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第3回国際青少年メディア・サミットにCE記者2名が参加

第3回国際青少年メディア・サミットにCE記者2名が参加
2008/07/28~08/04

 8月19日~8月29日の10間、セルビアのベオグラードで開催された第3回国際青少 年メディア・サミットに、CEの記者2名が参加した。
 旧ユーゴスラビア諸国やナイジェリア(アフリカ)、オーストラリア、アメリカ、
 スウェーデン、オーストリア、ギリシャ、ハンガリー、インド、韓国、日本など18 カ国から約50名の若者が参加し、世界共通の課 題である貧困、暴力、環境、人種 差別など7つのグループに分かれて共同活動を行った。
 参加記者の記事

第3回国際青少年メディアサミット

 

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子ども環境サミット in KOBE(5記事)

2008年5月21日~24日、神戸市で「子ども環境サミット in KOBE」が開催された。これは民間主導型のG8環境大臣会合関連事業で、日本を含む21カ国から子どもたちが集まり、環境問題について意見を交わし未来へのメッセージを世界へと発信しようというものだ。
このサミットには、ブリティッシュ・カウンシルが選んだ「国際気候チャンピオン」(日本を含む13カ国から選んだ高校生39名)と日本国内から選んだ「気候チャンピオン」(小学生から高校生たち7名)も参加した。国際気候チャンピオたちは、こ

▲英国環境大臣との会談

の「子ども環境サミット」への参加に先立ち、ロンドンで開かれた国際気候チャンピオン会議に出席し、各国の気候変動の問題やそれへの取り組み・改善方法などについて意見を出し合った。そこで出た意見を草案とし、世界の子どもたちからの投票を経て、「神戸チャレンジ」と題した「提言」がこの「子ども環境サミットin KOBE」でまとめられた。国際気候チャンピオンは「神戸チャレンジ」を、ヒラリー・ベン英国環境大臣に手渡した。
このサミットを、日本の気候チャンピオンでもあった2名を含むCE記者4名が取材した。

子ども環境サミット in KOBE」に参加して
2008/7/13                 寺浦 優(14歳)

 サミットには、世界21カ国の小学生から高校生までの幅広い年代の人たちが参加していました。ここに、私は日本の「気候チャンピオン」の一人として参加し、日本の気候チャンピオンたちの意見を代表して発表しました。各国からの参加者の話を聞き、多くの刺激も受けました。開会式では、ツバルを取材した女優の藤原紀香さんの話のほか、ツバルの女の子アンジェラさんの話も直接聞くことができたり、貴重な体験をすることができました。その経験について報告します。

  
サミットでは、世界13カ国の「国際気候チャンピオン」が、国ごとに自国の環境問題の状況やチャンピオンたちの活動内容を、各々3分間にまとめたプレゼンテーションを行いました。私は日本のプレゼンを担当しました。日本のチャンピオンたちは、「日本人の環境問題に対する意識の低さと、それを解決するには自ら率先して活動しなくてはならない」という2つを強く訴えかけることにしました。

 昔から「MOTTAINAI」(もったいない)は日本特有の考えとして受け継がれてきました。しかし今、「MOTTAINAI」という考え方が国民の心の中から薄れているように感じます。これは、「日本人の環境問題に対する意識の低さ」につながっていると私たちは考えました。そして解決のためには、「マイバック・マイはし・マイボトル」の使用を呼びかけるのはもちろんのこと、小中学校への出張授業でこれからの未来を担う小中学生に気候変動の実態を伝え、一緒に活動してもらえるようにお願いしたり、「エコな商品」や「エコなサービス」の開発や提供を企業に働きかけたりしようと計画しています。

 3分という短い時間の中で、私たち「気候チャンピオン」の思いを全て入れるのはとても大変でした。前日も夜遅くまでかかって、「私たちの生活が便利になればなるほど気候変動や環境問題は悪化していく。しかし今私たちは改善に向けて動き出さなければいけない。今の私たちの行動は、私たちの未来、私たちの子どもの世代に直接影響する。意識改善を今すぐ始めることが必要だ」ということが一番大事だと確認し合いました。

 私の言葉で果たしてうまく伝えられるのか不安もありましたが、精一杯伝えたつもりです。プレゼンが終わった時の達成感と、このサミットでプレゼンできた喜びは忘れることができません。

 「子ども環境サミットin KOBE」に参加し、私には「国際気候チャンピオン」をはじめ世界に沢山の仲間がいると思うことができました。それは、海外にも自分たちと同じように出張授業を行ったり、友人に呼びかけている人たちが沢山いたからです。イタリアのチャンピオンは「今まで地球を汚してきたことに対して、私たちが責任ある行動を取っています」と発言していて、説得力のある言葉だと感じました。
こういった仲間が沢山いることは、これからの活動への大きな自信となりました。そして気候変動をグローバルに考えている彼らからは、「自分ももっと広い視野で考え行動しなくてはならない」と刺激を受けました。

 私がこのサミットに参加して最も忘れられないことの一つが、ツバルのアンジェラさんの次の言葉でした。「私はツバルが大好きです。だから沈まないと信じています」。家族が大好きだから、島が大好きだから、沈むと思いたくないという、アンジェラさんの素直な気持ちは、私の心に響いています。こんなに島を愛しているのに生活できなくなってしまうかもしれないということには、憤りを感じました。今自分に出来ることを考え、何の罪もないツバルの人たちを少しでも助けたいと、心に誓いました。  私たち「気候チャンピオン」のスローガンは「OUR CRIMATE, OUR FUTURE, OUR VOICE」(私たちの気候、未来、声)、そして「SAVE OUR PLANET」(私たちの惑星を救え)です。私は、このサミットが開催されたことで、私たちの未来そして地球を守っていくことができると信じています。

「私たちの気候・未来・声」~気候変動を考える~
2008/7/13                 佐藤 美里菜(16歳)

▲中国の気候チャンピオンに取材

「子ども環境サミット in KOBE」が開催され、5月24日には神戸芸術センターで閉会式が行われた。私はその閉会式に参加し、そこでG8環境大臣会議への提言「神戸チャレンジ」が発表されるのを見ると同時に、気候変動について考える子ども達に取材を行った。

◇              ◇  

 現在、英国や中国の一部では洪水、中国の北京、ブラジルのサンパウロなどの都市では大気汚染、メキシコ、ロシアでは水質汚染、というように、気候変動は世界的な規模で深刻となっている。そうした気候変動について、世界の約40名の子どもたちが話し合って改善策を練り、それを子どもたちから大人へのメッセージである「神戸チャレンジ」として、G8国の環境大臣に提言した。

 神戸チャレンジの草案は3月にロンドンで行われた「国際気候チャンピオン会議」において三つ決められた。それを、ブリティッシュ・カウンシルのWebサイトを通じて行った世界の人からの投票により、一つに決定した。三つの草案に共通しているのは「気候変動に関する教育を」というものだった。

 日本で気候変動に関する授業などを行っているところは少ないようだが、英国、南アフリカ、カナダ、中国(北京)ではすでに教育制度に導入されているという。

英国の気候チャンピオン、ステファニー・リンチさん(18)によると、英国では11-14歳の授業に「気候変動問題」を取り入れているそうだ。南アフリカのザネル・ヴァン・ジルさん(17)によると、政府が作成した「ライフ・オリエンテーション」というプログラムがあり、彼女の学校はそのプログラムで、アル・ゴアの映画『不都合な真実』を観て、教育を受けているそうだ。また大学の建築学や理工学では環境に良いビルや家をつくるよう教育されているという。中国のチャンピオンである丁英瀚くんの通う北京の公立高校では「クライメート・クール・プログラム」という週1回の気候変動に関する授業があるそうだ。選択授業ではあるが、彼は「必須科目とするべきであり、特に低学年の授業に取り入れるべきだ」と話す。

 しかし気候変動についての教育を導入したくても言語の違いがある国や識字率が低い国では難しい。公用語が11もあるインドのカラン・セガールくん(17)は、この問題について「本やインターネットを通してメッセージを伝えて理解する」「映画や歌、路上パフォーマンスによって多くの人々にメッセージを伝える」というアイディアもあると語り、言語が多くても教育することは決して不可能ではないことを伝えてくれた。ブラジルのギレム・ディ・シキィラ・パストレくん(17)は「識字率が低く、教育制度が必ずしも優れていない」と話すが、彼の学校では地理などの授業で気候変動について学んでいるようだ。

 私の通う高校では授業での教育はしていないが、古紙やブリックパックを回収しリサイクルしている。そういった実践的なことも含めて、もっと世界中で学校としての積極的な取り組みが必要だと思う。

 神戸チャレンジの中にもある「国際的排出権取引制度」については英国のヒラリー・ベン環境大臣と子どもたちが意見を交換する場面もあった。

  排出権取引制度(Cap & Trade)とは、国や企業ごとにCO2の排出枠を決定し、排出枠に余裕のある国・企業と排出枠を超えている国・企業が取引(トレード)する制度である。つまり、地球規模でのCO2排出量をコントロールしようということだ。

 大臣は「どの国が排出したCO2かを見分けるのは困難である」と話す。その現実に対して国際気候チャンピオンたちは「深刻な問題であるが、世界での認識を高め、世界規模でのCO2の排出を制限しなければならない」と語った。チャンピオンたちは「先進国はもっと途上国に対して技術や資金を提供するなどの支援をするべきだ」と考えている。

  私もこの問題のように世界規模の問題に関しては、「支え合う社会」を意識することによって少し解消されるのではないかと思う。

 いずれにせよ、子どもたちの力だけではこの問題を解決することは不可能である。チャンピオンたちは「大人は子どもたち以上に気候変動に対する認識を高めるべきであり、技術や資金などで世界規模の影響力をもつ大人が行動にでるべきである」「将来、直接影響を受ける僕らの声に耳をかたむけてほしい」と強く語った。

 今すぐ、大人が率先し気候変動について積極的に取り組むべきである。そして未来を生きる子どもたちは「自分たちの気候」「自分たちの未来」であることを強く意識し地球とうまく付き合う生活を送ることがとても重要だと思う。

  現代社会において、環境に優しい生活を送ることはそこまで難しいことではない。自分ができることを少しでも生活に取り入れてみてはどうだろうか。その努力は地球だけでなく、必ず自分にとってもプラスになると、私は思っている。

子どもたちから未来への提言~子ども環境サミット in KOBEに参加して~
2008/7/13                 宮澤 結(14歳)
 皆さんは「気候変動」についてどう考えているだろうか? おそらくこのような質問を突然投げかけられたらびっくりするだろう。また、「そんなの考えたことがないから分からない」という人も多いのではないだろうか。その答えを考えて行動していた子どもたちの思いが、「神戸チャレンジ」という形でG8国の環境大臣に伝えられた。その様子を取材し、参加した子どもたちの意見を聞いた。

▲インドの気候チャンピオンに取材

 様々な環境問題を子どもたちの視点で地球規模に見ていこうと、ブリティッシュ・カウンシルが主催して、3月にロンドンで「国際気候チャンピオン会議」が行われた。そこで話し合われた内容から「神戸チャレンジ」のための三つの草案が生まれた。そのうちの一つを、5月24日に神戸で開催されたG8環境大臣会議に提言するため、世界各国のブリティッシュ・カウンシルがウェブサイトを通して、世界の若者たちに投票を呼びかけ、23日までに17,000もの投票が寄せられた。
「子ども環境サミットin KOBE」では、神戸で再会した13カ国の国際気候チャンピオンと日本国内の気候チャンピオンとがその投票結果に基づいて話し合い、「神戸チャレンジ」の内容を次のように決め、G8の環境大臣会議に提言した。

気候変動対策に取り組むために、私たちは、その難しさを認め、責任を受け止め、一貫性をもって対応しなければなりません。
・すべての教育制度に気候変動を取り入れ、実用的に解決策を全社会に提示して下さい。
・厳しい国際的排出権取引制度を導入して、排出を制限してください。
・気候変動の避けられない影響によって受ける最悪の打撃のために、技術と資金を提供してください。

 この提言の中でも特に気候変動に関する教育を充実させることについては、多くの期待が寄せられているのを感じた。今回「神戸チャレンジ」を議会に提出したことを報告したヒラリー・ベン英国環境大臣は「より多くの人が教育を通して気候変動の問題を理解して政治を変えることができるから、教育は大切だ」と述べた。また、私たちの世代が将来、直接影響を受けるのだから、同年代の子どもたちに学校教育という形で理解してもらえば数年後に良くなっているだろう、と話す国際気候チャンピオンも多くいた。

「教育制度に気候変動を取り入れる」ということに関して、すでに実行している国の話も聞くことができた。カナダのメーガン・マックイーンさん(16)によるとカナダでは「エコ・スクール・プログラム」というのを設けて環境基準を設定し、電球を省エネタイプに変えたり、緑を植えたり、ゴミを減らすように努力しているそうだ。また南アフリカでは、文部省が作成した「ライフ・オリエンテーション」というプログラムがあり、エイズや自国の直面する問題について人々とどのようにコミュニケーションをとるのかを学校で学ぶという。南アフリカのザネル・ヴァン・ジルさん(17)の学校では、アル・ゴアのドキュメンタリー映画『不都合な真実』を見て環境について教育を受けているそうだ。

一方、気候変動についての教育を受けられない国の事情なども聞けた。都市部だろうと農村部であろうと、気候変動は人々に影響する問題であるのに、インドでは識字率が約50%と低いので学ぶことができない、とインドのカラン・ヤーくん(17)は言っていた。

 各国で問題になっている気候変動の被害についても聞いてみた。香港の陳旭培くんよると、内陸での砂漠化が進んでいて、都市部にも黄砂が飛んでくることが問題らしい。ブラジルのギレム・ディ・シキイラ・パストレくん(17)は、アマゾン川流域の森林伐採が問題になっていると言っていた。ザネル・ヴァン・ジルさんは、5000種もの南アフリカ固有の植物が気候変動の影響を受けていると言った。

ザネル・ヴァン・ジルさんは「私たちが大人になってからでは遅すぎるから大人たちには今、行動を起こしてほしい」と言っていたし、インドのカラン・セーガルさん(17)も大人たちの経験や資金が無ければ実行できないから、大人に協力してほしいと言っていた。この問題においては、世代を越えての協力が必要となってくるだろうし、やはり大人の力が必要だと思った。

各国の気候チャンピオンたちの話を聞いて印象的に思ったのは、どのチャンピオンもしっかりと自分の意見や考えを持ち、真剣に話してくれたことだ。取材前の私は正直、「他の人が頑張れば」と他人任せな思いが少しばかりあった。だからこそ気候変動について深く考えている気候チャンピオン達は輝いて見えたし、今までの自分の考え方が恥ずかしくなった。恐らく前の私のように考えている人は多いだろう。だが、この気候変動は、他の誰でもなく、私たちの世代の問題である。誰一人として知らん顔は出来ないし、世界が一丸となってこの問題に取り組む必要がある。サミットに参加してみて、「自分の出来ることは何があるのか」と考えてみた。冷房の設定温度を数℃上げてみるとか、電気をこまめに消すとかほんの小さなことでいい。今日から自分の出来ることを見つけて、地球をいたわっていこうと思う。そして自分が実行することで、自分の周りの人にもその考えかたを浸透させていきたい。

「子ども環境サミット in KOBE」に参加して
2008/7/13                 三崎 友衣奈(16歳)
 7月の北海道洞爺湖サミットに合わせ、5月17日~25日に開催された「子ども環境サミットin Kobe」では、国際気候チャンピオンたちによる活発なディスカッションが行われたほか、京都へ観光に行ったり、神戸祭りに参加したり、グループに分かれて企業訪問に行ったりと、日本の様子も見学した。また、このプログラムに対し多額の寄付をしてくれた女性との対話の時間もあったほか、日本人としての意識を改めて考えさせられる場面もあった。参加しての報告と感想をまとめた。

▲日本のチャンピオンによるプレゼンの様子

サミットでは、国際気候チャンピオンたちによるディスカッションが多く行なわれた。自分が自国の大臣になったつもりで国民にやってもらいたいことを考えたり、他国の国民に成り代わってその国にやってもらいたいことを話し合い、その国のチャンピオンに提案したりした。特に京都議定書に関しては盛り上がり、アメリカのチャンピオンが「国がやっていることと国民の意思とは大きな違いがある」と主張し、気候変動の問題に対する真剣な姿勢をアピールした場面もあった。

今回の「子ども環境サミット」の日本開催には、同サミットが企画したロンドンでの「国際気候チャンピオン会議」で話し合われた内容を「神戸チャレンジ」という形で「G8環境大臣会合」に提出するという目的があったため、その準備も進められた。主に、ロンドン会議で出された案を再確認し、内容をより深めるための話し合いが重ねられた。

チャンピオンたちがオープニングセレモニーに向けてプレゼンテーションを考えていたとき、スタッフから一人の女性が紹介された。この女性は、このサミットを企画し、多額の寄付をした人の一人だ。簡潔な紹介のあと、多くの質問がチャンピオンから飛び出した。「サミットを企画した動機は?」「どうして寄付しようと思ったの?」など、みな積極的に手を挙げて質問する。

 時間が押していた中で最後に「なぜ‘若者’を対象としたのか」という質問が出た。この質問に対して彼女は「直接影響が出る未来に生きる人たちでもある若者に考えてほしいから」と10代の若者への大きな期待を語った。

 サミットでは世界規模だけでなく、日本人としての意識を改めて考えさせられる機会もあった。ある夜、豆腐や漬物、刺身、すき焼きなどの日本料理が振る舞われたときのことだ。外国の料理とは全く違うため、豆腐の触感が気持ちが悪いから、また味付けが合わないからという理由で料理を残す人が多かった。そんな中、一人の外国人チャンピオンが友達の料理がほとんど手付かずのまま残してあったのを見て、「作った人に申し訳ない」と残りをつまんでいた。自分で身近にできる範囲のことを、自然に実行していた姿に感心した。

 「MOTTAINAI」(もったいない)という日本語は世界で広がっている、日本独自のものの言い表し方である。しかし現在、日本では一人が一日当たり平均約50gもの食べ残しを出しているという。古来の日本人の心持ちを受け継いだ「もったいない」を実践できる人でありたいと思った出来事だった。  世界中の同年代の若者と話し合う中で、気候変動についてだけでなく世界の中の日本を垣間見ることができたと思う。「MOTTAINAI」を発信する日本人として、未来をつくるティーンとして、この大きな問題に立ち向かおうと思う。気候変動は規則や条例によって改善される問題ではなく、一人一人が、将来を見据えていかに行動するかが大きく関わってくる。若者が、気候変動という将来に大きく関わってくる問題を敏感に感じ取っていくことができれば、世代が変わっていく中で違いが現れてくると信じている。

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先生には“1”がつかないの?

先生には“1”がつかないの?
2008/07/09               川口 洋平(18)

 相次ぐ教員の不祥事、教員の指導力を一定に保つために導入された教員免許更新制度。一連の動きを見ていると、出来の悪い生徒にはすぐ ” 1 ” をつけるのに、教員には通信簿がないのかと思えてくる。

 結果がすぐに出ない教育という現場に携わる教員の評価は確かに難しい。教員を評価するためにはどうしたら良いのだろうか。

 教員評価制度は各都道府県によって若干異なるものの、学校の責任者である校長が各教員を評価する場合が大半を占める。しかし、「実際の授業や生活指導を全て見ることのできない校長になにが分かる」「報告書を書くので雑務が増えて教育活動に専念できない」など不満の声があがっている。

 経済界や財界からは、教員にも能力給などの市場原理を適用するべきだという意見もある。

 宮城県の小学校に勤める土屋聡教諭( 43 )は、教員評価制度導入によって、本来の教育活動ができなくなるとして、評価制度に反対する団体『教員評価制度を許さない会』で活動している。

 教員評価制度が導入された現在、「クラスが上手くいっていないから相談がある」と評価されてしまうことから、同僚の教師の間でもお互いの弱みを見せまいと、相談さえできない状況だという。

 「先輩の教員につまずきやすい単元の効果的な指導法についてアドバイスをもらうことは、よりよい教育を目指す有効な手段。お互いに悩みを打ち明け、協力することなしには良い教育はできない」と評価制度を導入するだけが、教員の質向上につながらないと主張する。

 さらに東京都や大阪府では既に評価結果が給料に反映される評価制度が導入されている。土屋教諭は「給料に評価が反映されてしまうと、さらに悪循環を招く。教師としては評定に響くので問題児を引き受けたくないし、当たり障りのないことしかできず、本来の教育ができなくなる」と嘆く。

 東京大学大学院教育学研究科の勝野正章准教授によると、実際の教育活動に力を注げないなどの理由で、ある地域では新規採用教員の3割が1年でやめてしまったという。

東京大学大学院教育学研究科の勝野正章准教授

 つまり、評価が厳しくなるにつれて教育活動に熱心になるよりも、自分のタスクをこなすだけの、サラリーマン教師が増えるということだ。

 そこで、管理職による評価だけでなく、実際に授業を受けている生徒が評価するという動きもでてきた。

 東京の大東学園高等学校は 2003 年に、教師、生徒、保護者で構成される三者協議会を設置した。生徒が授業アンケートに教員への意見を記入し、先生が悪い点を直すという生徒評価をする。同校校長の池上東湖先生によると、 自分自身の授業について 「しゃべるときの語尾をはっきりしてほしい」といった今まで出なかった意見が生徒から出てくるようになり、教師も授業の改善を行っているという。

 三者協議会では、他にも年に数回、代表生徒約 60 名と教員、保護者が話し合う場を設けている。「制服にブルーのワイシャツを許可して」といった生徒の要望もその問題点と妥当性を3者で話し合う。学校は先生に言われたことを守る場ではなく、学校を 協 同で作り上げて行こうという取り組みだ。

 勝野准教授は、教員を評価するより批評をしていくことが大切だという。生徒が教師を評価すると、生徒がお客様のようになり、生徒にあまい教師が高評価を得て、厳しい先生が低い評価を受けるようになることも懸念される。

生徒からの評価もただの数字のアンケートだけではなく、なにがいけないのかというアンケートをとって、それを生かすということが重要だと言う。

 学校を良くしていきたいという気持ちは生徒も教師も同じだろう。「良い学校」というのは、生徒、教師によって様々だろうが、お互いの目指す「良い学校」に向けて議論を重ねていく。そして、教員に問題があれば、教員を評価するのではなく、教員にアドバイスをする。 先生には1をつけないで、「こうしたら2にあがるよ」と生徒が教えてあげればいい。教員評価を制度化するまで至らずともそのような方法があるのではないだろうか。

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教員評価制度から見る学校づくり

教員評価制度から見る学校づくり
2008/07/09               島田 菫(15)

 終業式の日、生徒たちが少しばかり緊張した顔で先生から「通知表」を受け取る。誰もが経験したことだろう。

 年齢を重ねるごとに通知表の価値は重くなっていく気がする。小学生の時は、通知表を見た時の一喜一憂はその先にある長期休暇の期待にかき消されてしまっていた。中学生、高校生と年齢が上がるにつれ、自分の成績を周囲と比較し、優越感に浸ったり劣等感にさいなまれたりした。

 最近、もう1つの通知表が配られる学校が増えてきている。この通知表は生徒が先生から受け取るものではなく、先生が生徒から受け取るものだ。この、「もう1つの通知表」を制度として取り入れる動きが起こっている。  

 「教員評価制度」は、生徒という教わる側の視点から教師の授業を評価する制度だ。生徒が授業を評価することは、授業の改善につながるから良い制度ではないか、という人も、きっと多いだろう。

 しかし、このたった6文字の制度に怯えている教師がいることを知っている人は一体どれだけいるだろうか。教師が怯えている理由は、この通知表の結果を給与に反映させる、という点が盛り込まれてしまうかもしれないということだ。評価するのは子供。一人一人の子供の評価に教師の生活がかかっている。

 宿題を出さず、テストは簡単、授業は半分遊びのようなもので、いつもすこしふざけているような印象を与える教師。一方、毎日問題集を一ページずつ進めるように指示し、授業の密度が非常に濃く応用的な内容も取り扱い、標準より若干高い難易度の試験を出す、非常に厳格な教師。どちらの先生が親しみやすいかと聞かれたら私は前者を選ぶだろう。しかし客観的にみてどちらの教師が優れているか。

 誰から見てもだめな教師もいるかもしれない。しかし、その教師にも人生はあるし、家庭もあるだろう。一人の人生を狂わすかもしれないという重大な責任を子供たちに負わせてしまっていいのだろうか。生徒がこのことを自覚したとき、彼らは正当に評価できるのだろうか。

 他にも問題がある。『教員評価制度を許さない会』の土屋聡氏に取材をしたところ、教師への悪影響をこう指摘した。「行政側がこの制度を作る理由は、子供のためではなく、教員評価制度の導入によって各学校が活性化され、自主的な学校改革が進めば、行政から各校への指導をする必要が減る、つまり、行政の教育費の負担を削減できることにある。それに教師はマイナスの評価を受けると不適格というレッテルを貼られ、排除される。これでは、脅し、またはいじめを正当化する手段として使われかねない。教育はすぐに成果がでるものではないのに、短期間にある側面だけで教師を評価することは子供に対して無責任だ。」

 一方、東京大学大学院教育学研究科の勝野正章准教授は取材の際、「生徒が教員を評価するような制度は法律ではない形で作るべき。ただし、取り入れ方にはきちんとした考えが必要だ。教師をランク付けし、それを給与に反映させることはただの脅しでしかない。それでは教師は給与を上げるための授業ばかりをするようになる。教師が批判される中、評価が給与にじかに響いてしまうことが怖くないはずが無い。生徒からの関心を得るための授業になってしまう。」と言う。もしそうなってしまえば、これは教育現場の崩壊につながるだろう。

 生徒からの評価が、給与に反映されることに関して私は強く反対する。なぜなら一切自分の感情抜きで自分の教師を評価することができる生徒はおそらく皆無に近いからだ。給与が生徒からの人気で決まってしまう教師にも、先生たちの人生をだめにしてしまうかもしれないというプレッシャーに耐えなければいけない生徒たちにも、給与に評価が反映されるという制度は息苦しいだけだ。

 だが、この「給与反映」という点さえなくなれば非常に素晴らしい制度だと私は感じる。先生と生徒が共に一つの授業を作り上げて行く、というある意味教育の理想とも言えるものがこの制度で実現されるのだ。

東京大学大学院教育学研究科の勝野正章准教授

 勝野准教授は「子供は毎日授業を受けている。管理職の先生や業者の査察の何倍も正しく授業を評価できるだろう。」と言う。授業の良し悪しはやはり受ける生徒本人が一番正確に評価できるのだろう。

 さて、ここまでの文を読み、「どうやって生徒が先生を評価するのか」の疑問が浮かんできた人もいるだろう。

 一番わかりやすいのはアンケートだろうが、ただ ○ × をつけるようなアンケートではいけない。これでは教師を追い詰めてしまうだけだ。「外国では顔のマークを使って評価しています。笑顔から泣き顔まで使用し、沢山の観点を評価します」と、勝野准教授。だが、これでも「泣き顔」の多い教師は教育現場から排除されてしまいかねない。

 ここで紹介したいのが、生徒、保護者、教師の三つの立場から代表が集まり、それぞれに意見していく「三者協議会」という制度だ。この制度において重要なことは、出席する3つの立場の人々がすべて対等であるということだ。

大東学園高等学校、池上東湖校長

 この三者協議会を実施している東京都世田谷区にある大東学園に取材した際、池上東湖校長は「生徒も先生も三者協議会への参加が非常に積極的で、お互いの意見をしっかりと発言できている。」という。生徒の意見を教師、さらには学校にも反映させるためにはこのような制度は不可欠だろう。

 しかし、私は三者協議会を教員評価制度のためだけに利用するのは非常にもったいないことだと思う。せっかく生徒が保護者、教師と対等に話せる場所を与えられたのだ。この協議会をうまく生かせば、誰にとっても居心地の良い学校となるだろう。   ちなみにこの大東学園の制服のワイシャツの色はブルーも許可されている。これも生徒側が「色つきのワイシャツを許可してほしい」と提案し、三者協議会での激しい議論の末、ブルーに限り許可されたそうだ。ホームページの写真に載るブルーのワイシャツを着た生徒たちの生き生きとした笑顔は自分たちの意見が学校に聞いてもらえたという喜びから生まれるのだろう。学校から言われるまま白いワイシャツを嫌がりながら着ている私に、彼らのような笑顔はまぶしく見える。それが、ひどく悔しくもある。

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「教員を評価するということ」

「教員を評価するということ」
2008/07/09               佐藤 美里菜(16歳)

 みなさんは「教員評価制度」というものを知っているだろうか。

教員評価制度とは名前のとおり教員を評価する制度である。ただし、教員を評価すると言ってもさまざまな評価方法があり、さまざまな問題もある。

 まず、教員を評価するには「生徒が教員を評価」「校長先生などの管理職が教員を評価」「教員同士で評価」という主に3つの方法があるようだ。しかし、生徒が教員を公正に評価することは可能なのだろうか。

東京大学大学院教育学研究科の勝野正章准教授

2008 年 4 月 7 日に東京大学大学院教育学研究科の勝野正章准教授に取材したところ、「『保護者を含めての協議会形式』や『答えやすいアンケートなどで集めた意見を教員の中で議論する』といった方法なら生徒が教員を公正に評価できる」と言う。ただアンケートで意見を回収するだけでなく、意見について「議論する」という過程が重要だ。教員たちの中できちんと意見を吸収し反映させようとしなければ意味がない。なぜならば、勝野准教授が言う通り、授業をほぼ毎日約6時間受けている生徒たちの授業に対する目は本物だからである。

 しかし、この制度に反対する人も少なくない。 5 月 16 日に取材した、小学校の教員でもある『教員評価制度を許さない会』の土屋聡氏は「マイナスの評価を受ければ不適格だとレッテルをはられ排除される恐れが高い」と言う。本来お互いが補い合って子どもを教育するべき教員同士がこの制度によってギスギスしてしまうのではないか、という不安もあるようだ。

 果たして、教員の仕事を企業などのように「業績」として評価してよいものなのだろうか。

 土屋氏は「子どもを教育するにあたって1年で結果を出すのは難しい。よって教員を評価するのは非常に難しい」と話す。また、はっきりしたデータとして出すことができないのもこの制度に反対の理由のようだ。

 また、勝野准教授は「教育を成果主義で行うと、いわゆる “ サラリーマン教師 ” が発生し、消費者とされる子どもやその保護者の顔色を伺う教育になる」とデメリットを指摘する。

 しかし、実際にこの「教員評価制度」を導入している大東学園高等学校では、 2003 年から保護者を含めた 年に 2 回の 「三者協議会」と「アンケート」という形で教員を評価している。「子どもが中心になる学校作り」のためにも生徒の意見を積極的に取り入れている。生徒たちに発言させることによって教員同士では言いづらかったことが伝わったり、授業に対する生徒たちの思いが分かると池上東湖校長先生は言う (5 月 6 日取材 ) 。三者協議会やアンケートで、生徒たちの意見によって教師が気づかされることは少なくないようだ。

 要は、教員を評価する「方法」が重要であり、保護者や生徒と教員はもちろん、教員同士のコミュニケーションをもっと増やすことが必要なのだ。「学校をつくるための1つの習慣として子どもの意見を取り入れるべき」と勝野准教授は話す。また、大東学園の新入生 62 %が「楽しそう」という理由で入学したようだ。その背景には「三者協議会で生徒の意見を反映させたことによって、生徒たちが活き活きした学校生活を送る結果になったのではないか」と池上校長先生は言う。

 教員評価制度を導入する際は、「生徒、教員、保護者間の信頼できる関係を築くこと」「どのような評価方法ならその学校が目指す『良い学校』になるのか」をきちんと考えたうえで、実施することが重要だろう。

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CE記者がフジテレビ「報道-2001-」に出演

CE記者がフジテレビ「報道-2001-」に出演 2008/04/06

 CE記者5名が4月6日にフジテレビ「報道-2001-」(2008年4月6日7:30~8:55)に出演し、
ネットいじめについて発言した。
報道2001出演

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座談会

実施まであと少し!裁判員制度を考える

 2009年には裁判員制度が実施される。裁判員制度とは複数名の一般国民が職業裁判官に加わって現行の刑事裁判を担当する刑事裁判制度である。裁判員は私たち国民の中から無作為に選出されるため、成人の誰もが選ばれる可能性を持っている。CEでは曽木徹也氏(検事)に「裁判員制度」についての説明を伺った後、賛否両論が渦巻く裁判員制度について話し合った。


2008/04/05  
出席者:原衣織(16)、曽木颯太朗(16)、貝原萌奈実(18)、川口洋平(18)、寺尾佳恵(19)(司会)

裁判員制度への期待と不安
佳恵:裁判員制度が始まることによって得られるメリットは何だと思いますか。

洋平:今まで閉ざされていた司法の世界が広く国民に開かれることだと思います。

颯太朗:裁判が早くなり、素人にも分かりやすくなると思います。

衣織:私も国民が司法に近くなるとは思うけど、必ずしもそれが必要であるかはわかりません。

萌奈実:国民としての意識が高まることがメリットだと思います。

佳恵:逆にデメリットは何だと思いますか?

颯太朗:今まで世間一般が考える量刑と実際の判決の量刑に開きがあり、判決の量刑が軽いという声が多くありました。裁判員制度の導入で一般の人が協議することにより、今までより刑罰が重くなるのではないかと思います。

萌奈実:日本人はまだそういう制度に慣れてないから、欧米のようにうまく機能するか心配です。

衣織:一般市民が裁判員になることで、統一性がなくなるんじゃないか、守秘義務とかがあって、裁判員をやりたくない人もいるんじゃないかという心配があります。

佳恵:統一性がないっていうのは、協議する人が違うので事例によって刑量が変わってしまう可能性がある、それは不公平じゃないかということですよね。裁判中に知ったことを他人にしゃべってはいけないという守秘義務についてはどう思いますか?

洋平:やっぱり現実問題として難しいと思います。

佳恵:難しいっていうのは何がどう難しいのかな?

洋平:ばらした人には罰則を課すと言われていますが、今はネットや匿名性の高いメディアに気軽に投稿できるので、今の環境では守らない人が多いと思います。

まだ体制が整っていない?
佳恵:メリットとデメリットがそれぞれあると思いますが、今日本以外のG8の国では、何らかの形で国民が裁判に関わっています。世界では国民も司法に参加するのがメジャーになりつつある中で、日本が採り入れてないことについてはどう思いますか?

衣織:日本が遅れていると考える人もいると思うけど、日本にも昔は陪審制度がありました。昔から何も制度がなかったわけではなくて、陪審制度があったのをあえて変えて今の制度になっているわけだから、単に変えただけで遅れてはいないと思います。

萌奈実:でもその陪審制度があったのは戦前の話だから欠陥もあったかもしれないし、今他の国で行われている陪審制度とか参審制度とは全然違うと思います。戦前の日本社会にはその制度は合わなかったけど、今はまた違うんじゃないかな。

衣織:でも、アメリカの陪審員制度でえん罪が多いのは有名じゃないですか。えん罪が増えるかもしれないのに今導入する必要は感じない。

佳恵:戦前にあった日本の陪審制度では、必ず陪審でやらなくてはいけない法定陪審と被告人の請求によって行われる選択陪審があったのね。でも被告人が辞退することが多くて結局年に数件だけになってしまったということと、戦争が始まるのを理由に1943年に施行を停止したらしいです。そのまま今まで国民が司法に関わる機会はないわけだけど、みんなはこのままでもいいと思う?

衣織:現状のままでかまわないと思います。

颯太朗:今までプロの裁判官だけがやってきてほとんどの場合はうまくいっているので、今のままでもいいと思う。でも裁判が長引くのを、国民が参加することで改善できるなどのメリットを考えると裁判員制度を採り入れてもいいと思います。

洋平:今までの制度とこれからの制度、どっちにもメリット・デメリットがあると思いますが、重要なのは採り入れる時にちゃんと準備をすること。法律用語を分かりやすく言い換えたり、裁判員を招集する時に工夫したり、あと一年そういう準備をしっかりする必要があると思います。

萌奈実:私は準備期間が今から一年間では足りないと思います。今始める必要はないという衣織ちゃんの意見とは若干違うけど、いきなり「一年後に裁判員制度やります」と言われても、今の状況では機能しないと思う。ただ、G8の話を聞くと、やっぱり日本もそういう制度採り入れるべきだと思うので、今から小学生にきちんと教育をして、その子たちが大人になった時点で始めればいいと思います。

衣織:色んな本や専門家が反対意見を出しているし、国民も戸惑っているなかでやるのは賛成できなくて、もっと国民が納得できる制度になっていくのなら、あってもいいと思う。

佳恵:例えば衣織ちゃんが考える国民が納得できる制度ってどういうもの?

衣織:それが難しいんですよね。今も制度導入にあたってすごくコストがかかっているし、裁判員を辞退するための制度も整っていない。それなのに今すぐやる必要性がわからない。

萌奈実:人の意見に流される人や、選ばれても参加したくないという人が出てくる。みんな仕事があるわけで、参加してくれと言われて喜んで参加する人はほとんどいないと思います。ただそれを国民の義務ではなくて権利だと考えられるようになるべきだと思うし、そういう意識のない人が今の段階でやるのは難しいと思います。

佳恵:子どもたちに裁判への参加は義務じゃなくて権利なんだよと教えてあげて、その子たちが大きくなったときに制度を導入するということ?

萌奈実:そうですね。欧米人のようになるのが一概にいいとは言えないけど、そういう場でちゃんと意見を言えるのはこれから国際社会で生きていくのに必要だと思う。ちゃんと意見を言える人じゃないと裁判員制度は難しいと思います。

佳恵:2009年に選ばれる可能性のある人たちは、裁判員として不十分な点が多いのかな?

颯太朗:人それぞれだと思います。ただ、この前見た新聞のアンケートで20代の約75%がやりたいと答えていて、以前からお年寄りも関心が高いという結果が出ている。そう考えると今導入してもそんなに早いという訳ではないと思います。

衣織:内閣府が最近行った調査だと60~70%の人が参加したいと答えているけど、実はその質問が誘導っぽくなっている。「もっと素直に聞くと実は30何%なんだよ」と書かれている本を読みました。アンケートは聞き方次第で結果が大きく変わるので、一概には言えないと思います。

洋平:2005年の内閣府の調査では70%が参加したくない、25%が参加したいと答えていて、2008年には参加したいという人が多くなったって感じじゃないですか。ということは今までいろいろと裁判所だとか関係各所が努力をしてきた結果、参加したいっていう人が増えている。もう少し頑張ればいい方向に向かっていくと思います。

国民が参加することで量刑は重くなる?
佳恵:実際2004年・2005年に比べ2008年は、導入が近づいている分国民の関心も高まっているし、アンケート上の参加したい人の数値は事実として増えているようですね。もちろん衣織ちゃんの言うように、アンケートは質問の仕方によって結果が変わるので、一つのアンケートを単純に信じることはできないのですが。みんなは裁判員をやってみたいと思いますか。

洋平:僕は参加してみたいです。純粋に好奇心で。

萌奈実:私は法学部の学生なので意識とか関心は高いし、参加もしてみたいと思いますが、やっぱりメディアの意見に流されそうだし、守秘義務も守れるのか不安なので、進んで参加したいというわけではありません。

颯太朗:時間があったら僕も参加してみたいです。テレビに流される心配はないけど、守秘義務はついしゃべってしまうんじゃないかと心配です。

衣織:裁判員は法律のことを知らなくても大丈夫となっている。でも私は人を裁く時に、法律とか過去の事例とかを知らないで人の運命を決めることはできないし、したくないなと思うんですよ。だからいくら知らなくていいと言われても、自分の気持ちの問題でしたくはないです。

萌奈実:確かに自分の判断で人の運命を決めてしまうのは不安な部分もある。

洋平:一人で決めろと言われたら困るけど、自分の意見だけじゃなくて、裁判員・裁判官の総意で決める判決だから、僕はそこまで重いとは思いません。

颯太朗:みんなで決めるので自分で悩むことはないとは思うけど、なるべく軽い刑罰にしちゃうと思います。

佳恵:最初の方で颯太朗くんは、裁判の結果が報道されると、量刑が軽いと感じる国民が多いと言っていたけれど、颯太朗くん自身が裁判員として参加する場合は犯人の人生も考えて、軽い量刑にしてしまうということ?

颯太朗:はい、そうです。

萌奈実:私も颯太朗くんのように、自分だったら軽めにすると思うんですけど、ちゃんと考えていない人ほど被害者の立場だけで考えて重い刑にしてしまうんだと思います。もちろん被害者のことは考えなきゃいけないけど、客観的に考えられない人は多いから。

衣織:日本のメディアは、家族の泣いている姿を映すなど、被害者目線で報道をすることが多いから、それを見た人たちはやっぱり重い刑にするんじゃないかなと思います。

洋平:そこは裁判官が「そうはお思いでしょうが、ここは司法の場ですから」みたいな感じでうまく話をもっていけばいいんじゃないのかな。

佳恵:みんな、「自分は軽い刑にするけれど、他の人は重い刑を選ぶだろう」と思っているようだけど、あまり客観的に考えていない人でも個人的な感情はあるし、一人一人がそう考えたら結果的に軽い刑が増えるとは考えられませんか。

萌奈実:前に友だちとそういう話をしたことがあったけど、友達は「もっと重くするべきだ」と言っていました。私は「自分に当てはめて考えてみなよ」と言ったけど、「悪いやつは悪いんだから」と言っていたので、みんなが軽くするわけではないのかなと思います。

衣織:私は、いくらみんなで決めるといっても九人しかいないのだから、自分の一票は重いと思う。颯太朗くんや洋平くんは「みんなで決めるから大丈夫」っていうけど、私は色々考えちゃうし、こういうところでも人によってすごく差が出てくると思います。

颯太朗:僕が世論全体でみると重くなるのではないかと言ったのは、前に法務省でやっていた模擬裁判を見たからです。配役は全員検事で観客が全員裁判員という設定だったのですが、この時ほぼ全員一番重い刑に手を挙げていたんです。被告の演技が下手で、悪い方に働いたのかもしれないけど。

萌奈実:それは全員検事がやっていたんですよね。

颯太朗:はい。全員検事です。

萌奈実:検事は有罪を主張する方だから重い刑になったのかもしれないよね。

佳恵:確かに全員弁護士でやったら、逆に無罪になっていたのかもしれないですね。

認知度アップで国民の不安を解消
佳恵:さて、裁判員制度が2009年に始まることはほぼ確定しています。今の日本で裁判員制度を導入することについて、今までの話をふまえたうえでの自分の意見と、RTの前と今とで考え方が変わった部分があれば教えてください。

萌奈実:これまで国民が負う負担とか、人を裁けるのかという不安しか考えてこなかったけど、話を聞いていて、裁判自体が円滑に進むようになることや、不透明な部分が透明になって、誰にでも分かりやすい裁判になることを知りました。全体としてデメリットよりメリットが大きいなら導入してもいいかもしれないと考え方変わりました。

颯太朗:僕は裁判員制度に賛成でしたが、話聞いていて今やるのは早いのかなと思う部分もありました。国民の中にやりたくない人がどれだけいるのかわからない中で、強行して始めてうまくいくのか心配です。

衣織:私はもともと、2009年から裁判員制度を導入することについてよく思っていませんでした。でも今日検事さんの話を聞いて、何で民事じゃなくて刑事で導入するのかとか、疑問だった細かい部分が解決できてよかったと思います。今まで読んだ本ではデメリットが多く書かれていましたが、導入することで国民が司法を身近に考えられるとか、そういうメリットを今日初めて考えました。

洋平:僕は今日までは裁判員制度の導入がすごく不安でした。でも色々なところで裁判員への対応策が考えられていることを知り、何とかやれるかもしれないなと思いました。守秘義務のこととか、まだまだ考えが甘い部分もあると思うので、そういうところを2009年の導入までに整備していく必要があると思います。

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その他

CE記者2名が「気候チャンピオン」に選出

CE記者2名が「気候チャンピオン」に選出 2008/03/16

 藤原沙来(18)記者と三崎友衣奈(16)記者の2名が3月16日、英国の国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシル主催の「気候チャンピオン」 に選出された。

 同日都内で行われた 「気候チャンピオン」発表記者会見では、 気象予報士の石原良純さんをゲストに迎え、制作作品の発表を行った。

  気候チャンピオンは世界33カ国 で、気候変動を伝える役割を担う。5月22日から開催される「子ども環境サミット in KOBE」に参加、
意見交換をし、G8環境大臣会合への「神戸チャレンジ」提言を行う予定。

  日本の気候チャンピオンは全国の小中高生を対象に身近な気候変動の実態をとらえた映像作品を募り、106件の応募作の中から作品の内容や面接などで10人が選出された。
 
  藤原記者は10人の「気候チャンピオン」の中から、日本代表である3人の「国際気候チャンピオン」の1人として13カ国が参加する「 ロンドン国際気候チャンピオン会議」(3月24日(月)~3月30日(日))に参加する。

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その他

CE記者がNHK 「日本の、これから」に出演

CE記者がNHK 「日本の、これから」に出演 2008/03/08

 CE記者1名が3月8日にNHKスペシャル番組「学力日本の、これから」 (NHK総合:19:30~22:30)に出演した。

現在上記のリンク先のページはありません。以下、参考ページ
日本の、これから』(にっぽんの、これから) Wikipedia

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教育

自立性や協調性を養えるGap Year制度

自立性や協調性を養えるGap Year制度
2008/03/05               藤原 沙来(18)

 日本で Gap Year と聞いて分かる人はほとんどいないのではないだろうか。一方、英国では Gap Year は知らない人はほとんどおらず、利用する人が多いという。

 Gap Year とは、高校卒業後に大学を1年間休学して日常生活では経験できないような体験をするプログラムのことである。大学に進学する前の1年間、ボランティア活動や旅行を通して人生経験を積むことで、正規の教育だけでは得られないものを補うことができるとしている。日常生活では味わうことのできない貴重な体験ができる期間にもなり、将来社会を担っていくことになる学生にとっては有意義な経験となりそうなプログラムである。

 ところが、日本ではあまり知られておらず Gap Year のような期間を経て大学に進学する人はほとんどいない。

イギリスへ行き、ボランティアとして活動した経験のある
石川桃子さん

 「日本人のいない環境で、さらに現地の人とコミュニケーションがとれるような方法によって海外で暮らしてみたかった」。日本人で Gap Year に参加した石川桃子さんは、ボランティアに関する本を見て Gap Year を知り、大学卒業後に11カ月間、英国で知的障害を持つ子どもたちの寮で働いた。主に寮で子供たちの遊び相手になったり、食事の介護やお風呂に入るのを手伝ったりするといったプログラムには、1年間大学を休学して参加した日本人と高校卒業後参加していた他国の人の計3人だったそうだ。

 「最初は言葉が通じないことから疲れて大変だった。でも、徐々に地域の人となじめて英語も話せるようになった。人間として成長できて、自立心が育つというメリットがある」と Gap Year の魅力について語った。しかし、「日本で浸透しない一番の原因は日本の受験制度だと思う。他にも、ホームページ・手続きなどはすべて英語であることや現地に日本人スタッフがいないのも理由かもしれない」と魅力的なプログラムであるのにも関わらず日本で広がらない現状を残念に思っているようであった。石川さんは、「経験と学業の順序はどうでもよくて、人間として自立して成長する過程の1つの手段として Gap Year は忘れられない経験」と改めて Gap Year の面白さを強調し、「日本の大学がこのプログラムに理解を示して猶予を与えてくれるよう変わったら日本でも浸透していくと思う」と今後の発展に期待していた。

 英国人で Gap Year に参加した Anna Pinsky さんは高校卒業後に6ヶ月間、日本で身体障害を持つ人たちのボランティアの介護スタッフとして働いた。「新しいスタートをきるために。そして、自分とは違う立場の人を理解できるようになるために挑戦をしたかった」ことから色々と調べ、 Gap Year に参加したと言う。 Pinsky さん同様、高校卒業後の3人の英国人とともに日本で、様々な場所にわかれてボランティア活動をしたそうである。「学校を出て初めて大人と同じ立場での仕事であったこと、さらに、言葉が通じなかったことで最初は疲れたが、3ヵ月もすれば全く違う文化・世界に触れることを楽しく感じた。 Gap Year に参加したことは非常に有意義で、大学生活の中で、今しかできないことをやって時間を有効に使おう」と感じたという。

 日本で Gap Year が浸透していないことに関して、「日本でボランティアをプラスの評価としてもらうのは難しいと思う。日本の教育が変われば少しは浸透していくのでは」。また、「英国では self solving (自己解決力)は評価される。一方、日本では社会に出てから、人間育成をされる過程で個人が形成され、それが評価の対象となる」。日本と英国の社会で求められることが違い、日本では Gap Year などでの経験を英国ほど重要視されないことが浸透しにくい要因だと考えているようだ。

 英国では、5歳から16歳までが義務教育で、大学への進学を目指す人はその後2年間、大学進学に必要な全国統一試験のための教育を受ける。この試験の結果によって大学が決まり、同時に Gap Year に参加する場合は申告さえすれば国が学費を負担してくれるため、いつでも進学することは可能だ。日本では、受験に追われ大学卒業後は就職と Gap Year に参加する時間さえほとんどない。

英国では、ボランティア活動などによって養われる自立性や協調性、自己解決力が求められる。日本では、個人の経験よりも、いかにそれぞれの会社や企業に順応するかが求められる。こういった違いから日本では Gap Year が浸透しにくいのだろう。 Pinsky さんが言うように、経験してみないと分からないことはたくさんある。将来、自分は何をしたいのか、何に興味があるのかは大人になってからでは遅いと思う。国際化が求められている今だからこそ、1人前の人間としての成長や自立心の育成のために新たな経験の重要性を訴えていきたい。ぜひ、今後日本人の学生が社会と自分を客観的に見る機会として導入して欲しい魅力的なプログラムである。

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教育

「Gap Year」を知っている?

「Gap Year」を知っている?
2008/03/05               平吹 萌(16)

 『 Gap year 』と聞いて、すぐにこれがどんなことを意味するかがわかる人が日本にはほとんどいないと思う。『 Gap year 』とインターネットで検索しても、出てくるサイトはほとんど英語で書かれているので簡単には読むことが出来ない。そんな現状からも、日本ではほとんど知られず普及されていない事が明らかである。

 『 Gap year 』とは、高校卒業後に一年間外国でボランティア活動を行ってから、大学進学または就職をする制度のことである。この制度が一番有名なのがイギリスである。ウィリアム王子が『 Gap year 』を利用してニュージーランドでボランティアをしたニュースを知っている人もいるのではないだろうか。

 では、なぜイギリスではこれほど一般的なのに、日本ではほとんど知られず普及しないのだろうか。理由は、その両国の教育制度や就職事情の違いである。

 「イギリスでは、17歳で試験を受けてそのレベルによって大学が決まるので、大学側に何年度に入学するかは自分で選択できるし、大学のお金は国が負担しているので、休学扱いになったりする事はないのです。」と実際に『 Gap year 』に参加して、イギリスから日本へ障害者の介護ボランティアに来た、 Anna Pinsky さんはおっしゃっていた。

 つまり、日本のように進学する大学を決める受験がないので、大学入学前に変化を求め、さまざまな経験をするのに外国に一年間行ってみるということが多いらしい。また、外国で経験を積むことが、将来就業時にプラスに評価される。日本では、新卒でないと就職は厳しいし、大学に進むために一番勉強をしている時期に海外で経験を積むことやボランティア活動を考える事はほぼ不可能である。私にとってこの制度は、とても魅力的に思えた。知らない国で、知らない言葉で、知らない人と生活をするという貴重な経験が出来るのである。しかし、日本ではむしろ、このような経験が将来の就職の際に不利になってしまう。それはとても残念である。

イギリスへ行き、ボランティアとして活動した経験のある
石川桃子さん

 しかし、そんな厳しい日本からも『 Gap year 』に参加した石川さんという女性がいる。石川さんは高校卒業後ではなく、大学卒業後にイギリスの知的障害児のいる寮で働いていた。そんな石川桃子さんに「どうしたら日本でもポピュラーになると思いますか。」と質問したところ、「日本の大学の理解が必要だと思います。また、『 Gap year 』が日本であまり知られていないのがとても残念だと思いますね。」と言っていた。また、両者共に「言葉が通じないし、文字も読めないけれど、ジェスチャーをしたりすれば、なんとかコミュニケーションが取れたので、逆にそういう環境でよかったとも思います。」と私達が不安に思っていたことを良い思い出として語り、どんなに素晴らしい経験であったのかを話してくれた。国際社会に通用するインターナショナルな人材を育てるためにはこのような経験が必要である。そのためには、石川さんのような経験者や海外の事例がマスコミに取り上げられ、その良さが理解され 、 少しずつ広まっていくべきだろう。その第一歩として私達の記事がきっかけとなり、将来的にイギリスのような制度が日本にもできて欲しいと願う。私は、将来 ( 高校卒業後すぐは厳しいのでせめて大学卒業後にでも ) この制度に参加してみたいと思う。

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教育

Gap Year ~経験の大切さ~

Gap Year ~経験の大切さ~
2008/03/05               畔田 涼 (17)

 Gap Year (ギャップ・イヤー)とは大学への入学が決まっている学生が、1年程度入学を延期することをいい、その間にボランティアや職業体験、旅行などを通じて社会的な見解を広げる制度である。この制度はイギリスで1990年代から普及し、ウィリアム、ハリーの両王子も Gap Year を経験している。現在イギリスでは約3分の1の学生がなんらかの形で経験を積むため入学を延期している。

Gap Year制度で来日し、ケアスタッフとして働いていた
アナ・ピンスキーさん

 Gap Year のような制度が、どうしたら日本で広まるのだろうか。これには、日本とイギリスの教育制度や就職制度の違いが深くかかわっているようだ。

 過去に Gap Year を利用して、大学入学前に来日し、ケアスタッフとして働いた経験のある Anna Pinsky さんと大学卒業後に日本からイギリスへ行き、ボランティアとして活動した経験のある石川桃子さんにお話を伺った。

 「イギリスでは大学側が入学を延期することを認めているし、就職の時も Gap Year を経験した人は自己解決能力が備わっているとして評価される」と語るのは Anna Pinsky さんだ。

 一方で石川さんは「日本の現状で、この制度を活用することは難しいと思う」という。

 その主な理由は、日本の大学は入学を待ってくれないので Gap Year に参加する場合は休学しなくてはならないこと。もう一つは、未だに日本では多くの場合、就職の際に新卒が有利であること。日本の大学や企業の理解が得られないなかで、参加することにリスクを感じる学生も多いのではないだろうか。

 「ケアスタッフとして働いたことで違う人の立場にたてるようになったし、イギリスに帰国してからも、学ぼうという意識が高まり、有意義な大学生活を送れた」という Anna Pinsky さん。

 「他国から派遣された人たちや現地の人など、いろいろな人々と知り合えた。人と関わる仕事がしたいと気づいた」という石川さん。両者のこのような発言からも、 Gap Year が意味あるものであることがうかがえる。

 日本の近状をみても AO 入試や中途採用など、その人の今までの経験を重視するような傾向になりつつある。学業を極めるのも良いかもしれないが、経験を積むことで見えてくることがあると思う。

 大学全入時代を迎えるといわれる日本。「とりあえず大学に行く」、そんな学生が増えていくのではないだろうか。これからの日本には Gap Year のような制度を利用して、大学入学前にたくさんの経験を積み、大学で何をすべきかを改めて考える期間が必要だと思う。

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