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イラン出身のハニア・アスガリ(34)さんにインタビュー

村上 類(15)

村上類(15)記者は、2014年7月14日から27日まで南カリフォルニアのアリソ・ビエホで開かれた第9回国際青少年メディア・サミットに参加した。そこで7つの課題の一つの「環境」グループに参加し、グループのアドバイザーであるハニアさんに出会った。村上記者にとってはイラン人に会って話をしたのは初めてのことで、様々なイラン事情をインタビューで聞いてみた。

Q. どのようなお仕事に就いていますか?
A. こどものメディア専門家で、フリーランスのメディア研究家・教育者として働いています。また、私が主宰している「ユナイテッド・ドリーム」というセンターでこどもの問題、とりわけこどものメディア問題に取り組んでいます。

Q. なぜそのお仕事に就いているのですか?
A. 私たちは21世紀に生きており、この時代はメディアが大きな役割を果たしていると思うからです。この分野で、とくにこどもや若者たちと仕事をすることはとても大切ですし、興味もあるからです。メディアは貴方たち若者に新鮮さと活力を感じさせるだけでなく、こどもたちがメディア・リテラシー(メディアの活用能力)を得るための基盤を与えます。ご存知のように最近はリテラシー(識字能力)には読み書きの能力だけに限りません。

Q. 貴女の宗教は何ですか?

  1. 私はイスラム教徒です。

Q. イランについて貴女が好きなところは何ですか?
A. イラン(旧ペルシャ)には偉大な文化があります。私たちの文化は紀元前3000年にまでさかのぼりますし、私はそれを誇りに思っています。

Q. イランにはどういう問題があると思いますか?
A. イランには多くの問題がありますが、主な問題はイランが世界の一部の地域から孤立していることです。イランは世界に門戸を開き、世界は私たちに対して門戸を開くべきだと思います。もしそれぞれの国が平和に暮らしたいと望むのであれば、自らの信念をもって心から他の国々を尊重しなければいけないと思います。政治的見解とは切り離すべきです。他の信仰や考えを受け入れるために私たちの門戸を開き、共に平和に生きる方法について他の意見に耳を傾けるべきです。いかなる敵対心も取り除くべきです。

Q. ソーシャルメディアはどのような影響がありますか?
A. 私がプレゼンテーションでお話ししたように、ソーシャルメディアは私たちの生活で最も大切です。ご存知のように今の人々を見ていると、個人生活、仕事場、そして余暇のときでも、みんなソーシャルメディアに深く関わっています。ソーシャルメディアが酸素のようになれば、大きな影響力をもつでしょう。私たちはソーシャルメディア無しには生きられません。ですから私たちは適切な方法でソーシャルメディアを使って知識を増やすべきです。

Q. イランでは小学校から高等学校までに共学の学校はありますか?
A. 幼稚園は共学です。小学校から高等学校までは完全に男女別学ですが、同じカリキュラムを学びます。小学校は6歳から始まり高等学校は18歳で卒業です。大学は共学です。

Q. 貴女はイランの大学に行きましたか?

  1. はい、行きました。イランで修士号の学位を取得しました。イランでは鉱山学のように実践的で難しい学部がありますが、大多数は男子学生が専攻しています。

Q. 大学院での専攻は何ですか?
A. コミュニケーション、メディア研究です。

Q. なぜコミュニケーションを選択されたのですか?

  1. 私はコミュニケーションが本当に好きなのです。前にもお話ししたように、私たちはメ

ディアの時代に生きているので、いつでもどこでもメディアに関わっていますから。
私たちはメディアからメッセージ攻めに遭っていますし、私たち自身が試練を乗り越えるためにメディアをつくることもできます。これは私にはとても興味があります。コミュニケーションは、実際には心理学、人間科学、法律、政治、国際関係のような他の自然科学をすべて含んだような専攻科目だからです。

Q. イランには女子大学がありますか?
A. はい、あります。非常に優れた教授陣をもつ有名な女子大学です。でも私は共学の大学に行きました。

Q. 貴女はイランの教育に満足していますか?
A. 正直言って満足していません。規則が厳し過ぎるからです。勉強する量もとても多いのです。私は教育とはただ学校に行って勉強するだけだとは思っていません。教育とは学校へ行って様々な活動をして、様々な技能(スキル)を習得することです。貴方たちは社会的活動が求められています。イラン人は教育水準が高いですが、私たちは他の側面にも目を向けなければいけないと考えています。

Q. イランでは政府がソーシャルメディアを規制していると思いますか?
A. はい、そう思います。イランには国営テレビ局とラジオ局しかありません。民間の放送局はありません。新聞社には民間企業がありますが、完全に政府の管理下におかれています。インターネットにはフィルタリング(監視チェック)がかけられています。

最後に、イラン人の日本人に対する印象について言わせてください。
イラン人は日本人を尊敬しています。日本は第二次世界大戦で完全に破壊されたのに、戦後の日本人は自分たちの国を再建するために団結して一生懸命働いたからです。日本人はとても礼儀正しいですし、イラン人は日本人を高く評価しています。貴方たち日本人は世界の手本(モデル)になるべきです。

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