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Hope+Copenhagen

Hope+Copenhagen
                               富沢 咲天(14)

 コペンハーゲンの市庁舎広場の中央には巨大な地球儀がある。そこでは「Hopenhagen」というイベントが開催していた。周りにはたくさんのブースが並んでおり、それぞれで環境に関係する取り組みを紹介している。さっそくHopeにあふれた取り組みを取材した。
 最初に入ったブースには、タイヤがとても細い自転車が2台飾られていた。「これが僕の自転車だよ」と紫の自転車をさしてデンマーク人のTau Kallehaveさんが説明してくれた。 「自転車はコペンハーゲンの人たちにとって、車より早く移動できるしエコだからとても大事なんだ。それにコペンハーゲンは平らな土地だから自転車に最高な場所なんだよ」と嬉しそうに話してくれた。たしかにこの街を歩いていて坂が1つもないのに気がついた。自転車専用道路がちゃんと整備されていて、車を持たなくても生活ができるようになっている。ブースの前にもたくさんの自転車が通り過ぎて行く。クリスチャニアバイクという、子供を乗せる荷台のついた三輪自転車もよく見かけた。ちらちらと雪が降っている寒い氷点下でも子供たちは当然のように自転車の前カゴに乗っていた。日本のお母さんがママチャリで子供を乗せて走るよりずっと安全で、カバーがあるから風雨でも大丈夫だ。

 次に行ったブースは展示室。そこで私が目をとめたのは青と黄色のラインが入っているかわいい電気自動車。前から見るとPOLICEと書いてある。説明を読むと、このパトカーは2012年に開かれるロンドンオリンピックの警備で使われるそうだ。だんだんオリンピックも環境を意識しはじめていて、初めての環境オリンピックと言われているロンドンオリンピックが楽しみだ。
 向かい側のブースでは、とてもおしゃれなクリスマスの雰囲気の看板を見かけた。デンマーク語でなんて書いてあるかはよく分からなかったが、おそらく「Shaneのリサイクルおもちゃ」と書いてあるのだろう。中に入るとまるでおもちゃの国。部屋中がかわいらしい手作りおもちゃでいっぱいだ。そこにいた担当の人の話によると、このおもちゃはすべてShaneさんが作ったものだそうだ。Shaneさんはいらなくなったものを、みんなが喜ぶものに変えてしまうリサイクルの達人のようだ。新しい命をもらった作品はどれもすばらしく、生き生きとしているように見えた。
ブースの外に出ると子供たちが高い声でキャーキャー楽しそうに叫んでいるのが聞こえた。クリスマスシーズンなので人力発電ツリーだ。自転車をこいで発電し、クリスマスツリーのイルミネーションを光らせる仕組みになっている。私たちもさっそくやってみた。氷のように冷たい外でも、ペダルをこいだら体はポカポカ、ツリーはピカピカ。発電にまで自転車が登場するとは、デンマーク人は本当に自転車が好きなのだろう。

  コペンハーゲンに滞在中、この国の人たちの温暖化防止のためのさまざまな取り組みを見聞きした。そして日本で温暖化防止のために、個人で、企業で、社会で何ができるかを取材してきたことを思い出した。デンマークも日本もそれぞれの国が、その国の気候・社会にあったCO2削減に一生懸命取り組んでいる。COP15の会議では残念ながら法的拘束力のある新たな議定書の採択はできなかったが、義務や罰則がなくても世界はCO2削減の努力をこれからも続けるだろう。環境先進国のCO2削減の技術が新興国や途上国にも広がり世界が協力し合えば、Hopearth、きっと地球温暖化は防止できるはずだ。

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