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教育


 

今考えよう、気候変動について
〜国際気候チャンピオン会議に出席して〜

2008/05/17                藤原 沙来(18)

 私は、 2008年 3月 24日〜 30日、ロンドンで開催された 「 国際気候チャンピオン会議 」に、日本の 「気候チャンピオン」 の代表3名のうちの一人として出席した。この会議は、気候変動に関する子どもたちの声を社会に発信することで、気候変動について考えてもらおうと、イギリスの国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルが開催している 「気候チャンピオン」 プログラムの一環である。

 この会議では、互いに各国の取り組みなどの情報を共有し、有効的な改善方法はあるか考え、子どもの私たちが改善に向けてできることについて話し合った。その結果は「神戸チャレンジ」という形で、5月 22 日から開催される 「子ども環境サミット in Kobe」 において、 G8 環境大臣会合へ提言される。

自分たちから働きかけることを確認

 ロンドンでの会議は、日本・イギリス・アメリカ・カナダ・イタリア・ドイツ・ロシアの G8 国のほか、中国・インド・ブラジル・メキシコ・南アフリカの計 13 カ国からの代表各3名により構成されていた。

 会議では、参加者の多くが「自分の周りに気候変動について知っている人、興味を持っている人はほとんどいない」と報告した。そこで、まずは私たちがきっかけとなるような働きかけをしていかないといけないと再認識した。そして、そのための働きかけを、各自がインターネットや学校を通して行っていこうと決めた。

 具体的にどのような働きかけを、それぞれの国に今後やってもらいたいかということについても話した。最も多く出た意見は、「学校のプロジェクトに気候変動を考える機会を取り入れると効率的ではないか」ということであった。その理由として、インドの代表からは「インドには、毎日安定した生活ができていない人もいる。だから、気候変動について考えるのは厳しい人もいる」という意見や、南アフリカの代表からは「南アフリカは地域によって言語が違うため、自分たちだけで国中の人に伝えるのは難しい」という意見が出たからである。このような問題がある中で、世界中の子どもたちに気候変動を知ってもらい危機感を持ってもらうには、みんなが平等に知識を持つことが必要で、そのためには教育面からのサポートが不可欠であると考えたからだ。

 このような話し合いの結果、出来上がったのが「神戸チャレンジ」である。これは私たちの意見を、今年の5月 24 日〜 26 日に神戸で行われる G8 環境大臣会合へ提言するため、 5 月 22 日から行われる 「子ども環境サミット in Kobe」で採択するものの草案だ。

 現在、以下の 3 パターンのうちどれを採択するか、インターネットで投票を呼び掛けている。ぜひ、一人でも多くの人に、投票してもらいたい。

気候変動と向き合うことは、自分の意識と向き合うこと

 世界では、異常気象や海面上昇など、気候変動による被害が深刻である。日本でも昨年は台風が例年よりも多く上陸し、夏には歴代最高気温を記録し熱中症による死者も多く出た。その他、発生するはずのなかった地域に害虫が発生し、穀物の生産に影響が出たりもしている。もしこのまま何もしなければ、将来、害虫によって食糧が減って食糧難になったり、水不足になるなど、さまざまな問題が生じ、最終的に困るのは私たち人間である。

 近年、私たちは気候変動改善のために何ができて何をするべきなのかを考える機会は以前に比べて多くなったように思う。しかし、頭でわかっていても改善に向けて実践するのは難しいようだ。朝日新聞( 2008 年 1 月7日 朝刊)によると、約 90 %は地球環境問題に関心を持っているが、約 43 %は改善のために生活が不便になるのは困ると答えている。

 気候変動の影響は目に見えにくく、危機感を感じにくいが確実に悪化しているのである。私たちが日常生活の中で発生させている二酸化炭素や行っている自然破壊が気候変動を引き起こし、気候変動が私たちの生活に被害を及ぼすのである。

改善するには、改善に向けた活動や行動を“今”する必要があり、それは身近なことから始められる。たとえば、ふろの残り湯を洗濯に使うこと、コンポストを使用してゴミを削減すること、プラグをこまめに抜くことなど、たくさんある。

 私たちがしなければならないことは、今この「気候変動」問題と向き合うということである。そのために、世界中のどの国でも同じように気候変動についての情報と知識を獲得できるよう、教育の機会が増えてほしいと思う。まずは私たちの意識を変えない限り何も変わらない。

「神戸チャレンジ」にぜひ投票を!

現在、下記のウェブサイト上で、 G8 環境大臣会合へ提言する内容について、
皆さんからの投票を募っています。ぜひご参加ください !!

http://www.britishcouncil.or.jp/climatechampions/index.htm

下記の1〜3のどの原稿を「提言」としたらいいと思いますか?
Web サイトにアクセスして、投票してください !!

1.気候変動が問題であることを認識して、私たち世代が解決策となっていきます。・気候変動は最優先の問題であると宣言し、それを国家教育制度の必須項目にしてください。
・今すぐ行動を起こしてください。 政府の方針はひとりひとりが環境に優しい生活様式で暮らす機会を提供するべきです。
・エネルギーに関する厳しい規制が緊急に必要です。政府は、研究と再生可能なエネルギーの開発に資金を供給し、行動を起こした個人、および法人 に対して報奨するべきです。

2.私たち世代は、環境に配慮した未来のために、気候変動に対して個人が行動を起こすための原動力となるでしょう。
・すべての国が気候変動に対する情報公開活動に、資金を供給する必要があります・政府は環境に配慮した未来のため、代替エネルギー資源にもっと多くのお金を費やさなければなりません。
・学校で全ての若者に対して気候変動に関する教育をしてください。

3.気候変動対策に取り組むために、私たちは、その難しさを認め、責任を受け止め、一貫性を持って対応しなければなりません。
・ すべての教育制度に気候変動を取り入れ、実用的な解決策を全社会に提示してください。
・厳しい国際的排出権取引制度を導入して、排出を制限してください。
・気候変動の避けられない影響によって受ける最悪の打撃のために、技術と資金を提供してください。

 

気候チャンピオン会議
▲各国の取り組みについて発表が行われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気候チャンピオン会議
▲国際気候チャンピオン会議の様子 右から2番目が筆者