文 美 |
皆さんの学校の校則についてですが、服装についての規定が一番わかりやすいと思うので現状を教えてください |
菫 |
特に規定はありませんが、生徒指導の先生に「こういうふうにしなきゃいけない」「ああいうふうにしなきゃいけない、ダメだったら部活停止」と口頭で言われます。 |
涼 |
うちの学校は私服でも制服でもいいのですけれども、「私服で来るのであれば、社会人としての意識を持って、自分の行動に責任を持たなくてはいけないよ」と指導されます。 |
文 美 |
社会人としての意識は具体的にどういうこと? |
涼 |
入学式などで先生ではなく、生徒会の人が「自由だけど、その自由っていうものを捉え違えないでね」とアドバイスするんです。 |
美里菜 |
私の学校は、「髪の毛はちゃんと結ぶ」「結ぶゴムや留めるピンも黒か紺か茶」。スカート丈は膝にかかる長さで、靴下も指定。もし違反してきたら先生に取りあげられます。 |
文美 |
校則が明確に決まっていない学校は規律が口頭での注意と自覚、自意識によって守られていると思うんですけど、「守らなきゃいけない」という意識はあるの? |
菫 |
ないですね。怒られることもほとんどないから。 |
涼 |
私の学校は私服なのでブーツをはいてきてもいいんです。でもブーツとかをはいてくると下駄箱にブーツが入らない。そうするとブーツを下駄箱の上に置いたりするんですね。そういったことが風紀で話し合いになったりすることはあります。そこは校則というよりモラルの問題なのかもしれないですね。 |
美里菜 |
うちは校則で束縛されているから、生徒の中で校則に関して話し合うことはないです。 |
文 美 |
持ち物が先生に「没収」されて、そのまま返してもらえないことがあるけれど、そういうことってあってもいいのかな? |
美里菜 |
それが気に入らないならこの学校に入らないでください、と返されてしまうので、みんなとりあえず従っています。 |
文 美 |
でも学校入る時に校則見せてくれないよね? |
美里菜 |
没収しますとは書いてないですよね。 |
文 美 |
「校則は緩い方がいいけれど、なかったら困る」。つまり必要なのね? |
美里菜 |
中学生は責任が取れる範囲が狭いので、多少学校からの締め付けがあった方が、必要かなと思います。 |
涼 |
海外の場合、私服で中学生でも小学生でも私服で通っているじゃないですか。「そんな生徒たちは社会のルールを守れてないか?」というと、そうじゃない。だから制服があるから社会のルールが守れるとしてはいけないと思います。自分自身が自覚持てるような人間になるためには、校則を緩くして、社会に甘えることができないんだよってことを教えていく方針に変えたほうがいいかなと思いますね。 |
衣 織 |
うちの学校の自主規制は、生徒のなかで「さすがにこれはまずいんじゃないか」「止めた方がいいんじゃないか」っていうのを生徒会などに出して、生徒の3分の2以上の承認のあと、自主規制っていうのになるんです。生徒が認めないとそれは規制にならない。もちろんそれを出す段階で「どうしてこれが自主規制に入らないといけないのか?」ってちゃんと説明されてから投票するから、それは納得できる。 |
文 美 |
皆さんは自分の学校の校則に納得してないところもあるんだよね。 |
美里菜 |
もちろんあります。 |
文 美 |
社会のルールからはみ出すとか、やっちゃいけないことをやったら自分に返ってくるって言ったけど、他校カバンという問題はどう? その学校ではあり得ないような格好をしていたとしても、カバンに慶応だとか早稲田だとか書いてあると、「あ、あの学校の生徒はこんなんなのね」みたいなふうになる。その結果、全然違う学校に被害が及ぶ。 |
菫 |
社会のルールを破るっていうことは、人に迷惑をかけること。だから例えば他校カバンを持ち歩くっていうことはその学校に迷惑がかかるわけで、イコールそれは社会のルールに反する。だったらそれはいけないこと。これをすることで迷惑がかかる人がいるっていうことをしっかりとわきまえないとダメだと思います。 |
衣 織 |
でも他校カバンを持つ人はそんなこと考えていない。 |
美里菜 |
確かにそういう意識がない人がそういうことをするんだと思うんですけど、でも結局は人に迷惑をかけている。そう思わない人はおかしい。「おかしいな」と自分で思えない人だったら、その先どんなことをしていて、自分に返ってくるんじゃないかなと思います。 |
涼 |
人に迷惑をかけるっていうのは社会のルールに反することだからわざわざ校則で規定することはないと思う、校則が厳しいと、校則がなくなった時に、「あれ、どこまでが校則でどこまでが社会のルール?」って分かんなくなっちゃうような気がする。 |
文 美 |
それは何となくあるかもね。
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衣 織 |
でも中学とか高校に入った段階でちゃんと社会のルールの定義が分かっている子は少ないと思うから、まず校則で厳しさを示すことも大切だし。逆に校則がない中高に入って、その中で社会のルールを身につけるのもそれはまた大変だと思う。 |
文 美 |
大変? |
涼 |
大変。私の学校は多少あるけれど、まったく無い学校だと大変だと思う。 |
文 美 |
確かに世の中には、紺のゴムで髪の毛を縛らなくちゃいけないとかっていうルールはないけれど、じゃあ工場で働く時に髪の毛を結ばなくていいのか?というのもあるしね。
では、まとめます。中学生にとって校則は、緩い方が自分の考える力もつくので、厳しいよりは自分が納得できる、最低限の校則はあった方がいい。高校生においては、校則が厳しすぎると、どこまでが校則だか社会のルールだか分からなくなるので、もっと自分で考えるさせた方がいい。ただ、子どもだからまだまだ社会のルールについて知らないところもあるので、ある程度は学校のルールという形で見せてくれた方がいい部分もある、という感じでしょうか。
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