2011年8月1日から12日まで、南東ヨーロッパのバルカン半島にあるセルビア共和国の首都ベオグラードで、第6回国際青少年メディア・サミットが開催された。サミットのテーマは、世界の若者たちが映像作品を通して未来を形作る(Shape the future)。環境、貧困、差別、暴力、健康、女性の権利、若者の地位向上の課題別に、世界16カ国の若者が50名ほど集まり、1分間のビデオを作った。
PIOはStung Mean Chey Education Center(児童数280人)、Borey Keila Education Center(310人)、Borey Santipheap II Education Ceneter(230人)の3つの学校を運営し、今までにおよそ2千 人の子どもたちに教育の場を提供してきた。カンボジアでは、貧しいため子どもも働いて当然と考える親は少なくない。Phymeanさんは以前、1日10~12時間もゴミ山で働いていた8歳の男の子を見つけたことがあるそうだ。彼女とスタッフは毎日ゴミ山に足を運び、そんな子どもを見つけては、学校に来させるように親を説得し、家庭に米を提供している。
プノンペンにあるStung Mean Chey Education Centerにはすぐ隣にゴミ山があった 。 子どもが素手やサンダル履きでゴミ山に入って働くなど、日本では信じがたい光景が貧しい彼らの日常にある。
The Daily Cambodia新聞の編集主幹Douglas Gillison氏によると、カンボジアでは1975年から1979年にかけてクメール・ルージュ政権や内戦により知識人の大量虐殺が行われ、 死者は200万人に上った。多くの知識人が殺害されたため、カンボジアの経済状況が悪化し 国民の3割が貧困層 という状況に陥ってしまった 。カンボジアで一家族の1日の平均収入は2ドル以下。そのため、子ども達も働くのが当たり前なのだ。その中でも一番速く収入を得られるのが体を売ることである。
日本を出発する前に取材したNPO法人国際子ども権利センター(C-Rights)代表理事の甲斐田万智子氏によると、カンボジア王国憲法68条によって全ての国民は9年間義務教育を無料で受けられると保障されているそうだ。しかし、 ECPAT(End Child Prostitution , Child Pornography And Trafficking in Children for Sexual Purposes、子ども買春、子どもポルノと性目的の子ども売買を止める会)の 専務理事Chin Chanveasna氏によると、子ども買春を強いられる 多くの子ども達は正規の教育を受けていないという。 こうした少女達は家計を支えるために、学校がある日も働かざるをえず、学校を途中で止めなくてはならない 。また、 教師の給料はとても低く、テストを受けるためには教師にお金を払わなければならないそうだ。 そのため、お金を払えない 子ども達は 学校を辞めて働かなくてはいけないのである。子ども達は教育を受けていないため、働くといってもお金をたくさん稼ぐには 体を売る事しか出来ないのが現状だ。
End Child Prostitution, Abuse and Trafficking in Cambodia(ECPAT )はカンボジア国内の人身売買(子ども買春や子ども労働)を扱っているNGOの中間支援組織で、世界的ネットワークがある。「 身体 を売って生活している子どもの多くは、自分が働いているから家族が生きていける と思っているために困難を極める。買春被害の子どもだけを保護しても、その家族は彼女からの仕送りがないために、餓死する可能性が高く、保護された子どもはシェルターから抜け出して買春に戻ってしまう。さらには、教育を受けていない親にその危険性を話しても 理解ができないのだ」と代表のChin Chanveasna氏が語った。
「Please」 そう言って私の前に置かれたカンボジアンカレー。私達はFriends-InternationalというNGOのカンボジア支部が運営している「Friends The Restaurant」というレストランを訪れた。ここで働いている人達は皆、かつてストリート・チルドレンだった若者達である。 店内の洒落た雰囲気、料理の外見や味もさることながらサービスのレベルの高さに驚いた。お店に入ると、「student」と書かれたTシャツを着たウェイターである若者が出迎え、食事中には常に誰かがテーブルに目を配り、何か不備があればすぐに対応している姿は訓練中といえどもプロ顔負けの働きぶりであった。
「Friends The Restaurant」で行われているような職業訓練をFriends-International Cambodiaでは全部で11種類行っている。中には「裁縫」や「ヘアメイク」などといったものがあり、1クラス約30~40人が所属している。どの訓練を受ける かは選択できるそうだ。彼らはこれらのプログラムを通じて、社会に直に接し、より早く社会に適応できるようになる。職業訓練 だけではなく、社会に自分の力で出ていけることが真の自立なのであろう。
警視の Sian Lockley 氏によると、対策の一つとして、万引きをする子どもが多い昼時に学校近くのスーパーマーケットなどの前に、私服のガードマンと一緒に学校の教師が立ち、見張りをする。また、私服ガードマンが店内を周り、監視をすることもある。このような直接的な対策のほかに、軽犯罪を犯した少年の親の教育もするという。
就職を考えるという点では、英国にはユニークな制度がある。 Work Experience (職業体験)という制度だ。これは仕事に就いた時、つまり就職のための準備の一つである。また、実際にその職業に就く前に体験してみることによって、その職業の見えていない部分などもよくわかり、その職業が自分に向いているかどうか、などを見極める機会ともなる。
Work Experience を利用すると、高等学校に在学している間の第 10 学年と第 11 学年にあたる 15 歳から 17 歳の時に約 2 週間、もしくは大学在学中か大学卒業後に、自分の興味のあるところで働けるのだ。 Work Experience を学校のプログラムとして実施するところもあるという。フォイル局の記者グレース (15) によれば「彼女の学校では「新聞社へ行って Work Experience ができる」。 そうだ
高等学校に在学している間の Work Experience は、大学へ入るときには特に評価されないという。その代わり、就職するときに評価される。高校時代にこの制度を利用する人は、つまり、将来、就職するときの自分のために、高校にいるときから自分の時間を割いて準備をしているのだと言える。
日本の高校生 の多くは 、学校のほかに塾へ行って大学受験の勉強をしてとりあえず大学に入り、大学で専攻していたことと関係が無くても、とりあえず就職をと考える。一方、英国の高校生は とても早い段階から自分の将来を考え、そのために大学では何を専攻するのか、 Work Experience をやるかやらないか、やるならば何をいつやるのかなどを決めている。