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教育を受けるって当たり前?~カンボジアの学校を訪問して~

教育を受けるって当たり前? ~カンボジアの学校を訪問して~
2007/11/22              三崎 友衣奈(15)

 タイ、ラオス、ベトナムに囲まれたカンボジアは、年間を通して平均気温が36度。季節は5~11月の雨季と12~4月の乾季に分かれる。日本の蒸し暑い真夏の太陽の光を5倍くらい強くした暑さだ。

 カンボジアは1975年のポル・ポト政権によって知識人が虐殺されるという歴史を持つため、現在でも文字の読み書きができない人が多い。義務教育制度はあるものの、浸透していないという現状もある。そのなかで、カンボジアの子どもたちはどのような教育を受けているのだろうか。2007年3月27日~4月1日の間、 CE 記者としてカンボジアへ行くことになった。

 訪れたシェムリアップにはステファン・エリス小学校がある。しかし、そこに通うことができず、寺子屋で勉強している子どもたちもいる。その二つは、学ぶ内容にどのような違いがあるのだろうか、また、子どもたちの考え方はどう違うのだろうか。

チョンクニア村の水上寺子屋での授業

 ステファン・エリス小学校はシェムリアップ地方で唯一の公立の小学校。男子が212人、女子が211人いる。クラスは年齢ごとではなく、通学時間で判断されるため各クラスの年齢層はバラバラだ。

 教室には黒板があり、長い机が6つほど縦に並んでいる。ここでは、クメール語 ( 国語 ) や算数のほかに英語、コンピューターなども習う。皆とにかく勉強したいという意思が強い。また、「みんなと友達になれることが嬉しい」、「この学校でみんなと一緒に過ごせるのが誇り」など学校に通える喜びも大きいようだ。将来の夢も先生や医者など決まっている子どもが多い。

 しかし、カンボジアでは教師の暴力、家から遠すぎるなどの理由で学校へ行けなくなった子どもたちもいる。そのような場合、子どもたちだけでなく、残念に思っている親も多いため、日本ユネスコ協会連盟が設立した寺子屋の存在を知ってやって来る子どもたちのほとんどは公立の学校を経験している。

 トンレサップ湖にはチョンクニアという水上で生活する人々の村がある。村といっても湖の上であるため、人々は気に入った場所に長い木の枝を海底に刺して家を止めている。水上寺子屋はその村の中にある。

 この寺子屋は2006年の9月にできたばかり。3つの教室があり、1つは保育園、もう1つは図書室、3つ目が授業を受ける場所だ。ここでは、文字を読めない人に対して主に読み書きを教えている。識字を通して日常の暮らしに必要な衛生についての知識も教えている。年齢は12~53歳と幅広い。

 皆勉強がしたくてたまらない様子だった。しかし、水上であるためにボートを親が使っていたり、ボートがないなどの理由で来られなかったりする人もいる。

湖から少し離れた陸地にある寺子屋では夜の識字教室が開かれていた。この寺子屋は床と屋根と柱だけで、窓もない。そこに長机と椅子が置いてある。民家の離れを無償で使わせてもらっているのだ。

 ここでも子どもたちは大きな声で先生の言ったことを復唱し、我先にと手を上げて問いに対する回答を薄板に書きたがっていた。

 子どもたちの意欲とは裏腹に、寺子屋には大きな問題点がある。それは、寺子屋を修了してから公立の学校に行くことは難しいということだ。カンボジアでは 13 歳未満でないと寺子屋から公立の学校に行くことができない。家が貧しいため遅くになってからしか教育が受けられない子どもが多いので、年齢をオーバーしていることがほとんどなのだ。そのため、寺子屋を修了してからは行く学校もなく、また元の仕事をする毎日に戻ってしまう子どもが多い。

 ステファン・エリス小学校から中学校に進級できるのは全体の 50 ~ 60 %という割合に比べ、やはり寺子屋は大きなハンデがある。

 それでも「寺子屋でもらったテキストを毎日復習して忘れないようにする」、「ここで学んだ識字を活かし、将来良い職につきたい」と言う子どもたちは実にたくましい。  

 何とかしてちゃんとした職に就きたいと、片道歩いて2時間もかけて勉強をしに学校や寺子屋へ行くカンボジアの子ども。恵まれすぎた環境にある私たちは、学校に行けて当たり前、勉強できて当たり前。そんな中で勉強は嫌いという人が多い 。

 日本では公立なら徒歩数十分で通える学校、広い校舎、立派な教室、机、黒板が当たり前。こうした「当たり前」が「勉強嫌い」「面倒くさい」を生み出しているのではないだろうか。もう一度この恵まれた環境に感謝し、その環境にいる私たちだからこそできることを考えてみるいい機会だった。

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社会 国際

全然違う!日本と海外の学校

全然違う!日本と海外の学校
2007/11/10                 椎原 伶香(10)

 私は生まれた時からずっと海外に住んでいた。 10 歳で日本に帰国したとき、日本の学校と現地の学校の違いに興味を持ち、調べることにした。

 私が住んでいたシンガポールと友達が住んでいたアメリカの給食と運動会の違いを比べてみた。私が通っていた学校も、友達が通っていた学校も現地の公立校だ。

 アメリカもシンガポールも休み時間にお弁当を持ってきて食べてもいいし、買ってもいい。休み時間は学年によって違う。アメリカの学校はほとんどの人がカードで買っていて、お金で買う人もいる。そして売っている物は曜日によって違う。

 シンガポールの学校は、中国人、マレー人、インド人、がいるので給食のメニューは、マレー料理、インド料理、中華料理、そしてスナック菓子もあって、自動販売機もあった。コンビニみたいにペットボトルのジュースも売っていて、それは必ず 1 ドル以下だ。文房具や本も売っていた。

 シンガポールにいた時は、お茶を持って行っていたし、その他はほとんどお金で買っていたので、日本に来てお茶もお金も持っていけないことを知って、とてもびっくりした。日本の給食のように一緒に同じものをみんなで食べるのより、シンガポールやアメリカみたいにいろんな物を食べられる方が絶対いいと思う。

 次は運動会のことを比べてみた。アメリカには運動会はないそうだ。シンガポールの運動会は、ドッジボールとかけっこぐらいしかない簡単な運動会だ。日本は休日にあり、親も来るし全体競技もあり、まるでお祭みたいだ。

 他の国々はどうだろう?調べてみると、カナダにはなかった。オーストラリアはシンガポールとほとんど同じだ。

 運動会の事を調べてみて、海外には日本と全然違う所がたくさんあることに気付いた。運動会がない国があるのを知ってとても驚いた。私の個人の考えは運動会があったほうがいいと思う。なぜなら年に一度どこの国でもスポーツフェスティバルがあると楽しいからだ。

 運動会と給食のことを調べてみると、国によって色々違う所があり、とても驚いたし、興味深く感じた。その違いが生まれるのは、国々の文化が現れているからだと思う。色々な文化を感じることができて、今回調べた国と違う国についても、もっと知りたいと思った。これからも、他の国々と日本との違いについて考えていきたいと思う。

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政治

成人年齢の引き下げさらに、18歳選挙権の実施の実現に向けて

衆議院第2議員会館で枝野幸男衆議院議員へ取材

2007/11/06           藤原 沙来(17)

 現在、世界のほとんどの国が国民投票権所有者の対象年齢を 18 歳に定めているなか、日本でも対象者の年齢を 18 歳に下げる動きが始まっている。これからの日本の国民投票権所有者の対象年齢はいったいどうなっていってしまうのだろうか。

 18 歳に国民投票権所有者の対象年齢を引き下げるにあたって、多くの問題点も指摘されている。一つ目は大半の人が現在は高校に行き卒業したすぐ後に急に社会の一員として義務を負えるかだ。投票権を所有するということは同時に義務を負おうことであり、義務が果たせない人に権利を与えていいのかということだ。卒業後、 2 年間身をもって社会に関わり政治を知った後に選挙権を与えたほうが有効的ではないか。二つ目は、きちんと自分の意見を持ち、投票することができるかということ。しっかり意見を持ち投票している人とそうでない人の間では一票の重みが違ってきてしまうのではないだろうか。三つ目は喫煙や飲酒といった現在年齢の規定を 20 歳またはそれ以上に現在定めているものはどうなるのだろうか。また、もし万が一これらの規定の対象年齢を一度下げるとどんどん対象年齢が低くなってしまうのではないだろうか。

 私たちチルドレンズ・エクスプレスはこの問題に対して的場順三副官房長官と民主党の枝野幸男議員に取材した。現在、日本は若者の政治についての関心度がとても低く、また年代別に見ても 20 代の投票率は最も低い。 18 歳に引き下げる折にはどのように若者の政治についての関心度を高め、また投票率の向上を図っていくのだろうか。的場官房長官に 18 歳に年齢を引き下げてからの学校で行う政治に対する教育について変化はあるのかを質問したところ、「国が積極的に学校で投票についてもっと詳しく教育するようにこれからなるだろう」と語った。国が率先して政治に力を入れて教育を行うことは、これからの未来の日本にとっても心強いものだと感じた。国がもっと積極的に投票に関する教育をすることで若者が政治に対する自分の意見をしっかりと考え持ち社会に出ていくようになることが期待できると思う。

 また、 18 歳の若者がしっかり意見を持ち、考えて投票ができるかという問題について枝野議員に質問したところ「大人だってしっかりと考えて投票しているかわからないので、若者だからといって卑下することはない」と語った。ならば、なおさら少しでもしっかりと考えて投票する若者が増えるように政治に関心を持てるようなきっかけと社会に出てすぐ選挙ができるように十分な知識が必要だと感じた。

 この国民投票権所有者の対象年齢引き下げに伴い、喫煙や飲酒などの対象年齢はどうなるのだろうか。喫煙や飲酒の対象年齢は引き下げても何もメリットはないと感じられる。的場副官房長官や枝野議員はこれについて、一つ一つ対象年齢を引き下げるかどうかは慎重に検討していくと語った。メリットのあるものは積極的に規定を変更し、デメリットが出るものは変更しないそうだ。もし、喫煙や飲酒などといった規定の対象年齢が国民投票所有権対象年齢引き下げと同時に 18 歳に引き下げると、数年後さらに対象年齢が下がる気がして少し不安も感じる。

 実際に国民投票所有権の対象年齢が引き下がるかはまだわからないが、もっと多くの若者がこのことを機に、政治に興味を持ち積極的に社会に関わっていけるようになればよいと思う。そして、 18 歳になった人がすぐに社会に積極的に関われるように国がしっかりと教育をしてくれることを期待したい。



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国民投票法が2007年衆議院参議院で可決され、5月18日に公布された。この法律によると18才以上が投票権者となる。 いずれ国政選挙の投票も18才以上になるかもしれない、ということを前提に10代の若者が話し合った。 

https://cenews-japan.org/index.php/2007/08/16/565/
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