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座談会

中高生の化粧

神代の昔から化粧は存在するが2010 年、東京の中高生はそれぞれの判断基準で化粧を楽しむ。校則は?親の目は?気になる世代が、気になるテーマを討論した。保護者も教師も必読の本音トーク

参加記者 富沢咲天(国立中学3年)、谷 彩霞(私立中学3年) 、南雲満友(私立高校1年)、宮澤 結(私立高校2年)
氏会  堀 友紀(私立高校2年)
2010/10/31

友紀:私の学校では半分以上のクラスメイトが化粧をしていて、放課後の駅のトイレでは多くの高校生が化粧をするのが目につきます。皆さんの学校では、どれくらいの生徒が化粧をして登校していますか。

咲天:私の学校に化粧を禁止する規則はありませんが、学校は学ぶ場だから、化粧をしている人はほとんどいません。

結 :校則で禁止されているので化粧をしてくる人は全くいません。でもアイプチなどで目を二重にする人が多くなって、学校でもそれを許すかどうか問題になっています。

満友:私の学校はとても校則が厳しく化粧をしてはいけません。月に一回、先生がチェックします。

彩霞:私の学校もすごく厳しいんですけど、たまに放課後のバスの中でつけまつ毛付をする人はいます。

●リップ、マスカラ、アイプチ・・・

結 :私は中 3 からつけまつ毛やマスカラなどに興味を持ちました。きっかけは雑誌の影響がありました。

満友:私も中 3 の頃から。雑誌やテレビの影響が強いです。

咲天:私は中 2 の頃です。周りの人がやっているので、やってみたいと思いました。

彩霞:中3の夏休みから。友だちがしているんで、してみようと思いました。

友紀: まわりの友だちは中2や中 3 の頃から興味を持ちだして、お母さんとかに化粧品のお店に連れて行ってもらったりして、今も続けているっていう子が多いです。どの程度の化粧をしますか?そして友だちはどの程度?

結 :放課後や友だちと遊ぶ時。 私はBBクリームと化粧下地から始めて、つけまつ毛やアイプチなどをしています。目が腫れてしまった時に二重にするためにしています。友だちも、する子もしない子もいるのですが、する子はつけまつ毛などはしないで、マスカラやアイシャドウなど薄い化粧をしています。

咲天:学校で色付きのリップはしますが、マスカラはしません。顔色が悪いのでちょっと健康に見せるためにやっているだけです。休日に友だちと遊ぶときにはマスカラなどをしています。たまにクマの下にファンデーションを塗ったりしています。友だちはマスカラとかリップはするんですが、つけまつ毛など、もとの顔がわからないほど、すごいケバくなるお化粧はしていません。

彩霞:登下校中はしませんが、やっぱり友だちと遊ぶ時の休日は化粧をします。マスカラとリップだけ。友だちも休日に化粧をするんですけど、そのときはマスカラやアイライン、アイシャドウも付けています。リップも必ず付けています。

満友:休日に友だちと遊ぶ時はグロスやマスカラなど。ファンデーションや BB クリームは肌が荒れるのでしません。友だちは休日にいっしょに遊ぶ時は、ファンデーションからマスカラからつけまつ毛まで全部やっています。それはたぶん学校が厳しいので、そういう時にやりたいんじゃないかなと思います。

友紀:私の学校は私立ですが自由な校風です。自分がやったことは自分で責任をとる学校なので、化粧する子は多いです。何にもしていない子は運動部をバリバリやっているか、本当に興味がない子だけです。昼休みのお手洗いでは、化粧直しをしている人が多くておどろきました。私は運動をすると汗で気になって逆に恥ずかしいので、化粧をしていません。

● Before & After

友紀:「今日時間がなかったの」と友達がすっぴんで学校に来ると本当に顔が違っていて、そのギャップにとてもびっくりして、化粧ってすごいなと思いました。担任の先生はいつも「高校生のうちが一番肌がきれいだし、化粧なんかしなくても一番きれいな時期なんだからしない方がいい」と言います。

ところで化粧を始めたきっかけは?

結 :雑誌に毎月メイクページという特集があって立ち読みする「ポップティーン」などの雑誌では化粧のページでビフォー・アフター(化粧前と化粧後)を両方載せているんです。その差が激しくて、別人のようになれるんだというのを最初に見た時、衝撃でした。「私もこういうふうに変われるのかな」とか思って始めました。最近では若い子向けの化粧品が多くて雑誌のモデルは中高生の憧れです。

彩霞:クラスに帰国子女が多いんですが、外国では小学生ぐらいからお化粧を始めるので、それが身についてしまったみたいです。

咲天:「このマスカラはすごくボリュームが出て、誰が誰だかわからなくなるくらいケバイからやめた方がいいよ」とか、「これはお勧めだよ」とか・・友達同士の話しで広がっていきます。

満友:友だちと憧れのモデルの写真を見て「かわいいね」って・・どんどんそのモデルの載っている雑誌を見て、メイクページを見て「こういうふうにするんだ」とみんなでやっています。

友紀:やっぱり雑誌に自分の好きなモデルがやっているメイクの方法を真似する子が多いみたいで、その雑誌のメイクページにはどこの会社の何を使っているっていうのがしっかり明記されているので、それを買いにいったりする子がよくいます。私の学校では“薄く少しやってかわいく見せる”というのが彼女たちのポリシーのようです。私のようにしていない子に「したら絶対かわいくなる」って言うんです。仲よしグループの子と遊びに行くとよく化粧コーナーに連れていかれます。仲間意識というのがあって、友だちの影響が大きいのかなって思います。

●なぜ化粧を?

結 :私はよくプリクラを撮るんですね。写真と同じようにプリクラでも目を加工してくれるんですけど、すっぴんよりも化粧した方がかわいく写るので、プリクラを撮るために化粧をするようになったことが大きいです。

満友:私もプリクラを撮るためなのですが、学校がすごく厳しいので、その反動で休日に始めました。

咲天:私はプリクラを撮ることもあるんですけど、普段学校ではしないので、気分転換に学校以外の場所でやっています。

彩霞:プリクラでかわいく写るために化粧をする子が多いんですけど、クラスの友だちで、学校では化粧をしていないので休日にしようかなっという子が多いですね。

友紀:男の子にもてて嬉しくない子はいないでしょう?ちょっとでもかわいく見せたい気持ちでしょうか。

●化粧をして変わった?

満友:気分転換ができたっていうのと、目が大きくなって、雑誌で見たビフォー・アフターみたいに自分がなったのがびっくりしました。

咲天:マスカラで目が強調されるのかな。ちょっと健康そうにみえる。一回始めると、化粧なしで外出できないなというのがちょっと大変です。

彩霞:私は気分転換が大きいです。目の下のクマがすごくて、よくファンデーションで隠したりするんですけど、それがいいかなと思います。

結 :夏休みはほとんど化粧をしていたんですが学校が始まる新学期の朝にすっぴんの自分を見て、“私こんな顔してたんだ”って驚いて・・・アイプチで一重から二重にしたり、自分のコンプレックスを変えることができるって嬉しいです。

友紀:友だちの顔を見ていると、やっぱりしている時としてない時ではほんとに違うって思うし、化粧してる時の方がかわいいし、きれいになっているなってすごく感じます。

●だれに見てもらいたい?

友紀:化粧をした顔を誰に見てもらいたいですか。例えばボーイフレンドに。

満友:中高生になって周囲のみんなを意識するようになって、女子校なのでクラスメイトにこういうふうに変わったんだよって見せたいなと思います。

彩霞:女子校なので、お化粧した姿を見せる男の子はいないんですが、でもまわりから「あ、かわいくなったね」と言われるとすごくうれしくなるんです。

結 :特に男の子に見てもらいたい意識はないんですけど、遊びのときに化粧をした方が自信が持てる。

友紀:クラスの子のことなんですけど、私が「いつもと違うね」と言っても、恥ずかしそうに「いや…」っていうような子もいれば、逆に気づいて欲しいって思う子もいるみたいです。やっぱり周囲の目を気にしていることをすごく感じます。

咲天:男女関係なく、そこまでお化粧なしとありで「えっこんなに違うの?」って私的には思われたくないので、まわりの人がそこまで気づかないように最低限にやっています。

●保護者は知っていますか?

彩霞:知っています。母に買ってもらったり、いっしょに使ったりします。

咲天:私の親は「マスカラはしない方がいいんじゃない? ビューラーだけでいいんじゃない?」って言うんです。化粧品は自分のお小遣いの中で買っています。

満友:いっしょに選んで母が買ってくれて使っています。「するしないは自由だけど、場所をちゃんと考えてしなさいよ」と言います。

結 :化粧品は自分で買うことが多いのですが、たまに母の化粧品を借りて使うこともあります。濃いメイクをしたりすると、「ちょっと濃いのでは」と注意されますが「時と場所をわきまえて化粧しなさい」とよく言われます。

友紀:私の家では化粧に賛成ではないので、そのままの顔でいてほしいっていうのがたぶん家では大きいので、冗談ですけれど、「もし高校 3 年間化粧をしなかったら何でも買ってあげる」っていうくらいです。文化祭で化粧をしなきゃいけない時があって朝したんですけど、時間もかかるし、それだったら他のことをしていたいので毎朝化粧をしている人を逆に尊敬します。

結 :この座談会のまえにインターネットで化粧の低年齢化について調べたんですが、掲示板には親世代から「派手なメイクをする時間があるなら勉強や部活に費やせ」という意見が多かったのが印象的でした。やはり中高生のうちに今できることをやる、優先順位をつけることが大切だと思うし、化粧したとしても時と場所をわきまえることが大切なんだなと思いました。

友紀:私の家がそうなんです。化粧の話をちょっとするだけで「あなたはそんなことより勉強しなさい」ってきっぱり言われるので私は「はい」って従っています。化粧品ってほんとに高いので、それだけの出費で他に費やすお金が無くなってしまう。

彩霞:私は外国に従姉妹がいるんです。彼女は学校が始まる 2 時間前に起きて 1 時間かけてお化粧をしているんですよ。叔母は「学校に行くのになぜそんなに化粧をしなくてはいけないのか疑問だ」って言っていました。

満友:夏に英国のサマースクールに行って、いろんな国からの中高生と寮生活をしました。男女共学だったので外国人の女子たちは朝早く起きて、寮のバスルームに集まってメイクして、髪の毛にワックス付けたり色々やって・・・ 日本では私の学校はダメなので、そういう文化がまわりにないから、「うわぁっすごいな!」ってびっくりしました。

● ” 化粧をしてもよい“学校だったら

満友:学校は学ぶ場所だからナチュラルなグロスとか、自分で考えて、ファンデーションもマスカラもせずにケバクないのにします。

結 :私もそうです。やはり学校は勉強する場所なので、遊ぶ時だけで化粧はいいと思っています。

彩霞:学校は学ぶ場所なのでグロスとかリップだけでいいと思います。

咲天:私の学校は化粧してはいけないルールはないんですけど、学校では体育の授業もあるし、昼休みに化粧をしている余裕もないし時間がもったいないし、親に別に言われてはいないけど、みんなで「学校はしていかない方がいいよね」っていっています。

友紀:私の学校は清楚な子が多くて、化粧はしてもケバクしないのが暗黙の了解です。でもその中にもやっぱり「ポップティーン」を読んでいる子は学校にはして来ないで、放課後にお手洗いなどに行くと、つけまつ毛をして、これからどっか出かけるのかなっていうような子はいます。

●TPO次第

咲天:化粧の低年齢化は別に悪いことではないんですけど、 TPO をわきまえているのかどうかが心配です。例えば学校とか大事な人の話を聞く重要な時にはお化粧をしないとかをちゃんと考えられるかどうかが重要だと思います。

結 :たまに電車の中で化粧をしている中高生などがいて、そういうのを見ると、見た人は不快に思うかもしれないし、そういうのは良くないと思います。私も TPO をわきまえることがすごく大切だと思います。

満友:私も通学に電車に乗るんですけど、中高校生がよくマスカラをしていて、周りの人にかかったりしたらすごく迷惑だし、マナー違反なのでTPO をわきまえてほしいと思います。

結 :高校生が毎日化粧をしていると、将来肌がボロボロになるということをインターネットで見ました。化粧をするのにも知識が必要だと思います。

友紀:中学生、高校生は一番肌がきれいな時期だし、そういう時にお化粧をするともったいないなというのが私の本音です。自己責任なので、やるやらないは自分の自由ですけど、化粧する場所と時間をきちんと考えてほしいと思います。

以上  

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