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座談会

電子辞書か紙の辞書か

学習や生活で辞書を引く必要性は今の昔も変わらないが、デジタル技術が一番得意とする分野が「検索」。私たちが親しんできた辞書にも革命がおきつつある。

出席者:飯沼茉莉子(13)、富沢咲天(14)、宮沢結(16)、勝部亜世満(17)、三崎令雄(18)三崎友衣奈(18)(司会)2009/11/01

友衣奈:みんなは学校や家でどちらの辞書を使っていますか、それはなぜかを聞かせてください。

咲天 :家では電子辞書を使っています。時間の節約のためです。

茉莉子:私は、家では電子辞書、学校では紙の辞書を使わされています。
    紙の辞書は調べることで「頭を使う」ので、というのがその理由だと思います。

亜世満:家でも学校でも電子辞書を使っています。
    学校で「紙の辞書を引いた方がいい」と言われますが、
    英和辞典とかは三冊持ってくればこれくらい(の量)になってしまうし、
    教科書もあるので辞書は学期始めに持ってきて大掃除の日に持って帰る感じです。

令雄 :電子辞書をいつも使います。他のことが知りたい時も思わぬ辞書が
    収録してあって便利です。

●昔からやっていることを大事に
友衣奈:「頭を使うから紙の辞書がいい」という発言がありましたが本当にそうだと思う? 

咲天 :思います。全てパソコンや電気に頼っていると頭を使わなくなって、
    いざという時にわからなくなる。例えば辞書が壊れたら紙の辞書を使うし、
    自分の子どもにも最初から「はい」って電子辞書を渡すわけじゃないので、
    そういう時に自分もできていないと困る。

友衣奈:引けなくなるのがこわい?

咲天 :はい。昔の人は電子辞書がなかったし、そういう面でも
    昔からやっていることを大切にしたい。

結  :私は学校では電子辞書、家で勉強する時は紙の辞書を使っています。
    学校で電子辞書を使うのは、授業中に先生が言った言葉をすぐに調べられるからです。家では、言葉を引いた時に
    (単語が)辞書のどこにあるかを「場所で」覚え、周りの言葉も見えるから紙の辞書も優れていると思います。

亜世満:紙の辞書にしかできない機能ってあると思います。
    例えば「広辞苑」には天皇家の系図とか、いろいろな図が載っていて、
    そういう面でも調べるのに役立っている。

●イカルガ(斑鳩)の声を出す辞書
友衣奈:では「紙」ではできず、電子辞書でできるものは例えば何ですか?

亜世満:最近の電子辞書ではセミの鳴き声や、身近な鳥ではない鳥の声も収録されていて
    音声でも学習することができるようになっています。

友衣奈:それはいいことだと思う?

亜世満:ウグイスなどは有名ですけど、イカルとかウソとかメジロの鳴き声は
    あまり聞けないでしょう。(辞書で)聞いておけば、例えば自分も最近まで
    ヒグラシやツクツクボウシの鳴き声も知らなくて・・・、
    それで実際に聞いてみた時に「あ、このセミだ」って。
    同じ鳴き声が実際に生で聞こえてきた時は感動を覚えますね。

●電子辞書にも書き込める
友衣奈:では電子辞書にできなくて、紙ができることは何かありますか?

茉莉子:紙の辞書は言葉を調べたあとにメモしておきたい時は
    メモに書いて辞書に貼ることができて自分のオリジナルにできるので、
    紙の辞書もいいと思います。

亜世満:でも最近の電子辞書にも漢字とかタッチペンで書く機能があって、
    それでメモをとったりすることもできるみたい。

友衣奈:そのページにメモするの?

亜世満:その項目に登録できる個数は6つとかに制限されてようですが
    とりあえず付箋みたいなものを貼ることができるそうです。

友衣奈:自分のオリジナルを電子辞書でもできるということですね。他に何か?

●進化しすぎ?電子機能
咲天 :電子辞書は読めない漢字があったら、キーボードの側に書くところがあって、
    そこに漢字を書くと読み仮名も出てくる機能がある。

結  :紙の辞書にはいっぱい載っているけど重いのです。
    学校に行く時は教科書とかいろいろ持ってかなくちゃいけなくて、
    電子辞書はコンパクトなので持ち運びに便利だと思います。

友衣奈:重いという理由で、家では紙の辞書を使っているんですね。
    電子辞書よりも紙のほうが言葉を覚えられるものですか?

結  :紙の方が調べた時に「あ、ここにあるんだ」って思ったり、
    けっこう隣の言葉も見るんです。そういう点では紙がいいと思う。
    私の学校では先生が紙の辞書を勧めます。でも電子辞書を使う人が
    クラスでは圧倒的に多くて、高校生になると紙の辞書は2~3人です。

友衣奈:では皆さんは持ち運びを考えなければ紙の方がいいと思う?

令雄 :そういうことを考えなければ、紙の方がいいと思います。
    電子辞書に実は今はいろんな機能が付いたために弊害が多くて、
    例えばワンセグ機能で授業中テレビを見たりする人もいます。
    普通の辞書は、純粋に紙の辞書で学習の教材として使えるんですけど、
    電子辞書はもう辞書なのかどうかわからない多機能な「携帯する何か」に
    なっちゃった。

友衣奈:機能が付きすぎているのも欠点になりうるということですね。

●苦労して使った達成感
茉莉子:電子辞書は画面が小さいので眼に入ってくる情報が少ないと思います。
    紙の辞書はもっと大きくて眼に入ってくる情報が多いので覚えやすいかな。

友衣奈:電子辞書の特長だけれど、検索したらぱっと出てくるじゃない?
    それって引いている過程が無くなるということで「トンネルデザイン」と
    言われていて、目的に達するまで潜って一直線に行くから他のものがまったく
    見えない。若いうちから「過程」で苦労しなくていいものでしょうか。 

亜世満:さまよって目的地に到達するのは、途中でもいろいろな発見があるし
    時間がある時はクネクネしながらたどり着くのが大切だと思います。

令雄 :確かにラクを覚えるとロクなことがないと思う。
    さっきは教材として電子辞書は不向きって言ったんですけど、
    今は電子辞書ってほんとにいろんなもの、例えば「世界遺産」とか何でも
    入っているので電子辞書をいじっていて自分の知らなかったことの発見もある。
    英語の辞書では他の単語を知るぐらいですけども、電子辞書は分野を問わず何でもあると思います。

友衣奈:さっきの話に戻って携帯しやすいかどうかはやはり電子辞書が一番という
    意見があったけど、わざわざ紙の辞書を持ち歩く理由はあると思う? 
    みんな電子辞書を知ってしまった世代だけど。

咲天 :電子辞書は調べて終わり!なんですけど、紙の辞書だったら何回も使っていたら
    黒くなったり付箋とか付けたりしてそういう達成感とかもあると思います。

友衣奈:目に見えて分かるよね、自分がどれだけやってきたかっていう。

●辞書がテレビ、ゲームに
結  :いっぱい機能があって便利だという意見が出ていたんですけど、
    最近の辞書はテレビも見られるので学校でも昼休みにテレビを見る人がいて、
    機能が付きすぎると勉強の弊害になることもあると思います。

友衣奈:なぜわざわざメーカーはテレビとかゲームを付けているんだと思う?

令雄 :シンプルなものより、電子辞書にはとりあえず何でも入れないと
    売れなくなるという感じじゃないですか。

友衣奈:逆にそれは消費者が求めている表れではないの?

咲天 :最近の学校は電子辞書を持っている生徒が多くて、辞書を作る会社は
    「じゃあ子どもが喜ぶ機能はなんだろう」と考えて、
    そういうゲームも付けているのではないでしょうか。

●ケガをして電子辞書をひく?
友衣奈:消費者として電子辞書を選ぶ基準は、たくさんの辞書が入っていたり、
    機能が付いていることになりますか?

亜世満:ないよりはあった方がいいですよね。例えば日常的に使わない「医学」や
    「スピーチの文例集」や「冠婚葬祭」に関することとか、そういうものが辞書に
    おまけで付いていると、その状況になった時に調べることができますから。

令雄 :意識としてはおまけです。
    僕は部活でケガすることが多かったんです。整形外科へ行って、
    「君は何々だよ」ってケガの名前を言われて、
    「どういうケガだろうな」と知りたくなって電子辞書の「家庭の医学」で
    調べられたりするんで、「ああ、こうしたケガなんだ」とわかる。
    多機能はみんなが電子辞書を選ぶ基準だと思います。

友衣奈:多機能は魅力的だと思う?

結  :「クロスワード」や「脳トレ」まで付いているんですよ。そうすると、
    けっこう授業中にやってしまう人も多いんじゃないかなと思います。

友衣奈:(まとめ)やはり本質を得ているというか、一番自分の目的にストイックに探求で
    きるのは「紙」だとみんなは言っていたけど、電子辞書も使う人の用途によると
    いうことですね。その一方で要らない部分もあるから、へんな娯楽の方に行って
    しまうという現代を反映している部分も電子辞書にはあるのでしょう。
    でも、それって勉強している側には迷惑というか、紙の辞書とは目的が違って
    きてしまったという感じでしょうか。 ではこれでRTを終わります。

                         

                                                    以上

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