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SNSの危険性~犯罪に巻き込まれないために

SNSの危険性~犯罪に巻き込まれないために
2015/02/01                  前田 佳菜絵(14)

  いま「LINE」や「Facebook」、「Twitter」などのソーシャル・ネットワーキング・サービス(インターネット上のコミュニティー型のサービス、以下SNS)が多くの人に利用されている。しかし、2013年の「三鷹ストーカー殺人事件」のようにSNSがきっかけで多くの事件が発生し、またそれらに中高生が多く巻き込まれているのも事実だ。安全に楽しくSNSを利用するには、どうしたらいいのだろうか。

 実際にSNSを利用している中高生にアンケートをとってみた。まず、使っているSNSの種類を聞くと、「LINE」や「Facebook」、「Twitter」や「Skype」、さらには「instagram」や「vine」など多くの種類のSNSの名前が挙がった。それらの多くが連絡手段として、また情報の共有のために使われていることもアンケートから分かった。SNSで事件に巻き込まれないために行っている対策を聞くと、アンケートをとった中高生は全員が何らかの対策をとっていて、その内容は、フィルタリングや公開範囲の設定、個人情報や顔写真は載せない、大勢の人が閲覧できるところにはコメントを残さないなどだった。また、自身がSNS関連の事件に巻き込まれた人はいなかったが、友人が「Twitter」のアカウントのなりすましの被害にあったという人もいた。

警視庁生活安全部管理官少年育成課課長代理(少年育成担当)の古郷氏郎警視と警視庁生活安全部少年育成課学校地域係長の山崎広行警部
左から山崎警部、古郷警視、山本警部

 アンケートの結果を踏まえ、警視庁生活安全部少年育成課へ取材を行った。警視庁生活安全部管理官少年育成課学校地域係長の山崎広行警部によると、特にコミュニティーサイトに起因して犯罪被害にあった児童は、平成21年以降は全国で毎年1000人を超えていて、今年(2014年)の上半期だけでも698人だという。その中のほとんどは中高生の年齢の児童だ。今では、携帯電話かスマートフォンを所持している中高生のうち中学生の約50%、高校生の約80%がスマートフォンを所持しているという。

中高生が巻き込まれたSNS関連事件の例として警視庁生活安全部管理官少年育成課長代理の古郷氏郎警視は「スマートフォンなどで見知らぬ人と出会いメールなどで個人情報を流出し、性的被害にあったり恐喝される犯罪がある。特に中学生、高校生になるといろいろな人とメールをするから、その点を気をつけないといけない」と指摘した。 古郷警視は「フィルタリングの説明は、必ず携帯電話の購入の際にするように通信会社に働きかけている。スマートフォンでは携帯電話回線の他に無線LAN回線のフィルタリングも必要だから、その説明もするよう求めている」と語る。ただし、携帯電話に慣れると他の機能を使いたくなってフィルタリングを外してしまい、そこで犯罪被害に遭うケースがあるため注意しないといけないようだ。その証拠にフィルタリングの利用率は中学生で約61%、高校生で約49%だという。

また、「家庭や学校で、携帯電話を購入した際に話し合って、携帯電話の使い方に関するルールを作ってほしい。自分の身を守るためにも大切だ」とも古郷警視は語る。SNSの危険性を尋ねると、「相手が見えないから、相手がいい人ばかりとは限らない。いい人なのか悪い人なのかの判断ができない。相手は自分の悪いところを言わないから、どうしても相手のことを信用してしまう。さらに、インターネット上に載せた写真からもGPSで位置情報が分かってしまうから、そこにも注意しなければならない」と古郷警視は答えた。

 警視庁が行っているSNS関連の犯罪被害対策については、学校に出向いて(要確認)「サイバー犯罪対策教室」を開き、事件の事例を紹介し啓発活動をするほか、その際サイバー犯罪対策課が作成するDVDでトラブル事例を紹介し注意を促す活動をしているそうだ。このDVDは警視庁のホームページで私たちも見ることができる。SNS関連の犯罪被害対策についてについて古郷警視は「各学校において概ね年に1回は教室をやっている。。薬物乱用以外の内容で警視庁が行った教室は、2013年は東京都内だけでも小学校で1815回、中学校で379回、高校で115回行った。主に学校側からの要請に基づいて行っており、DVDを使ったサイバー犯罪対策教室など、話題性のあるものが一番反響が大きい」と語った。他には、「サイバー補導」を古郷氏は挙げる。「サイバー補導」とは、インターネット上で援助交際等の書き込みをしている子どもとメールでやり取りをした後に、実際に接触して注意することだという。

 警視庁や通信会社は、新しいタイプの犯罪、巧妙な手口の犯罪についても研究、対策を行っている。古郷警視は最後に、「相談することの重要さ」を訴えた。「インターネット上の見知らぬ人から、一緒に会ったり写真を送ったりするよう誘われたら、はっきり断りブロックするように。もし被害に遭いそうになっても誰にも言わなかったら被害に遭ってしまう。すぐに家族や警視庁に相談するように」と語った。警視庁の「ヤング・テレホンコーナー」(03-3580-4970)ならば、名前や住所を言わなくても相談に乗ってくれるという。 「三鷹ストーカー殺人事件」も、フィルタリングなどの対策をしていたら、SNSの危険性をもっと理解していたら、また家族や警視庁に早い段階で相談していたら起こらなかった悲劇かもしれない。もっとSNSの危険性の理解が社会に広まり、もう悲劇が繰り返されないことを願ってやまない。

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まず相談!!~SNSの危険性~


2015/02/01                  三好 恵瑠(13)

  最近、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)関連の事件の話をニュースでよく耳にする。今は3DS、 iPhone、iPad、iPod、Walkmanの一部の機種でもSNSを使うことができる。SNSが多くつかわれる今日、どうしたらトラブルに巻き込まれずにすむのだろうか。その方法をさぐるために事件を扱う警視庁に取材した。

警視庁生活安全部

私たちはSNS関連の事件について知っていることはあまり多くない。そこで、中高生が被害にあった事件の傾向や相談、SNSの危険性や対策についての質問をぶつけてみた。答えてくれたのは警視庁生活安全部管理官少年育成課課長代理(少年育成担当)の古郷氏郎警視と警視庁生活安全部少年育成課学校地域係長の山崎広行警部だ。山崎警部は学校で非行・被害防止教室を開くなどの活動をしている部署に所属している。

警視庁の統計によれば、SNS関連の事件の被害児童数、特にコミュニティーサイトを通じたものは平成21年以降毎年1000人を超えているという。一番近い統計は平成26年上半期(1月~6月)のもので、全国の18歳以下の児童(ほとんどが中高生)698人が被害にあっている。その半数が青少年保護育成条例違反にあたり、「性」に関するものだと山崎警部は言う。そのほかワンクリック詐欺、メール上で知り合った人に個人情報を漏らしてしまったことによる恐喝などもある。これらを防ぐためには安易に個人情報を漏らさないことや、知らない人からのメールに気をつけることが大切だという。ストーカー事件にあうこともあり、「被害にあったらまず相談することが被害を大きくしないためには大切だ」と古郷警視は語った。

警視庁が考えるSNSの危険性やその使い方、行っている対策についても聞いてみた。
「SNSの危険性は相手が見えないことだ」と古郷警視は言う。SNSなどのコミュニティーサイトはネット上のつながりなので相手のことがわからない。相手がいい人ばかりだとは限らない。例えば、あるコミュニティーサイトに写真を投稿したとする。驚いたことにその写真から位置情報がわかり、自分の自宅等を追跡することができるのだ。そこからストーカー事件などにつながることもある。

 SNSの望ましい使い方には2つあるという。ひとつはフィルタリングだ。これは、携帯電話会社、本人、両親が関係することだと古郷警視は指摘する。フィルタリングは、携帯回線と無線LANの2つがある。最初はフィルタリングを皆つけているが、慣れてくるとはずしてしまうという。これを安易にははずさないことも大切なことらしい。二つ目は、家庭内や学校で話しあってルールを作りそれを守ることだという。

 古郷警視によれば警視庁が行っている対策は1つとして学校において概ね年に1回行っている教室がある。 警視庁のOBがスクールサポーターとして非行防止教室を行っている。その中で警視庁が製作したDVDを見せ、事例を教えたり、フィルタリングやルール作りの必要性を教える。児童・生徒自身に自分を守る方法を身につけさせることが目標だという。その他にも、サイバー補導というものがあり、インターネットの掲示板などに援助交際の書き込みをする子どもを見つけ、実際に会って注意をするというものもあるという。

 今回の取材で警視庁の担当者が繰り返し強調したことがある。それは、「早めに相談する」ということだ。相談する相手は、もし嫌だったら親でなくてもかまわない。そのために、警視庁ではヤングテレホンコーナーを設置している。匿名で相談することができ、しっかりと警察がアドバイスや捜査してくれるという。(相談電話番号は03-3580-4970)今日、SNS無しでは生活が成り立たなくなりつつある。みんなが有効活用できればとても便利で居心地のよい世の中になるのではないだろうか。しかし、SNSにはこの記事で伝えたようにたくさんの危険性がまだまだ潜んでいるし予防策を覚えねばならない。私たち子どもは安全にSNSを利用できる日が来ることを待ち望んでいる。

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IT 座談会

LINE知っている?

出席者:毛利美穂(17)、米山菜子(16)、持丸朋子(18)、小川真央(18)
2013/2/11

全世界で1億人以上、日本でも4000万人以上のユーザーが登録するコミュニケーションサービス「LINE」。緑のアイコンをタップして、液晶画面を見つめる子どもの姿に「何をやっているのか?」と思う親もいるだろう。ネットいじめや「出会い系」など、SNSの危険性も心配である。LINEの子どもたちの利用実態について、高校生記者4人が話し合った。高度な情報リテラシーと、柔軟な活用方法を、子どもたちは実践で培っているようだ。

LINEとは

美穂:LINE というのは主に携帯で使用できるアプリケーションのことで、トークと無料電話ができて、スタンプもダウンロードして、有料と無料で使えます。
朋子:あと、LINEはスマートフォンだけでなく、普通の携帯電話やパソコンからも使用できるので、主に携帯、スマートフォン、パソコンの3つから使用ができます。
菜子:通信料しかかからず、通話もトークもすべて無料となります。

■始めたきっかけ

美穂:私は二年前に普通の携帯からスマートフォンに変えた時に、アプリケーションをダウンロードして使用を始めました。ほぼ毎日していて、使っている相手は友人と家族と習い事の先生です。
菜子:私がLINEを始めたきっかけは、テレビでCMをやっていてダウンロードしてみました。そのときは全然友だちは誰もやってなかったんですけど、だんだんみんながスマートフォンに変えるにつれて友だちが増えていって、今は一週間のうち三日くらい使っています。使っている相手は友人や家族、また小学校の時のなかなか会えない昔の友だちとかと使用しています。
朋子:私は去年の夏にアメリカの一年の留学から帰ってきて、まず友だちがLINEをしていることに気づき、そこでまだ普通の携帯電話だったのでパソコンでLINEを始めました。そのあと9月にスマートフォンに変えてから、より多くLINEを使用するようになりました。パソコンの時はいちいちパソコンを開かなければいけなかったのであまり使用していなかったのですが、スマートフォンに変えてからは多くの友だちが使用しているのと手軽にできるので毎日LINEをしています。
真央:LINEを始めたきっかけは、友人に勧められてダウンロードしました。始めたのは半年前でまだ始めたばっかりなのですが、最近ではほぼ毎日使用しています。使用している相手は友人、家族、先輩、後輩ともしています。

■LINEの良い点

美穂:LINEはすごく手軽に打てるのでとても流行っています。送信ボタンを一回押すだけで、すぐ上の行に上がっていくので見やすいです。
菜子: チャットのようになっていて 見やすいので、 大勢いる部活の高校三学年みんなで情報を交換する場ともなっています。
朋子:あとデメリットにもなりますが、既読といって相手がメッセージを読んだら「既読」というよう に表示されるので、相手が読んだことを確認できる点も特徴だと思います。
真央:LINEではグループを作成できるので、複数の相手に伝えたいことが伝えられます。一斉送信よりも気軽にできるので便利だと思います。
菜子:企業のアカウントもあるので、企業やタレントがメッセージを送り、自分たちを売り込む 場ともなっています。また企業がスタンプを作って、それも広告の場となっています。
美穂:そのスタンプを作ってアプリケーションに入れるっていうのは企業がすごく大金を払ってやっているので、かなりの宣伝力になっている のだと思います。
朋子:LINEは気軽にできるという点で、今まであまり連絡がつかなかった人とも連絡をとることができるので、コミュニケーションの場をより増やすことにつながると思います。
美穂:電話帳に入っている人が全部LINEの友だち上に出てくるので、すごく気軽にできるし、今までメールアドレスが変わっ てわからなかった人もLINE上だと出てくるっていうのが利点だと思います。

朋子:逆に見つけられたくない相手というか、連絡を取るのはできたら避けたいっていう人の連絡先も出てきちゃうことについてどう思いますか?
美穂: 私はそういう人をブロックしています。 、ブロックすると相手は自分がブロックされているってわからない けれど、自分のところには出てこなくなる。 相手も、既読がつかないから 「読まれてないから返事が来ないんだ」と思うのだと 思います。
菜子:他にも、もともとの設定で、携帯の電話帳から勝手にLINEの友だち欄に載らないように設定したり、 IDで検索されないようにできるなどの設定があります。
真央:その電話帳をLINEのアプリに提供するのに、承認せずに電話帳の検索機能を拒否することができると思います。私はそれを使っていないので、連絡を取りたい相手に対してLINEのIDを個人個人に聞いています。

LINEの問題点

美穂:デメリットは 、連絡をするのが簡単すぎるので、あまり意味のないことでも話が膨らんで返信がすごく大変になってしまうことだと思います。
菜子:学校の保護者会でも、子供たちがLINEに夢中で勉強に集中できなくて心配だという声があがっています。
真央:LINEでは感情を伝えるスタンプが存在するので、文字を打つ機会が減っていると思います。
朋子: 手軽さというのが裏目に出て、長時間の使用を無意識的に続けてしまうので、その点では問題だと思います。
美穂:学校の保護者会で、「ID検索っていうのをできないようにしてください」 と言われているそうです 。出会い系サイトのように使用する人が適当に打ったIDが、偶然自分のもので 、トークが来ると出会い系のようになってしまう こともあります。
菜子:私の学校ではクラスLINEと いって、同じクラスの子がほぼ全員入っているグループがほとんどのクラスにあるんですが、そのクラスLINEで、仲間内で少し浮いてる子を一人だけ入れさせないようにしているグループがあって、それが問題になったクラスがあります。
真央:他の問題点として、自分が関係していない場合でも、所属しているグループの会話の内容が届いてしまうので、それで時間の無駄ができると思います。

■他のSNSとの比較

菜子:他のSNSに比べてLINEが違うところはなんだと思いますか?
美穂:昔流行ったFacebookなどと違う点はまず用途が違うと思います。私の今の使い方 は、
Facebookは写真を共有する場、 LINEはトークをする場として、 二つをうまく使い分けています。
真央:FacebookmixiなどのSNSと違う点は、LINEは承認を相手が自由にできるのですが、Facebookmixiはお互い承認しあわないと一方的にどちらかが登録するということは起きない点です。
朋子:LINEの他のSNSと違う点は、本当に必要な時にしか基本的に使わない点だと思います。Facebookmixiだと、他の友だちがつぶやいた、自分に関係のないことが流れてくるのに対して、LINEは友だちとの1対1、または自分対他の友だちのグループっていうふうに本当の友だちじゃないと基本的に使わない点が大きく違うと思います。
美穂:mixiとかFacebookも、やっぱりつぶやきが流れてきて見ているんですけど、LINEは完全にメールに代わる機能だと思っていて、本当にメールと同じように1対1とか1対多数、複数送信と同じ機能なので、全然違うものだと思います。
美穂:カカオトークcommLINEだとcommが一番音質が良いという評価なのですが、それでもLINEを使う理由ってなんですか?
真央:その前に質問いいですか? commカカオトークLINEってそれぞれどういう特徴があるんですか?
美穂:commは一番電話の音質が良いのですが、 スタンプの数はあまり多くないし、表示画面も見やすくないけれど、LINEカカオトークが流行しているので便乗して、新しくできたものです。
菜子:当初はLINEを使っていて、一度カカオトークcommを入れてみましたが、最初に見て思ったのは、「スタンプがかわいくない」です 。LINEを使っている理由は 、スタンプをかなり使っているから で、そのスタンプがかわいくないカカオトークcommはあまり使わず、今はアプリを消してしまいました。
朋子:私はcommはやっていないのですが、LINEカカオトークをやっています。圧倒的に使用している友だちの数が多いので、LINEを頻繁に使用しています。LINEカカオトークも両方とも勝手にアドレス帳に入っている友だちのリストが出てくるんですが、その数がLINEの方が断然多く、より多くの友だちと連絡を取れるのでLINEを多く使用しています。
真央:私はカカオトークcommを使用していないので、両方の音質がどのようなものかわからないのですが、LINEは確かに音質が悪く、友人と連絡を取る際にいつも聞きづらいと思っています。なので、LINEは今後普及していくにあたって、音質を改善していくことが必要だと思います。
菜子:LINEでは複数の友だちと通話をすることはできないのですが、カカオトークではそれができるらしいです。なのでカカオトークを使っているという友人も多くいます。また、commのデメリットとして、LINEやカカオトークはアクセス制限のかかっている友だちは使えなかったのに対して、commはアクセス制限にひっかからないという点で不安を感じました。
朋子:私もLINEは複数での電話ができないので、複数で電話が必要な場合にはカカオトーク、メッセージの場合にはLINEというふうに使い分けをしています。
美穂:私の友人でも電話とLINEのトークで使い分けている人がすごく多くて、やっぱりカカオトークよりLINEの方が企業がすごく入ってきているし、クーポンも取れるので使用している人が多いです。
真央:LINEの大きな特徴である既読についてはみなさんどう思いますか? 
朋子:私は相手がメッセージを読んだということを知らせる点でとてもいいと思います。メールだと実際読んでいても返信が遅くなってしまって相手がいつ読んだのかとかがわからないので、その点で既読のシステムはいいと思います。ただ自分が忙しい時とかでどうでもいいような内容のメッセージを読んでしまうと、その場で返信しなきゃいけないというプレッシャーがかかってしまうので、その点ではちょっと面倒だと思います。
菜子:実際に私の友人で既読が付いているのに、返信が来ないといって怒る子がいます。それによって新たなトラブルも生まれています。
美穂:既読のメリットとして、震災での生存確認のようなものにもなるし、やはり誰が読んで誰が読んでいないのかっていうのが、グループ内で人数だけですけどわかるので、みんなに伝わっているかという確認が取れると思います。デメリットだと読んでしまうと返さなきゃいけないっていうプレッシャーになってしまうので、忙しい中で大変なことになってしまいます。
真央:LINEの既読の機能については、確かに誰が読んだか読んでいないかということが明確にわかるのでいい点でもありますが、返信しなければならないという責任感に追われるので既読という機能については悪い点もあると思います。
美穂:でもやっぱり既読っていうのはLINEの特徴だと思うので、これからもあってほしいなと私は思います。
菜子:LINEが既読の制度をつけたことによって、Facebookなどでも既読の制度がつきました。このことから、LINEの既読の制度はかなり評判がいいということがわかると思います。

■LINEは電子メールに代わる!

菜子:LINEは今流行っているだけで、今後は消えていくと思いますか?
真央:LINEは今後継続して流行していくと思います。私は今まで、新年の挨拶にメールを友人からいただいてたのですが、今年は大多数がLINEであけましておめでとうを送ってきました。やはり人間は気軽な方に魅力を感じると思うのでそういったメールもLINEを利用する機会が今後どんどん増えていくと思います。
朋子:LINEが気軽で今これだけ普及しているということは、かなり大きなメリットがあるからだと思います。なのでLINEはこのまま継続して普及していくと思います。ただ、LINEはまだ一つのアプリでしかないので、この後簡単に消えていくこともできると思うので、LINEの機能がスマートフォンに基から付くくらいに大きくなったら、その後もずっと続いていくような気がします。
菜子:私は今後携帯にもともと付いているメールがLINEのようになっていくのではないかと思います。
美穂:commとかカカオトークとか他のLINEと同じような機能もあるので、どれが生き残るかっていうと今一番利用者が多いLINEが生き残っていくし、企業も力を入れているので強いと思います。

■大震災時の連絡手段
美穂:LINEは3.11の震災の後に新たな連絡手段として既読の機能もあり、実際読んだかがわかるし、ネット回線を使うことによって電話の回線などの混雑を防ぐこともできるということで作られたのですが、皆さんはまたもし3.11のような大きな震災があった場合どのSNSを連絡手段として使うと思いますか?
菜子:私はまずLINEで送って、既読が付かなければもとから携帯についているメールを使用すると思います。なぜならもとから付いているメールは一度違う機関に送られてから相手に送られるので、その場ですぐ相手に届かないとしても最終的には必ず届くので生存確認としては使えると思います。
美穂:私も先にLINEで送ると思うんですけど、それでたとえ既読がついても、やっぱり被災地だと、本当に読んだのかどうかトラブルで既読が付いちゃったのかすごく不安なので電話とかメールもしてしまうと思います。
真央:私もまず最初にLINEの機能を使って既読かどうかを確認し、そしてフェイズブックなどのメッセージ機能をその後に使い、いつ読んだのかとか時間までわかるので、時間を確かめられたらいいなと思っています。
朋子:私もまず最初にLINEの機能を使うと思います。LINEで送った後に既読が付いても付かなくてもメールや電話など、もとからある携帯の機能としての、より安心感というかアプリよりも重要な機能で送ると思います。また後はツイッターなどの大勢の人が利用できるSNSを利用して、情報などは手に入れると思います。
真央:家族に対してはフェイスブックのメッセージやLINEを使うと思うのですが、友人に対してはツイッターやミクシィなど全体に流れるものを使用すると思います。
菜子:3月11日の震災の日、実際に一番つながったのがツイッターだと言います。なのでツイッターも使うと思います。
美穂:今ミクシィの使用者が友人の間でもすごく減っているので、私はミクシィは手段にはしないでSNSだとやはりLINEやツイッターなどでやると思います。ツイッターだとタイムランに友人のことしか出てこないので、あの子は大丈夫だったんだっていう確認がそこでもできると思います。
真央:LINEのデメリットである既読の機能については、スマートフォンであれば一文で内容がだいたいわかるので読むことをしなければいいと思います。そして二つ目に知らない方やあまり連絡を取りたくない方に対しては、ブロック機能を利用して拒否をすればいいと思います。そしてLINEの大人数でのグループにおいて、自分が関係ない場合は通知オフをしてLINEから頻繁に連絡の通知が来ることを防げます。このようなデメリットに対しては対策をうつことができるので、今後LINEは普及していくと思います。

以上 

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座談会

便利だけど怖い「ソーシャルネットワーク」

出席者:小林夕莉(16)、毛利美穂(16)、澤山友佳(17)、瀧澤真結(13)、米山菜子(15)(司会)
2011/12/21

Twitterやmixi、facebook・・・近年急速に存在感を増している「ソーシャルネットワーク」は、今や若者にとって便利な情報発信のツールになりつつある。日常的にそれらのツールを利用する中高生記者5名が、利用方法や危険性について話し合った。

一日にどれくらい
司会:まず皆さんのまわりの人たちや、皆さんの利用状況を教えてください。

夕莉:私は今「モバゲータウン」というサイトに入っています。だいたい一日に一時間ぐらいは使っていると思います。

真結:私は「フェイスブック」というツールを使っています。私の他にも学校の友達などはほぼ全員使っているので、毎日一時間使っています。

美穂:私は「フェイスブック」、「ツイッター」、「ミクシィ」と「マイスペース」を使っています。携帯、モバイルで見られる「ツイッター」とか「マイスペース」はけっこう一日中。

友佳:私は「フェイスブック」を使っていて、一日に一回チェックするぐらいです。学校でやっている人は20人ぐらいなのですが、「ミクシィ」はほとんどの人が使っています。

菜子:私は「フェイスブック」を利用しています。周りの人たちは他に「ミクシィ」や「グリー」や「アメーバ」など、たくさんのサイトを使っています。

■きっかけは
司会:ではソーシャルネットワークを利用し始めた理由を教えてください。

美穂:「フェイスブック」は、海外の友人とつながろうと思って小学生の時に始めました。

夕莉:私は電車で「モバゲータウ」ンの広告を見て、ゲームをしたくて入りました。

真結:私は日本に帰国する時に海外の友だちに誘われて「フェイスブック」をやり始めました。最初は隠れてやったんですけど親にバレて、そのあとちゃんとルールを決めながらやることにしました。

友佳:私はCEの他にもボランティア活動などをしていて、そこでの友だちとの連絡や呼びかけなどに「フェイスブック」を利用しています。

菜子:3.11の時に「フェイスブック」などのツールの方が連絡をとりやすいということで母親に勧められたのがきっかけで使っています。

■多様なソーシャルネットワーク その違いは?
司会:「ツィッター」、「モバゲー」、「アメーバ」、「ミクシィ」について説明できる人いますか?

美穂:「ツイッター」はアカウントを複数持つことができて、公開アカウントだったら誰でも見ることができるしリツイートやリプライで他の人と会話することができます。鍵アカウントだったら自分をフォローしていない人には自分が何をつぶやいたかはわかりません。
芸能人や大手出版社の意見も友人と同じ欄で見ることができて見やすいですし、海外の人と友人になることもできる。それに最近利用者が多いので、どの時間にもつぶやきの欄が常に1秒ごとに更新されていくんです。だから便利だなと思います。

夕莉:「モバゲータウン」は、名前は自分で決めるので本名じゃないです。個人情報っぽいものは、性別と誕生日と年齢くらいです。あと自分で趣味は何々とか、好きなものはなんです、みたいに書くスペースがあります。

美穂:「アメーバ」だとつぶやきの欄やブログの欄、グルッポの欄、足跡の欄があります。足跡っていうのは誰が訪問したかがわかるところで、グルッポっていうのは同じ趣味を持っている人がグループを作ってそれについて掲示板で話すところ。つぶやきは「ツイッター」とか「ミクシィ」と同じようなつぶやき。一番多いのはたぶん芸能人の方の「ブログ」で、「アメーバ」だと容量が多いのできれいな画像がけっこうはれるっていうのが理由にあると思う。「グリー」は「モバゲー」と似た感じだと思うんですけど、ゲームの種類が違う。

美穂:「ミクシィ」は、プロフィールのところにあだ名・性別・年齢・趣味などの自己紹介の欄があり、その他につぶやきの欄や日記の欄、写真の公開欄などがあります。友人限定にするか、友人の友人限定にするか、パスワードを入れることができる人限定にするか、非公開で自分だけが見られるようにするかは自分で決めることができます。

司会:「フェイスブック」と「ミクシィ」の違いはなんだと思いますか?

友佳:「フェイスブック」でも「ミクシィ」と同じように自由に投稿することができるのですが、「ミクシィ」だとかなり頻繁につぶやきを投稿する人が多いように感じます。また、「フェイスブック」では海外の友人などとも交流ができますが、「ミクシィ」は基本的に日本の中にとどまってしまうのではないかと思います。

菜子:私が思う、「フェイスブック」とその他のサイトの違いは、「フェイスブック」は本名でやっているのでその人を特定しやすいけれど、他のサイトはサイトの中で自分で名前を決めるので本当にその人が自分で名乗っているのかというのが分かりにくいということです。例えば女子高生と名乗っている人がほんとに女子高生なのかとかが分からない。だから私はフェイスブックを利用しています。

友佳:はじめは「フェイスブック」で本名を公開することに抵抗があったのですが、今は親も納得して利用しています。「フェイスブック」では、未成年の利用者は友だちの友だち以外の人には詳しい情報が公開されないようになっているので、その点は比較的安全だと思います。

■メールよりツイッター
司会:次にソーシャルネットワークの良い点について聞きたいと思います。

美穂:「フェイスブック」の良い点は、写真をたくさん載せられるので、学校行事の写真などをクラスの友だちとすぐに共有できることです。

真結:私は外国にも友だちがいるのですが、そういう人たちとも「フェイスブック」では簡単に連絡を取ることができます。

夕莉:「モバゲータウン」はすぐにニュースとかがアップされるので、塾に行っていてニュースが見られない日でもその日のニュースが分かります。

美穂:「ツイッター」や「ミクシィ」だと24時間友だちとつながれるので、最近は部活の連絡や遊ぶ日程とかもそこで決めたりします。メールよりもアップロードも早いので便利だと思います。

■利便性の裏にはリスクも
司会:次に、ソーシャルネットワークについて、自分や友だちの怖かった体験談やトラブルなど、問題点があればあげてください。

美穂:「ツイッター」では「拡散」っといって、一人の人がつぶやいたことを他人にリツイートしてもらって広めてもらうことができるのですが、最近その拡散で「ライブのチケットが余ってるのでいくらで譲ります」っていうのがすごく多い。友だちが実際に連絡をとって銀行の振り込みまでしたのに、実は詐欺で結局チケットが送られてこなかったっていうことがあって、ネット上の取引は危ないなと思いました。

真結:さっき「フェイスブック」の利点として写真を掲げることができるというのが言われていましたが、逆にその写真によって個人情報が漏れてしまうという点は危ないと思います。

友佳:私はあえて「ミクシィ」を利用していないのですが、「ミクシィ」を利用している友だちはかなり時間を取られてしまっている人が多いようなので、のめりこんでしまう危険性があるのかなと思います。

真結:私の学校ではないんですが、口では実際に言えなくても「フェイスブック」内ですごい悪口を言われて、いじめにあってしまった子もいるので、そういうのは危ないと思います。

美穂:アカウントがメールアドレス一個につき一人一個しか作れない「ミクシィ」と違って、「ツイッター」だと何個も作れちゃう。複数持っている人もたくさんいるので、個人が誰だか特定しにくくて危ないなと思います。

菜子:私の友人の話なんですが、サイト内で仲良くなった男性と二人で会ってしまい危ない目に遇いかけたり、またサイト内で仲良くなった大人の男性が管理している「ブログ」に入ったら勝手に出会い系サイトに入っていて、架空請求まできたっていう子がいます。

司会:年齢やプロフィ-ルを詐称して利用している人も世の中にはいると思いますが、その見極めを皆さんどうしていますか?

友佳:私は実際に会ったことのある人としか関わらないようにしているので、年齢や性別を詐称して利用している人とは関わることはないと思います。

菜子:私は基本的には友人としかサイト内での友だちにはなりませんが、仮に知らない人からリクエストが来たとしても、そのリクエストが来た人の友人を見て判断するようにしています。

■個人情報は挙げない
司会:他に、利用するうえで、気をつけるべき点はなんだと思いますか?

美穂:「ツイッター」など誰でも見られるところには自分の写真を載せないっていうこと。名前が載っていなくても写真があがっていたら、けっこう誰だか特定しやすくなってしまうので、写真はあげないっていうのは大事だと思います。

真結:私も写真だけではなく、個人情報、例えば住所とかそういうものは友だち宛てに書くのでも、フェイスブックとかネット上に書くのは良くないと思います。

夕莉:私もどんなに知らない人と仲良くなったとしても、メールアドレスとか電話番号は絶対載せないようにした方がいいと思います。

友佳:私は携帯で利用せずに、パソコンだけで使うようにしています。「パケ放題」などにも入っていないので携帯の利用料金がかかってしまううえ、親に見られずにできてしまうので、ついやりすぎてしまう危険性が高いと思うからです。

■問題点を理解して利用する
司会:では皆さんは、ソーシャルネットワークを利用すること自体はいいと思いますか? 悪いと思いますか?

夕莉;利用することはいいと思います。「モバゲータウン」とかで情報をすぐに仕入れてみたり、みんなでメールをまわしたりいろいろとできるので、そういうのは必要だと思います。

真結:私も使うのはいいと思います。でも危ないことがすごく多いので、私は「フェイスブック」を利用する時はアップできる内容を友だち限定にしたり、投稿する前に親に見せたりなどしながら安全を確保しています。

友佳:私も利用することはいいと思います。ただ時間を決めて使うことや、知らない人とはネットを通じて知り合いにならないなどのルールを決めるといいと思います。

菜子:私も利用すること自体はいいと思います。今出たように実際に友だちとつながる手段としてはいいサイトだと思うので、さっき出た問題点などを頭に入れて、そういうことがあるというのを肝に命じながら使えば正しく使えるかなと思います。

■保護者や学校の先生は?
司会:保護者の方や学校の先生たちは、ソーシャルネットワークに書き込んでいることを知っていますか?

美穂:知らないと思います。「フェイスブック」と「マイスペース」はパソコンのメールアドレスでアカウントを取ったので、やっていることは知っていると思うんですけど、「ツイッター」と「ミクシィ」は携帯でやっているので何を書いているかも知らないと思います。

夕莉:私はお母さんに言っているので知っています。

真結:私もお母さんとお父さんの両方知っています。

菜子:母親は使っていること自体は知っていますが、書いている内容については知らないこともあると思います。

司会:保護者は学校の先生たちは、先ほどあげたソーシャルネットワークの問題点について、どういうふうに指導していますか?

美穂:両親は危険性を知っているので、あまり利用しない方がいいと思っているようです。でも私の場合相手が海外の友だちが多いので、海外で知らない子と友人になったりはしないという理由で、いくらかは安心していると思います。学校は、別の会社にお願いしてミクシィで生徒のことを検索して、そこで規則違反があれば注意をするというような話もよく聞くので、結構気にしてると思います。

真結:私の親はすごく警戒しているので、親の方の「フェイスブック」のアカウントでは自分の写真あげたりしないぐらい、かなり厳重に使っています。学校では先生たちもアカウントを持っていたりするので、ソーシャルネットワークを利用することをいいと思っている人たちもいると思います。

夕莉:私の両親はあまりそういう話をしないので、警戒はしていないと思います。学校は、情報の授業でそういう掲示板にアドレスとか住所を載せないっていうことは教えられたので、やっぱり警戒しているんだと思います。

友佳:学校では特にソーシャルネットワークに対する注意などはなく、むしろフェイスブックのアカウントを持って生徒と友だちになっている先生もいて、認めている方だと思います。

菜子:私の母はソーシャルネットワークについて怖い面も知っているので、そういうのには気をつけなさいと言います。学校は規制をしているんですが、その規制が実際に働いているかは少し疑問が残ります。

■大人達は本当の怖さを知らない
司会:大人の人たちは、私たちが抱えるソーシャルネットワークの怖い面などの問題点を本当に知っていると思いますか?

菜子:ある程度は知っていると思うけれど、本当に怖いことなどは知らないと思います。やはり、大人たちが想像している以上にソーシャルネットワークでの問題は多いと思うし、実際に体験した人から聞いた私たちの方が、その恐怖さは知っていると思います。

真結:私も、大人たちはすべてその怖さを知っているわけではないと思います。ですがやっぱり大人なので、私たちよりは長く生きている分、いろいろな話など体験談なども知っていると思うので、そういう話もちゃんと聞くことが今の私たちにとっても大切だと思います。

■年齢とともに変化する?
司会:年齢があがるにつれて、利用するソーシャルネットワークに変化は出ますか?

美穂:私はけっこう変化がありました。小学生の時は「マイスペース」とか「フェイスブック」とかパソコンで使うものが主だったんですけど、中学で「ツイッター」、高校生で「ミクシィ」を始めてからは携帯で使うものが多くなりました。持ち運びができるし、日本の友だちだと「ツイッター」や「ミクシィ」の方が利用者が多いので、そっちの使用率があがりました。

真結:私は年齢よりも使っている仲間とかの移動で左右されると思います。「フェイスブック」で何々したよって書いても、誰も返事してくれなかったら絶対使わないし、逆にみんなが「ツイッター」などを大人になって使い始めたら、そっちの方にいくと思います。

菜子:私は今「フェイスブック」を使っていますが、おそらく今後も「フェイスブック」以外は使わないと思います。その理由としては、やはり本名じゃない名前でやっている他のサイトには抵抗があるからです。

■今後も拡がるソーシャルネットワーク
司会:ソーシャルネットワークの世界は今後どういうふうに進化していくと思いますか?

美穂:これからは無料でビデオ電話やチャットができるスカイプのようなツールがもっと増えて、インターネットを通して無料で世界中とつながることができるようになると思います。

真結:世界はこれからどんどんグローバル化していくと思うし、私たちも大きくなったら世界に出て行くようになると思うので、遠く離れていてもつながるインターネットとソーシャルネットワークはもっと利用者が増えていくと思います。

夕莉:今の大人の人たちは携帯を使い慣れていないので、あまり使用していないかもしれませんが、これから私たちが大人になるにつれて利用者も増えるだろうし、仕事でも使われることが多くなると思います。

友佳:私も、ソーシャルネットワークを利用する人の数は、今後ますます増えていくと思います。今「ツイッター」などが犯罪などに利用されるということが少しずつ起きていると思うのですが、今後利用者が増えるにつれて、それがより大きな問題になってくる可能性があると思うので、その部分をしっかり考えていかなければならないと思います。

菜子:最近は小学生がソーシャルネットワークを通して犯罪に巻き込まれるという事件も増えているので、今後は中高生のみならず、もっと下の小学生のプライバシー管理も力を入れていかないと、どんどん被害者が増えていってしまうのも問題だと思います。                                   以上

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座談会

ネットの便利さ

 インターネットは便利である。子どもたちの生活や学校に定着し、その利用範囲はネット技術の進歩に比例して急速に拡大しつつある。ネットの便利さの裏にはリスクと責任が伴うことを子どもたちがはどこまで実感しているのか、4人が座談会で語った。


井上麻衣(18)、曽木颯太朗(17)、平吹萌(17) 、藤原沙来(18 司会)
2009/01/10

■子供のネット活用法
沙来: みなさんはどんな時にネットを使いますか?
?
麻衣: 何か調べて情報を得る時に利用します。

萌:  友だちのブログなどを見る時に利用します。

颯太朗:僕は本を買う時に、たまに使うことがあります。

沙来: 情報をそのまま鵜呑みにしてしまう?それとも自分の基準を持っていますか?

萌:  私はどちらかというと鵜呑みにして、そのまま友だちや親に
「こんなこと書いてあったよ」って伝えてしまいがちです。

颯太朗:新聞社のサイトはそのまま見るのですが、他のブログなどに書いてある
ことは、いくつか見比べて内容を確かめます。

沙来: ネットで一番便利な点はどこですか?

麻衣: 情報がいち早くその場でわかることです。

萌:  フィギュアスケート競技をテレビで観ているとイライラするけれど
ネットで検索すると結果が出ている、そういう便利さがある。

麻衣: 誰でもその情報を見られるから「情報の共有化」ができる。

颯太朗:僕も同じです。インターネットでは、新聞やテレビではわかりにくいこと、
つまり、みんながどのようにこの品物を考えているかすぐわかる。

■リスクへの意識
沙来: 逆にネットの危険性を考えたことはありますか? 匿名のブログとか、
    お金の振り込みだけだったりすることもあるわけですが・・。

麻衣: ネットの危険性は、情報がすぐ得られる分、何が本当かがわかりにくい部分が
ある。誰がしゃべっているのか分らないので判断基準が難しい。
アダルトサイトも誰でも見られるので教育に良くない。

萌:  匿名で、しかも本人の知らないところで誹謗中傷できる点は危険だと思います。

颯太朗:誰でもどこでも見られるので、まちがった情報が世の中の隅から隅まで
広まることもあるし、個人情報も一度広まったらなかなか収拾が
つけられないと考えてしまいます。

沙来: いま出てきた危険性に、みんなは何か対応していますか?

麻衣: 誰かを中傷したり、そういうことは書き込まないとか、
当たり前のルールは守っています。

萌:  なるべく見るだけで書き込みはしません。自分の情報を書き込む掲示板も
作りません。

沙来: 自分でブログを作ったりはしてない?

萌:  プロフも作らない。

■宿題もコピペで?
沙来: 学校生活では、どんな時にネットを使いますか?

麻衣: 課題が出て調べる時に、図書館へ行くよりも家のパソコンですぐできるので
情報を得るのはそっちになってしまいます。

萌:  情報の授業でインターネットを使うので、学校でおもしろいサイトを見つけたら  
家に帰ってそのサイトを見てみたり・・。

颯太朗:僕は情報の授業もないので、学校生活と関わる点ではあまりないです。

沙来: 授業の課題にネットのものをそのまま使っていいのかという問題が
があるけれど、実際にやったことはありますか?

麻衣: 例えば「この人について調べなさい」という課題には、
その人の本を探したり、関係する情報はどこで得られるかを調べるために
使うので、年表などをそのまま使ったりすることはないです。

萌:  ウィキペディアで見て、それを基準にその人の情報をまとめています。

沙来: それはコピー&ペーストでなくて、自分の言葉で書き換える感じですか?

萌:  書かれていることを自分でメモする感じ。

沙来: 颯太朗くんは学校の友だちでコピペをしている生徒はいますか?

颯太朗:インターネットからはないですね。僕もすごく知ってるわけでもないんですが。

沙来: 逆にどこがコピペの利点だと思いますか?

麻衣: 短い時間でものができあがることと、自分で考えないので考える時間を他のこと
に使えたりする。

沙来: 逆にコピーペーストすることで私たちにとって何かマイナスな点は?

颯太朗:自分でまったく勉強になってない。

麻衣: 全然自分の頭を使わないから調べても入って来ない。自分のためにならない。

萌:  私は、著作権に関わったりすると悪いということを知らずに
当たり前にそれでいいことのように使ってしまっている。

■時間節約か、自分の思考訓練か
沙来: ネガティブな点も出てきましたね。最近あったTV番組で知ったのだけれど、
    読書の感想文をネットにアップしてる大人の方がいました。
    その人は「子どもたちにネットの感想文をそのまま写させることで自由な時間が
    できるから子どもは遊べる。子どもにとって成長できるいい機会を与えられるか
    ら感想文に時間を割く必要はない」と考えておられたのだけれど、どう思いますか?

麻衣: 確かに考える時間が減って遊ぶ時間がもっと使えるかもしれないけれど、 
若い時に書く練習も必要だと思うから、遊びだけが小さい時にすることじゃない
と思う。勉強する時はする、遊ぶ時は遊ぶ、でやれば別に問題はないと思います。

萌:  一人のものをみんながコピーしてしまうと同じものになって、
その人独自の考え方がわからなくなる。同じものばかりになる気がします。

颯太朗:おそらくその人は読書感想文がつまらなくて時間の無駄だと、僕もそう思うんで
すけれど、まがりなりにも宿題として出ているのだから、そこは手を抜かないで
ちゃんとやらないといけないと思います。

沙来: 逆に遊ぶ時間を沢山与えることで、何かいいこともあると思いますか? 
それと宿題は自分でやるべきだとみんな思いますか?

颯太朗:日本の子どもは、ただでさえ勉強時間が世界の中でも少ない方なのに、 
もっと遊ぶ必要はないのではないかと思います。

沙来: 遊びではなくても、宿題のかわりに自分の興味のある星座を見るとか、 
自分が興味のあることを極められる利点があるかもしれないね

萌:  限られた時間のなかでうまく時間を使う方法を学んだ方がいいと思う。

■時間節約か、自分の思考訓練か
沙来: 時間短縮のためにインターネットを使う現状と、ちゃんと宿題をやった方がいい
    と思うのは矛盾していますね。そのあたりは皆さんはどうしたいと思いますか。

麻衣: ある程度自分のなかで制御して、ここまではやっていいけど、ここからは
いけないという範囲があると思います。他人がしてくれたものを写して自分が
やりましたと提出して、それで満足しているのは私にはできない。
インターネットはどこまでも何でもできてしまうから、そういう線引きが大事な  
んだと思います。

萌:  早く調べられるメリットを生かして、でもそれだけではなくて自分の頭で考えて、  
自分の書き方に変えてまとめ直す方がいい。

颯太朗:いくら時間短縮ができるといっても、勉強や宿題はしっかりと時間をかけて     やるべきであって、そこまで時間を短縮して遊ぶというのはよくないことです。

■利便性の裏にリスク
沙来: ではネットの危険性に焦点を当てていきます。
    ブログを見るのは匿名性があるかもしれないけど履歴が残ります。
    危険性は薄いけれどブログを見ることにリスクを感じていますか?

萌:  私は、例えば地元の子どもたちで最近連絡を取っていない人の近況を見るという
意味でブログを見ている。だからそれでリスクを考えたことはないです。

沙来: ただ見ているだけだから大丈夫だなって?

萌:  それが正直な実感。

沙来: それはどうにかしなければいけないという気持ちはありますか?

萌:  言われて今そうだなと思ったくらいです。

沙来: ネットの便利さばかりに頼っているという感じははありませんか?

麻衣: ほんとに頼ってるなと常に思う。リスクがあるのは感じていて、
アドレスも悪用されるかもしれないし、迷惑メールとかもあるし、
そういう意味ではリスクは感じても対応できていない部分があります。

萌:  私はさっきリスクを感じていないと言いましたが、去年、ある学校の裏サイトを見つけて、正直いい掲示板ではないのですが気になったので見てしまいました。その後で、友だちに「それはアクセス解析がついてるから、誰か見たかばれたら大変かも」と言われすごくあせって怖くなりました。
けっきょく私はアクセス解析のボタンを押して勝手に取っちゃって、
アクセス跡は消えたからいいかな、でも危なかったと思ったことはありま
した。よく考えると確かにリスクを感じるべきだと思います。

沙来: 颯太朗くんは本を買う時に個人情報を載せますね。それは大丈夫だと
信じて使っていますか?

颯太朗:そんなに頻繁に使うわけでもないので大丈夫かなと。

沙来: どうにかしなければいけないと思いますか?

颯太朗:いや、そのアクセス解析で向こうにわかってしまうのもあまり考えたことがなかったです。    

■向こう側で見られている
沙来: アクセスの跡を消去すればいいと思うかもしれないけど、今後手動でなく
    ハイテクなことになればもっと大きいリスクがあるわけだし・・・。

萌:  我が家でよく親に言われるのは「みんなが知っているサイト以外は使うな」。
それがすごく印象に残っているので、本を買う時もなるべく大手の有名な安心
できるところを活用する。ブログも見ないとまでは言えないけれども、
安全が保証されている人のものやサイト以外は見ないようにしている。

麻衣: 私はまだリスクにどう対応するか全然わからないんだけど、とりあえず
ヘンなことはしない。

沙来: ヘンなことって、書き込みとか?

麻衣: そうですね。自分が不快に思うことは自分もしないとか・・でも今後はリスクを 
考えないと。今ほんとうにネットだけでしか情報を得られなかったり、それだけ   
でしか生きていかれなくなる気がするからピンチを感じています。

颯太朗:向こうから見られるっていうのがどうもよくわからない。我が家は詳しい人間が 
皆無なので特にそういうことはしてないんですよ。

沙来: アクセス履歴に残ることを知らなくて、でもそれは仕方がないということ?

颯太朗:必要悪だと思う。

麻衣: リスク回避で私がしていることはその程度で、それだけではダメなことに
気がつきました。今後対応していきたいと思います。

■ネットなしの生活は不可能
沙来: 今まで出てきたのは、情報を得たり、ブログで友だちの情報を知るとか、
    時間節約ができるとか、ポジティブな点がたくさんあるんだけど、一方で
    リスクを考えないというのは、私だったらそれは矛盾点ですね。
    今後は自分で自分の情報を守ってリスクを避けないといけないと思う。
    大手のサイトを使ったり、必要最低限のネットを使ったりとか・・。
   
麻衣: 例えば情報を鵜呑みにするというのもリスクの一つであると思うし、それらを
    常に考えながら利用していかないといけないと思います。

萌:  インターネットやITというのは、もう今の時点で無くすことはできない。
すごく頼っているから無くすのではなく、どう向き合っていくかです。

颯太朗:インターネットを使う限り、どうやってもリスクは負うものだし、それを
無くしながら使うのは無理な話だと思う。なるべくリスクを負わないように、     これからも静かに平和に使っていきたいと思います。

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