River got smaller than before because the tsunami flushed it out. A half destroyed building is still remained at Ishinomaki port. It was a pitiful sight.

Owing to the earthquake, Minato Second Elementary School (closed in 2013) unified to Minato Elementary School. On the site of Minato Second Elementary School, there were stone monuments commemorating closure of the school.

Onagawa Regional Medical Center.

Although Onagawa Regional Medical Center was built at 18 meters height from the ground, the first floor of the building was flooded about 2 meters when the tsunami came. We saw many signs which indicate “tsunami attained at this point of height.” Also, small temporary housings still remain there. There were many things I couldn’t realize without going there.

After that, I visited children reporters in general incorporated association Kids Media Station to ask about the earthquake. Kids Media Station is an organization, publishes “Ishinomaki Hibi Kodomo Shinbun.

When I asked how he felt when the earthquake happened, Ren Yaegashi (first year in Ishinomaki middle school) said “At that time, I was in fourth year in elementary school. So I was in school and I worried about my family members.”

Questioned about what he wants the town to be in the future, Hiroki Matsubayashi (first year in Hebita middle school) said “Since the tsunami hit our town, we could play only inside. I would like there to be more playgrounds” Also, according to Hinako Kimura (third year in Kadonowaki middle school), “After the earthquake, many stores in a shopping arcade were closed and became empty. So I hope stores would be opened again and become more bright.” Ren Yaegashi said “the stores are concentrated in the suburb area, I would like to make central area livelier.” Their opinions were mainly about town surroundings that have hugely changed from the tsunami.

When I was asking about whether the status quo of the city gradually approaches to their ideal, Yuuko Sakai (sixth grade in Kadonowaki elementary school) indicated that “It is approaching to the ideal. However, I don’t think the town became the ideal yet.” Ayaka Abe (sixth grade in Hebita elementary school) said “Minamihama area where Kadonowaki elementary school used to be there is now almost vacant area. The tsunami flushed almost everything out, there is grass only remained right now. That place is very dark because there are no lights, so I want to make that place brighter.” Hearing their answers, it seemed the area hasn’t recovered from the disaster or reached to the standard before.

With children reporters of Kids Media Station.

What do they want people in other places to do is “I would be happy to if people in Japan will pay more attention to our town Ishinomaki and read “Ishinomaki Hibi Kodomo Shinbun.” On the one hand, there are reporter specified opinions there but on the other hand, there were opinions such “I hope many people will visit Ishinomaki and exchange with us.” (Kimura) or “I want the population of the visitors to increase than now. I would like them to know more about the earth quake.” (Abe). As stated above, there were many wishes for people to visit Ishinomaki.

Finally, I asked are there any lessons from the earthquake for people in Japan. Yaegashi said “People in Ishinomaki became more prepared for disasters than before. So, I would like people in other areas to be prepared for disasters.” Hinako Kimura also said “Since we can’t predict when earthquakes happen, I strongly recommend preparing for those unforeseen happenings.” Sakai indicated “It would be better to think about how to manage and survive from the earthquake on daily basis.” They told us their lessons from the earthquake.

As I visited in Ishinomaki, I felt an atmosphere which I couldn’t gain only watching documentaries or news through a screen. Also, I noticed there were many things I could never know as long as I could ask them who survived from the earthquake directly. If more people know about the earthquake by visiting the spot, it would be helpful for people to prepare for earthquakes whose epicenter is directly below Tokyo or Nankai Trough earthquake. To gain more knowledge about earthquakes will prevent people and cities from damaging.

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国際

A Celebration of Youth Voices

by Kanato Matsumoto (15)

Group presentation.

At noon on the third day of the “International Youth Media Summit” 2014, I was in an orientation session where each group consisting of seven students introduced themselves. I felt like whimpering in the middle of my presentation because of my poor English. I could not talk about myself fluently like other members.

Many times I was at a loss for words and said I was sorry. Then they encouraged me patiently to continue my speech and told me they did not judge me by my English level and I did not have to apologize.  After I listened to those words, I started to say “Thank you” instead. Those words gave me the courage to speak English for the rest of the summit.

This event, the 9th International Youth Media Summit took place in US Soka University campus in Southern California from July 14 to 27th, 2014.  Around 80 young people from 22 countries including Afghanistan, Iran, Israel, Palestine and Kosovo participated in the event.  They were divided into seven groups and each group was assigned one of these topics: discrimination, poverty, violence, health, environment, women’s rights and youth empowerment.

I joined the young people’s status group. Other member students were from Armenia, Slovenia, Kosovo, United States, Mexico and Nigeria. First we presented problems relating to the young people’s status in their home countries, shared information and then discussed the solutions. A Nigerian girl told that many young people in her country could not choose what they wished to do due to financial constraints and social status. Everyone agreed that was also the case in their own countries.

Our mission was to make a one-minute video clip. Each member picked a video as their example and shared them with the other members.  Then we discussed what our theme should be and how to create it. We finally decided to title our work “EVERY TALENT HAS ITS POWER” aiming to motivate young people to believe in their own talents and pursue their chosen way even if they feel hesitant to do it.

Gaffer.

We shot our video on the university campus. Everyone was given a particular role such as producer, director, etc. and also received necessary training for our roles from professional experts.  I was in charge of gaffer, controlling the light level in a scene using the light and a reflection board. This was a new skill for me. I had never experienced this kind of workshop before. I was amazed that the other members understood their roles quite well and were surprisingly skilled at video creation. Sometimes we disagreed with each other but ultimately always reached a reasonable resolution after discussion and listening to each other. Japanese people tend to withdraw their opinion before even making efforts to listen to others when they confront a different point of view. I felt this type of interaction was something the Japanese could learn from.  We were all delighted when we finished editing and completed our film.

Another mission was to draft a declaration. Everyone composed an essay to discuss problems in their countries and propose solutions. One declaration from each group would be nominated for recording and would be also shown together with the group video work. The declaration I wrote was selected from our group. I asked parents and teachers to use more encouraging words to children. I practiced my English pronunciation very hard and spent much time preparing while receiving support from others for the recording.  When my declaration and our video were presented in the closing ceremony, we were all filled with joy and a sense of accomplishment.

Recording the declaration.

What I realized by the end of the summit was that at the beginning, we all came with many worries but by the end we all successfully worked as a team and produced a video by exchanging our ideas.  I learned that when we are confronted with challenges, the key to success is to jump right in and try it. When watching arguments that occurred within the groups, it made me feel that people are basically the same no matter where they come from. Most of the disagreements were a result of clashes between different cultural values and strong feelings by participants of wanting to change that.  This summit brought many young people from various sets of circumstances, different views on issues. By having participants work on joint projects, it provided them an opportunity to be able see things from a more global perspective.  Having spent my time among those who are able express their ideas very well and listen to others, I learned the importance of being able to assert one’s opinions.  For that, I feel I must work hard to raise my level of English.

 

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「さわれる検索」でみえたこと

高橋 優香(16)

  昨年、ヤフー株式会社が新しいプロジェクト「さわれる検索」を立ち上げた。検索がさわれるとはどのようなことなのかを調べてみた。

「さわれる検索」は3Dプリンターとインターネットを組み合わせた構造になっていて、まず音声入力でキーワードを検索し、3Dデータベースにアクセス、最後に3Dデータをプリントアウト(立体化)するという手順で機能する。ヤフーはこの「さわれる検索」を筑波大学に寄贈した。

実際に設置されている筑波大学附属視覚特別支援学校を訪問し、高校三年生の大島康宏さんに話を聞いた。大島さんは目が不自由だが、「さわれる検索」によって「想像していなかったものを手で触ることができ、形を認識しやすくなった」と語る。今までは立体の模型を購入したり、先生が手作りで作っていたのだが、「さわれる検索」の開発により実物の模型を機械で作ることが可能になった。動物の模型など立体のものが簡単に出てくるのは画期的で、形を理解する手間が以前と比べて短時間で可能になった。

大島康宏くんに取材

しかし利点ばかりではない。作られたモノの手触りがすべて同じであることや縮尺が表示されないなど改善してほしい点はまだまだあるという。また、3Dデータで作れるバリエーションの数には限りがあり、検索物によっては例えば台風や空気などといった形では表せないものをプリントアウトすることができない場合がある。このような場合には、「データを必要としている生徒がいます」といった通知がインターネットを介してヤフー側に伝わり、ヤフーがそのデータをYahoo!のネット上で募集する作業が行われる。こどもたちは「さわれる検索」のモニターの役割も果たしていると言える。

さわれる検索の開発者でヤフー株式会社マーケティングソリューションカンパニーのクリエーティブマネージャーである内田伸哉氏は、「目の不自由なこどもたちに検索結果を音声で表すことができないかと思い始め、最終的に『さわれる検索」を作った」と言う。内田氏は事業の企画を立てる時に企画案を100~200個も考えるそうだ。なぜ「さわれる検索」のような新しい企画がたくさん浮かぶのかを尋ねると「失敗したものを改良して新しいものを作る行為を繰り返しているうちにたくさんの企画が生まれ、それらをかぶらないように整理していく。人が今までやったことがない方法で人を喜ばせ、世の中の人があっと驚くようなものを作ってみたい」と充実した表情で答えてくれた。

ヤフーのプロジェクトはすでにことし3月で終了したが、筑波大学附属視覚特別支援学校の星祐子副校長によると、「さわれる検索」はこどもたちの声によってその後も進化し続けている。受け継いだのは文部科学省委託事業の「支援機器等教材を活用した指導方法充実事業」だ。今年度と来年度にわたって「さわれる検索」システムに入っているデータと、こどもたちが欲しがっているデータをデータベース化することを計画している。星副校長は「さわれる検索」について、「いろいろな取り組みの延長線上として「さわれる検索」が存在するのであり、いきなり出てきたわけではない」と語る。インターネット企業、検索技術者、プリンター設計者、大学の研究者、視覚障害教育の先生、ユーザーであるこどもたちが様々なアイデアを出し合った結果ではないだろうか。「さわれる検索」をもとに、より改善した装置が普及し、小さなこどもでも使えるような実用的な支援マシンが増えてほしいと願う。

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「さわれる検索」って何?

村上 類 (16)

  昨年、ヤフージャパンが「さわれる検索」を開発した。ヤフージャパンは日本人の多くの人に利用されている検索エンジンの一つだ。しかし、この「さわれる検索」は名前の通り、ただ検索するだけではなく視覚障害の音声検索によって認識されたデータを3Dプリンターで出力する。そして作ったものをさわって形を認識することが出来る、検索と3Dプリンターを融合させた今までにない画期的なコンセプトだ。

ヤフー株式会社マーケティングソリューションカンパニーの内田伸哉氏

3Dプリンターが世の中になじみ始めた今、実際に活用されている例の一つである「さわれる検索」はなぜ生まれ、また実際に利用者の視覚障害者の人たちは何を思うのか。

まず私たちは「さわれる検索」のプロジェクト責任者であるヤフー株式会社マーケティングソリューションカンパニーの内田伸哉氏に取材をした。そもそも「さわれる検索」誕生の発端はヤフージャパンがインターネットの未来を示す必要があるという使命感からだと内田氏は話す。現在インターネットの検索では情報を「見る」・「聞く」はできるが、五感の中の「触る」ことはできない。内田氏は、そのことが原因で困っている人は目が見えない人であると気付いた。また、「誰も考えたり作ったことがないものを作ったり、世の中の人が驚いて、喜ぶものを作ることが仕事のやりがいにもつながる」と語った。そして「さわれる検索」を開発したことで、目が見える自分では気づかない発見があったそうだ。例えば実際に使用した生徒から出た要望は、「蚊」や「スカイツリー」のように小さすぎたり、大きすぎて触れないものや、実物をさわることができない「竜巻」だった。

Yahoo! には社会貢献を簡単にすることが出来る仕組みがあり、それを活用して「○○の3Dデータを求めています」と出し、様々な企業や団体などからデータを提供してもらってきたことで、多くのものの形を3Dプリンターで出力することができるようになったそうだ。

「さわれる検索」によって想定していない発想がつぎつぎ寄せられ、データの提供により、ますます健常者の人との形に対する認識のギャップが埋められるようになったと感じていると内田氏は言う。世界に負けない技術が日本にあるから、ヤフーがいままでにやったり、見たりしたことのないものを世の中の課題を解決する検索エンジンをこれからは作っていきたいと将来展望を語った。

では実際に「さわれる検索」を使った生徒はどう感じているのだろうか。筑波大学附属視覚特別支援学校高等部3年生の大島康宏さん(18)に取材をした。

 大島さんは立体的な形が簡単にできるのは画期的だと思ったことが「さわれる検索」を使用して率直に感じたことだそうだ。今までは立体のものは学校の授業で使ったことはあるものの、先生たちが発砲スチロールや紙粘土などで時間をかけて作っていたため、時間がかなり短縮されている。中でも蚊はさわれる検索で作ってさわって一番驚いたものだと大島さんは話す。小さすぎて普段はさわれない蚊などは身近なもので一番おもしろいと感じたそうだ。そして蚊の羽の向きや脚の数なども実際に触ってわかったそうだ。これからは「さわれる検索」などで街並みの模型などを作れば、障害者の世界が広がって出かけやすくなるという。

星副校長が「さわれる検索」を説明

だが、「さわれる検索」には改善してほしい点もあると大島さんは語った。大島さんは現在高等部に通っているが「さわれる検索」は主に小学生が利用しているため、実は先生に紹介してもらうまで自分の学校に機械があることを知らなかったそうだ。それに加え、例えば蝶一つとっても、飛んでいる蝶と花に止まっている蝶では羽の広げ方が違うなどバリエーションが少なく対応できていないところもある。また、実物の大きさの縮小率が提示されないため、比較ができない。例えば恐竜とネコが同じ大きさになっていたりするそうだ。それに加えYahoo! のホームページにある「さわれる検索のデータ募集」も終了してしまったので、データの蓄積が限られてしまったそうだ。

 しかし星祐子副校長によると、当校では、今年度と来年度(予定)、文部科学省の受託を受け、「支援機器等教材を活用した指導方法充実事業」に取り組んでいる。日本全国の視覚障害者や団体からデータのリクエストを募集し、それらのリクエスト等も参考にしながら、3Dデータをデータベース化して公開することにより「さわれる検索」のアプリケーションをダウンロードしたパソコンと3Dプリンターさえあれば誰でも多くのデータから自分が欲しいものの形を作れるようになっていくことを検討しているそうだ。これにより動物の細かい動きから物理の電磁波の仕組みまでを3Dプリンターによって再現することが可能になっていくのではないだろうかと大島さんは語った。

 「さわれる検索」と他の情報をうまく組み合わせることによって視覚障害者にとっても生活で生かしやすいものになるのではないだろうかと大島さんは話す。3Dプリンターによって、視覚障害者が見られなかった形がさわることによってわかるようになったと、それだけを聞くとメリットばかりのように感じるが、障害者の視点に立った政策や事業がこれからも増えていくことを期待する。

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座談会

中高生の時間の使い方

参加記者:三好恵瑠(中学1年)、小泉璃奈(高校2年)、近藤さくら(高校2年)、米山菜子(高校3年)
2014/11/15

学校、部活、塾、習い事、家族行事、ボランティア、ネット、テレビ・・・いまの中高生はとにかく時間に追われているようにみえる。そこで東京都心の私立中学・高校に通う記者たちが自らの「時間」について語り合った。

菜子:まず、みなさんの部活や習い事などを教えてください。
璃奈:中学2年までピアノを習い、中学3年から塾に通っています。
菜子:週に何回ですか?
璃奈:ピアノが週1回で、塾は高2から週2回に増えています。
さくら:中学時代は金曜日に塾、火曜と木曜に部活でした。コンクール前は土日も部活があり
ます。塾はいま週に4回です。
恵瑠:部活が週に3回あって、それ以外は特にしていません。
菜子:私は中学時代は週2回部活があり、週5回朝練がありました。高校では部活が週3回に
なり、塾も増えて最終的には週7回塾に通っていました。ほかに地域貢献活動「ロック
そーらん」やCEの活動があります。

菜子:高校生は塾の日が多いようですが本当に必要ですか?
璃奈:中3で成績が悪くなり通い始めましたが塾の復習をあまりやらず、今思えば本当に必要
だったのかな?でもいま高2ですが塾以外にも自習室に行き、目標を持って勉強してい
ます。
さくら:璃奈さんと同じように高1の時はあまり意味がなかった・・言いすぎかな?いま高
で受験を意識して勉強しているので必要だと思います。
菜子:英語が苦手で高2から英語塾だけに通いました。その後受験を意識して3科目を習える
塾に通いました。今考えるとどれも必要でした。

■忙しいと感じますか?

菜子:みなさん、いまの生活は忙しいと思いますか?
璃奈:正直なところ、そこまで忙しいとは感じていません。テレビ視聴を減らしたら勉強の時
間ができたので、時間を見つめ直すことは大事だと思います。
さくら:私も無駄な時間がすごく多くて・・・勉強の時間を見直すようにしています。
恵瑠:中学の一学期はとても忙しいような気がしていましたが、試験を3回経てからは勉強の
仕方が分かってきたので、今はそこまで忙しいとは感じていません。
菜子:私はいま大学受験が終わり自分の時間が増えました。忙しさは高2がピークで部活、生
徒会、塾、CE、地域貢献と全てに手を出して忙しかったです。

■時間の捻出アイデア 

菜子:実際にどのように時間の使い方を改善しましたか?
璃奈:見たいテレビは録画して次の日の夕飯を食べながら見ます。
さくら:「やることの優先リスト」をつくり、終わったものから消していきます。
恵瑠:母が見るテレビをちらちら見ていたので、それをやめました。ほんとうに見たい番組が
あるときは頑張ってそれまでに宿題を終わらせます。
菜子:時間の融通の効く塾に通い、不定期活動のCEや地域貢献活動に対応しました。優先順
位をつけ、中学時代の朝練で朝が強かったので「勉強は朝」と決めていました。
璃奈:私はいつも無駄に早起きしていた気がします。それで早く学校に着くようにして、まだ騒がしくない教室で朝礼までの時間を勉強に充てています。

■失敗、後悔・・・

さくら:「やることリスト」の理想が高すぎました。予定通りにいかない時があって、そこをど
うしていくかが課題でした。
璃奈:先輩の菜子ちゃんの予定リストは、全部実現できそうなリストでしたか?
菜子:「やること」というよりも「やらなければいけないリスト」を作りました。その日にしな
いと次の日の自分が苦しめられることが分かっていたので。あふれた分は休日に消化し
ましたが、バスケ部の試合が日曜に入ると、次の週にまた先送りになり苦しかったです。
璃奈:私も「やらなければいけないリスト」を書いたんです。でも「英語宿題」というおおまかな予定ではなく、英語のどの分野を何時間、どのように勉強するか具体的に書くことが大事でした。
菜子:同感です。数学の問題集の何頁から何頁と具体的に書くようにすると、量が少なく感じて、やれることが多くなったと思います。
恵瑠:私の失敗談です。中1の最初の定期テストでは入学したばかりで遊んでいたので苦手の数学の問題集を解くのにすごく時間がかかりました。毎日2頁と計画を立てたのですが、数学だけで一日が終わり他の勉強が出来ませんでした。やりたい教科はすごく頑張れるんです。別にどっちでもないなっていう教科をないがしろにしていたらひどい点数を取ってしまったので、できる予定を立て、試験前にちゃんと勉強しておけば良かったと思いました。
璃奈:いまの話を聞いて思い出すのは、私も今日は世界史の日、明日は英語の日と極端になってしまい、その偏りが結果にも表れてしまいます。そのあたりはみなさんどうしていますか?勉強と自由時間の切り替えだけでなく、科目同士の切り替えについて。

■勉強の工夫

菜子:私は一教科をずっと続けると飽きるので、少ない量でいろんな教科をやっていたと思
います。
さくら:数学や化学の理系科目をやり、飽きたら文系科目の暗記を入れて、メリハリをつけます。
恵瑠:私は、これまで頁で区切って計画を立てていたのですが、そうしたら頁によって問題の量が違い、他の教科に手が回らなくなってしまったことがあります。それからは頁数の目標に加えて、これくらいの時間でやると決めて時間内に終わらせるようにしました。

璃奈:みなさんがとった方法の結果、充実した勉強時間になりましたか?
菜子:私は、音楽を聴きながら勉強する癖があったので、やることはこなすけれど集中していたかと言われるとだらだらやっていた気もします。
さくら:私も、ぼうっとしてしまう時間があります。
恵瑠:私は本当によくぼうっとしていると言われます。時間に集中できていなかった気もするし、時間で目標を立てても提出課題が終わらなかったりすると、前もってやっておくことは大切だと思いました。

■究極の手段?睡眠時間を削るか

菜子:みなさんは、やることリストを消化できないときに睡眠時間を削ってまでもやりますか?睡眠時間も一緒に教えてください。
璃奈:睡眠時間を削ってまでしません。私は夜の11時に寝て、朝5時半に起きるので6時間半寝ています。一夜漬けも何回かやりましたが、翌日に疲れが残るだけでした。睡眠時間をちゃんととる方が脳にも体にも良いと聞いて、睡眠は大事にしています。
さくら:私は部活の部長なので、部活の仕事が残ったときは睡眠時間を削ります。勉強も予習しないと次の日に支障をきたすものは、睡眠時間を削ってやるようにしています。1時に寝て翌朝7時までの6時間睡眠が平均です。
恵瑠:ことし9月に一度睡眠時間を削って苦手な算数の勉強をしていたら、熱が出て3日間学校を休みました。休むと次の勉強が大変なのでそれからは睡眠時間を減らさないようにしています。中学受験の後に睡眠時間をちょっと増やしただけであまり変えていないんですが、11時から朝の6時までの7時間です。
菜子:私も勉強以外での仕事が残ったときは、他の人に迷惑がかかるので、睡眠時間を削って
やりました。勉強は他人と関係なく自分が苦しむだけだし、眠いままやっても身に入ら
ないので寝てしまっていました。ただ私は、朝に勉強するリズムを作っていたので、眠
い時はさっさと寝て朝早く起きていました。当時は11時すぎに寝て、朝5時か5時半
には起きていました。
恵瑠:私は逆に夜型で、朝はほんとうに眠くてできません。夜はなるべく早い時間にお風呂に入り、他にやることをなくしてからご飯を食べた後にすごく頑張って勉強をするようにしています。
璃奈:私は夕飯を食べると眠くなるので、放課後はすぐ帰宅しお風呂も早めに入り、やるべきことを終えてから夕飯を食べるようにしたら、勉強も身につきやすくなりました。

■携帯、ネット、SNS

菜子:みなさんは帰宅後のスケジュールがぎゅうぎゅうに詰まっていますね。ケータイやパソ
コンをやってしまうことはありませんか?私はスマホで動画を見てしまったり、SNSをやる時間がやはり長くて、なかなか改善できません。どのようにしていますか?
璃奈:通学の電車は途中で乗り換えるのですが、短い乗車時間の電車をケータイの時間に使い、長い電車で勉強の暗記に使うと決めているので、家ではあまりネットは見ないです。動画をどうしても見たい時は、この勉強が終わったら見るというご褒美として見ます。
さくら:私も動画をすごく見てしまい、普段なら予習が2~30分で終わるのに集中できず1時間もかかったことがあります。
菜子:私も動画を見ながら勉強していたころ、試験前なのに全然勉強できなかったことがあります。結局、前日にあわてることになりました
恵瑠:私はスマートホンとかネットを使う環境がなくて、メールは母のパソコンでやっています。それも30分と時間をちゃんと決めています。

■休日はリフレッシュ

菜子:みなさん、日曜日や長期休暇はどのように時間の配分を考えていますか?
璃奈:試験前でなければ、平日に勉強をたくさんして日曜日は好きなことだけするリフレッシ
ュの日にしています。長期休暇は、去年はだらだら宿題をし、テレビ見て何にも身につかない夏休みや冬休みになったので、ことしの夏休みは遅くとも学校の1時間目が始まる時刻には起きて、午前中を勉強にあて、午後は好きな時間にしました。
さくら:土日に部活がない時はリフレッシュの時間にしたり、次の週の予習を一度にまとめてしています。長期休暇は恥ずかしいけど今年の夏もだらだら過ごしてしまいました。
恵瑠:日曜日はその週に授業でやった分の問題集を解いたりします。平日に比べてテレビを見る時間が多いです。長期休暇は宿題をだらだらやっていた気がします。でも、大きい宿題は期限を決め、遊びに行く予定があれば前日までに終わらせると決めて心置きなく遊べるようにしました。
菜子:中学と高校を振り返ると、休みの日に勉強した記憶があまりありません。日曜日は友達と遊ぶかCEの活動や地域貢献など勉強以外のことに時間を使っていました。長期休暇は学校の宿題を早めに終わらせ後半は友達と遊んだりボランティアなどしていました。
恵瑠:夏休み中に部活があって、それが午前や午後と時間にばらつきがあったので、勉強があまりできてないなと感じることが多かったです。それに加え9月に文化祭があったので丸一日勉強が出来ない日もありました。そのうえテレビを見たり、夏休みだからと思ってだらだらと過ごし8月の前半になってもこんなに残っているのかと思うほど宿題があり、慌ててやった記憶があります。

通学時間

菜子:ところで、みなさんは通学時間をどのように使っていますか?
璃奈:行きは約1時間、帰りは1時間半電車に乗っています。他にバスにも乗りますが、行きも帰りも暗記科目をやります。土曜日はわざと急行ではなく各停に乗って、平日よりも長い時間座り、ゆっくりと暗記科目をやっています。
さくら:電車に乗っている時間が30分ですが、朝は前の晩遅くまで起きているため寝ています。帰りは英語の本を読むか暗記科目にあてています。世界史のノートを見返したり、古典の単語を覚えたり。
恵瑠:通学時間は行き返りともに40分から50分です。逆に私はテスト前は勉強漬け
になるので、家と学校以外では勉強したくないです。でも古典のテストの日などは百人一首が心配なので、それだけはちゃんと確認するようにしています。
菜子:私は電車とバスを合わせて45分くらい乗っています。行きは新聞や本を読みます。帰りは、眠るか勉強です。試験前は必ず勉強をしていました。電車内では暗記が
しやすいです。百人一首のプリントをぶつぶつ言いながら丸暗記です。
璃奈:私は通学時間が長いので、一日の勉強時間を考えた時に、通学時間も勉強時間と
考えてやるようにしたら、放課後少し余裕が持てるようになりました。通学時間の
活用も大事です
菜子:みなさんはもっと時間が欲しいですか?
璃奈:いますごく時間に気をつけながら過ごしているので十分満足しています。
さくら:欲しいです。でも、あると時間の使い方がルーズになってしまうのが心配です。
菜子:あと何時間欲しいですか?
さくら:あと2時間、3時間、寝る時間が欲しいです。
恵瑠:私も欲しいです。苦手な数学(算数?)にほんとうに時間がかかってしまって、他の勉強が全然進まなかったりするので、時間が欲しいです。というか、時間よりもっと早く問題を解く能力が欲しい気がします。
菜子:私は受験が終わった今は24時間で十分です。ただ、一番忙しかった高2の時は、30時間くらい欲しかったです。仕事は計画的にやっているので時間が足りていましたが、試験前は勉強を計画的にできていなかったのでその時間が欲しかったです。

以上

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