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            日英米子ども記者テレビ会議  「学校の規律〜どこが厳しい?」 
              2003/11/08 
    
            参加者 
            ニューヨーク(チルドレンズ・プレスライン):ジャニス・ベンジャミン(8)、カーラ・カノ(12)、エイミー・ディン(16)、タベル・フォックス(16)、モニカ・マーチン(16)、アルヤンドロ・オーティズ(10)、マリー・ポンソット(10)、ジャキーラ・ホワイト(13) 
            ボルチモア(キッズ・オブ・アメリカ):マイケル・ブラウン(11)、マルコム・ガスク(11)、イマーニ・ハーヴィル(11)、アンドリア・ケネディ(11)、ティーシャ・マイルス(9)、キーシャ・マイルス(11)、テビン・ローン(12)、ジャスミン・タルバート(10)、モーリス・ワトソン(12) 
            ロンドン(チルドレンズ・エクスプレス):カマル・アッカーバウス(13)、キャサリン・フューイングス(14)、ガブリエラ・ゲイ(17)、アクセル・ランディン(13)、コンラッド・ランディン(10)、ソンティ・ラミレズ(13)、アシュレー・レナルス−グリフィス(12) 
            東京(チルドレンズ・エクスプレス):堀友紀(10)、近藤侑希(10)、佐藤美里菜(11)、島田菫(10)三崎令雄(12)、島田大河(12)藤原沙来(13)、河村光(14)、寺尾佳恵(15)、 
            通訳・翻訳:高橋里也子(15)、三崎令日奈(16)
               
                |  親は学校で躾て欲しいと望み、学校は躾は家庭でと考えている。子どもに対する躾はだんだん厳しさがなくなってきていると言われる今日、日本、英国、米国の学校ではどのように対処しているのだろうか。3か国の子どもたちが学校の規律について話しあった。 | 
               
             
            カーラ(NY)あなたが学校で躾けられる時のことを教えてください。 
              アシュレー(ロンドン):私のフランス語の授業でのことです。私が友達に手紙を書いているのを先生に見つかりました。私の学校は女子校で私は男子について書いていたんです。私の先生はそれを私からとって読み、私に教室の外へ来るように言いました。そして教室の外で、何を、そしてなぜ私がやったのかについて彼女は聴きました。そして20分間の居残りをさせられ、ピンクの紙をもらいました。このピンクの紙というのは、自分のやった間違いと、それがどんなに悪いか、なぜピンクの紙をもらったのかを書くものです。 
              侑希(東京):何か悪いことをすると授業中には叱られませんが休み時間に叱られます。例えば先生が話している時に私たちがしゃべっていたり、何か書いていたりすると先生に言われ、先生と一対一で話さなければなりません。 
              イマー二(ボルチモア):私の学校ではクラスリストに「U」をもらうと先生のところにいかなければなりません。そして先生がその喧嘩などに対して居残りにするか停学にするかを決めるのです。 
              沙来(東京):私は悪い言葉遣いをしたり、日常生活のマナーで罰を受けることがあります。悪い言葉遣いでは社会に出てから困るので、ちゃんとした言葉遣いで話すように言われています。私は言われると気にして、直そうという気になります。また靴のかかとを踏んだり、机に座っていてもそうです。罰を受けるというよりは注意なのですが、自分がやったことに対して恥ずかしくなって直そうという気になります。 
            ソンティ(ロンドン):イギリスではずっと態度が悪いと停学や退学になります。このような人に対してあなたの学校ではどのような処置がとられていますか? 
              ジャキエラ(NY):やることにもよりますが、先生に口答えをしたり、ある規律を守らなかったりすると、停学になります。居残りになるのは宿題をやらなかった時で、これは基本的に殆どの学校でこうなります。私達は昼食のために校外へ出るのですが、その権利がなくなります。 
              マイケル(ボルチモア):ふつうは居残りですが、何か特別悪いことをした時には停学になります。そして3つのストライクをもらいます。3回停学になると、ボルチモアの全ての公立校から退学になります。 
              令雄(東京):日本では公立の小中学校は生徒を停学や退学にすることはできません。僕の学校では、もし誰かが悪い行為をすると、先生は生徒がしたことを反省させます。例えば廊下に立たせたり、先生と一対一で話したりします。 
            佳恵(東京):令雄くんが話たように日本では義務教育のため、小中学校で生徒に停学・退学をすることはできません。あなたの国や地域ではこれについてどうですか。公立でも停学や退学はあるのですか? 
              キャサリン(ロンドン):どんな学校に行っているかは関係ありません。停学にも退学にもなります。私の学校では結構簡単に停学にされてしまうけど、退学は悪いことをたくさんしないとなりません。 
              アシュレー(ロンドン):いくつかの学校では、退学になって3日間別の学校に通い、その後で転校するか元の学校に戻るかを選びます。  
              マウリス(ボルチモア):初日に違う学校に行ったりすると、退学になります。停学は喧嘩したり誰かを脅したりしたらなります。だから簡単に停学にされてしまいます。  
              テイベル(NY):どんな学校に通っているかは関係ないと思います。でも退学になるには深刻な問題児でなければならないと思います。例えば学校に武器を持ってきたりとかある物をある場所に持ち込んだりしたとか。本当に深刻でない限り退学にされてしまうことはないと思います。 
              マリー(NY):私の学校では誰も実際には退学にはなりません。停学に数段階あって、例えば、「校内停学」といって、深刻なことをしたら教訓を学ぶために何日間か下の学年に送られるんです。自分が小さい子と過ごしてみてその子達の方が自分よりもちゃんと振舞っているのを見たら、それよりもちゃんと振舞わないといけないって教えられるかも知れません。それでも巻き返せなかったら、2、3日学校から追い出してその後復帰させます。 それとスクールバスの中で立ちあがったりとかしたら停学になります。そして1週間はバスを利用させてもらえないので、親が送り迎えをしなければなりません。 
            ジャニン(NY):あなたは不公平だと思った罰や、規律を変えようとしたことはありますか?とても厳しい罰をうけた経験がありますか? 
              ガブリエラ(ロンドン):私の学校では厳しい罰があります。私が学校にハサミを持っていた時、先生たちはそれをすごくシャープなものだと思って、ナイフみたいなものとみなしました。そして私は家に送り返されたのです。これはやりすぎだと思いました。私は何もハサミを学校に持っていって先生を刺そうとしたわけではないのです。馬鹿げたことです。 
              もし私たちが躾られ方に反対の時は、生徒たちが全員集まって、先生たちと一緒にミーティングをするのです。そしてそのやり方に反対の人の数が十分あれば、それを変えることもできます。 
              友紀(東京):私の友達が何か持ってくるのを忘れた時にみんなの前で15分間も何で忘れたのとか聞かれました。私は何もみんなの前で聞くことはなかったと思っています。あまりにも厳しすぎました。 
              テビン(ボルチモア):僕の学校では、6つの段落(章節)からなるの誓いの文を書かなくてはいけません。「私は生徒として先生を尊敬します」とかそのようなことを書くのです。僕が以前通った学校では時々辞書を左右の手に持たされたりしました。辞書が落ちると両親に連絡されたり停学になったりするのです。 
              美里菜(東京):学校では必要な規則と必要でない規則があると思います。大事だと思う規則のひとつにスカートの丈があります。学校ではスカートの丈が短いものははいてはいけないことになっています。丈が短いと危ないからです。でも例えば、髪の毛に関する規則はいらないと思います。髪の毛の長さを肩より上にしないといけないとかで長すぎても短すぎてもいけない。でもこの髪の長さについての規則は必要ないと思います。これを決めるのは私たちの自由だと思います。 
            キャサリン(ロンドン):子供たちは学校の規律の方が家の躾よりも怖いと思ってますか?そうだとしたら、何故ですか? 
              エイミー(NY):学校にいる間は先生は親のように振る舞い、親に学校での事を知らせますから、学校の方が家よりこわいです。家で叱られる時は親にだけ叱られますが、学校の時は先生に叱られた上に、さらにそれに対する両親の反応というのもあるからです。停学になった上に家では外出禁止やその他の罰を親から言われますから。親は先生よりも私たちを良く知っていますから、何で私たちが規則を破ったのかを見極めて、必要ならば家でのルールや罰を適当に変えることができますし。 
              大河(東京):学校の規律の方が家での躾よりも怖いと思います。家では自分自身がやった悪いことも分かるし、何で罰を受けているのかも分かります。でも学校では自分が悪いと認識していないことでも叱られたりします。なぜ罰を受けているのか理解できないのです。先生たちはとても細かいこと、こんな細かいことを叱らなくてもいいのにというようなことでも罰を与えます。 
            コンラッド(ロンドン):どのような形の躾が一番効果があると思いますか?また、それは何故ですか? 
              エイミー(NY):宿題をやらないとか、テストでカンニングするというような勉強に関する規則の方が態度に関する規則よりも効果があると思います。態度に関する規則というのは、廊下を走ってはいけないとか、ある種の服は着てきてはいけないといったものですが、これは学校によっても違うし、変えることもできます。誰でもテストのカンニングがいけないというのは理解できますが、次の授業に間に合わせるために廊下を走らなければならない時に走ってはいけないという規則があるのは誰にでも理解できるものではありません。だから成績に影響する勉強に関する規則のほうが、態度を規制する規則よりも分かりやすいと思います。 
              友紀(東京):先生が何回かチャンスを与えると効果があると思います。はじめから厳しく叱ると、生徒はもう先生の言う事は聞きたくないと思ってしまいます。だから先生は、最初はゆるい注意にしておいて、だんだん厳しくしていくべきだと思います。 
            アクセル(ロンドン):もしあなたが権力をもっていたら、学校でどのような規則を作りますか? 
              テビン(ボルティモア):厳しい規則は作らないです。座って、一対一で、何でやってしまったのか話すくらいにします。 
              モニカ(NY):安全に関する規則に重点をおくと思います。生徒は安全に守られていなければいけません。先生の権限の中にいる間は、傷つくようなことがあってはいけないのです。服に関しての規則も加えますが、今ほど厳しくはしません。生徒は自立している一人の人間であるべきだと私は思います。それと道徳的な事も社会で働く時にはとても大切です。 
              光(東京):私だったら何で自分が叱っているのかちゃんと説明しようと思います。彼らに何で自分が叱っていてなぜ彼らが罰を受けているのか、お互いに理解できるまで話し合いたいと思います。 
            キーシャ(ボルチモア):誰か一人が悪いことをした時にクラス全体が罰を受けるのは公平なことだと思いますか。 
              エイミー(NY):私はそれが公平だとは決して思いません。他の人はそれについて何のつながりもないのに罰を受けるのは公平ではありません。でもクラスの中でみんなが同じ規則の中にいるというのは公平なことだと思います。お互いに同じくらい尊敬し、同じ道徳があり、みんな安全な中にいると感じ、教室の中では平等な社会がある、ということになるからです。 
              コンラッド(ロンドン):不公平だと思います。自分がやっていないのに罰を受けるからです。でもそれは自分のしてしまった行為で、自分が受けることをクラスの人たちも受けるという責任ですね。 
              佳恵(東京):それは不公平だと思います。でもそれが他の人にもかかわることだったり、クラス全体が関与しているような問題であったり、他の人にも影響を及ぼすようであればそれは合っていると思います。 
            令日奈(東京)日本では子供に対する躾が厳しくなくなってきていると言われています。これはあなたの国でも起きていますか? 
              ソンティ(ロンドン):そうですね。躾は厳しくなくなってきていると思います。例えば1950年代だったら鞭のようなものまであったのです。でも今では本当に悪いことをしても必ずしも停学にはなりません。報告かなにかを受けるだけです。 
              モニカ(NY):アメリカの学校はここ数年で規則がたくさんできたと思います。今では私たちがやることをじっと見られていて、細かいことに対しても寛容ではありません。子供たちにとってよくないロゴのついたTシャツを着るだけで罰を受けたりします。日本で厳しくなくなってきていることについては私にはわかりませんが、あなたたちはきっととても礼儀正しくて秩序を保っているからでしょう。さっき髪の長さを決める自由が欲しいと言っていましたが、それも変わっていくのでは・・・・ 
              (終わり) 
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