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変化し続ける「女の子のニーズ」を追う 〜 プリントシール機業界
2011/06/24               米山菜子(15歳)

 現代の女子中高生にとって、今や必須アイテムとなったプリントシール機(以下プリ機)。一回の撮影にかかる400円は頻繁に撮影する彼女たちにとって決して安くはない値段のはずだ。それでも彼女たちが利用し続ける理由は何か。プリントシールの魅力とは何か。プリントシール業界シェア6割を持つフリュー株式会社 業務用ゲーム事業部の成田博子氏に取材した。

 プリ機が世に出てから約15年、プリ機は、流行に敏感な反面、飽きっぽいと言われている女子中高生の心を常にキャッチしてきた。女子中高生の心を掴むプリ機つくりは「女の子のニーズがベースにある」と成田博子氏は話す。

 そのため、フリュー社ではプリ機開発当初から一般の女子中高生を集めたグループインタビューを行い、若者の意見を直接プリ機に反映させている。今では当たり前となった目が大きくなるデカ目加工はグループインタビューで得た意見をヒントに「キレイに写す」為に出来た。

 フリュー社が開始したこのデカ目加工を筆頭にプリントシールは「面白いプリ」から「キレイに写すプリ」へと変化していった。そのため事前に行った女子中高生を対象とした街頭取材では「プリの中の自分は自分ではないみたい」という意見が多くあった。今後は「ナチュラルだけど可愛いく写るプリ」が求められるようだ。

 また、撮影したプリントシールをどうするか女子中高生にアンケートを行ったところ、「何にも使わない」と答える女の子が圧倒的に多かった。彼女らはプリントシールが欲しいわけではなく、「撮影し、写真に落書きをする」という一連の流れを楽しんでいるのだ。

 フリューフリュー社はナチュラルな写真っぽさを兼ね備えた新作プリ機を開発するなど、「女の子のニーズ」に応えている。その他、撮影した画像をお菓子のパッケージにプリントできるサービスも提供するといった、プリントシール機の活用方法も提案している。

 今では、当時女子中高生だった頃にプリ機を楽しんだ若い大人の女性をはじめ、小学生までもが利用するようになり、プリ機の利用年齢は広がっているようだ。確かに、ゲームセンターで幼い子どもを連れている若いお母さんや、まだあどけない小学生を目にすることも少なくない。

 そのため、それぞれの世代のニーズに応えられるプリ機を作ることが今後は必要になるのではないか。また、写真に落書きなどの加工ができるデジタルカメラが強力なライバルになるのではないか、という不安点もある。

常にブームの火付け役となってきたプリ機が今後も女子中高生の必須アイテムであるためには、変化し続ける「女の子のニーズ」を追いかけてどこまで分析できるかがカギとなるだろう。

なぜ流行る?プリントシール機
2011/06/24               持丸 朋子(16)

 女子学生の中ではプリントシール機を撮ることは当たり前のことになってきている。1回400円と若者にとっては安い値段ではない。それでも、若者に支持される理由はどこにあるのだろうか。

 大学生と中高生の意見を聞くため、チルドレンズ・エクスプレスの現役記者とユースワーカーにアンケートを取り、渋谷の繁華街で街頭取材を行った。その後プリントシール機市場トップを誇るフリュー株式会社へも取材を行った。

 プリントシールは、1995年に初めて発売されてから新たな機能が次々と加わり、中高生を中心に若者の文化となった。しかし、アンケートを行った際には、1回400円は高いため、安くして欲しいという意見が目立った。また、街頭取材ではプリントシールを撮ってもシールを財布に保存してしまい、使い道がないという声が多かった。では、なぜプリを撮り続けるのだろうか。
 
 フリュー株式会社業務用ゲーム事業部 デザイン部 広告宣伝担当の成田 博子氏へ取材を行い、プリントシール機の開発などについて伺った。

 フリュー社はプリントシール機市場で 後発にも関わらず市場シェアで1位になった理由は、女の子のやりたいことを実現したことと、品質の良さが挙げられると成田氏は言う。
 
 フリュー社は定期的に顧客のグループインタビューを行い、利用者である女子中高生の声を聞いているそうだ。

 最新の機種は「写真らしさ」に重点を置いてつくられたものだ。街頭取材を行った際、最近のプリントシールは顔が加工されすぎているため、自然に写る機種が欲しいという声があった。この様にして利用者のニーズを反映した機種が生み出される。

 女子中高生が携帯電話を持ち始める前から、彼女たちにも普及することを予想していたフリュー社は、プリントシールの画像を携帯電話に送れる機能を開発していた。
その読みは当たり携帯電話の普及と共に画像が送れる機能も浸透したと成田氏は言う。
 
 このように利用者のニーズに合わせて新しい機種を開発するために、TVや雑誌などで流行を把握するだけでなく 、利用者の声を聞く場を設けているそうだ。そして、ニーズに合った機能が搭載された機種が次々と出るため、若者はそのたびにプリントシール機を利用する。

 若者が喜ぶことを予想してつくられたのが、目が大きくなる加工だ。始めは顔がきれいになる加工の一つとして、目の加工のことを言わずに売り出したという。それが、流行となり今ではプリの基本機能と言えるまで普及した。

 徹底した調査により若者が利用したくなる機種を予想しつくっていることが、プリントシール機が支持される大きな理由だ。

これから、若者や時代の流れからどのような新たな機能が生まれるのか、楽しみだ。ただ若者の流行の変化は速い。そのスピードについていくことが必要となる。

プリントシール機ナンバー1の秘訣
2011/06/24               瀧澤 真結(14)

 「なぜ中高生にプリは人気があるのか?」インターネットで調べたり、記者仲間からアンケートをとったりしてみた。その結果、プリ機を今使っているのは中高生が多いこと。プリの市場でフリュー社が一位を獲得していることが分かった。実際に使用している人々の声が聴くため五月の連休明けに渋谷の繁華街で街頭取材を行った。

 プリを撮る理由で多かったのが「思い出になる」「撮る過程が面白い」「いつもと違う自分になれる」というものだった。年代は中高生が一番多く、中には大学生で使用している人々もいた。どのような機能がついていたり、どのように写るプリ機があったら嬉しいかを聞くと「ナチュラルでも盛れるプリ機があると嬉しい」あるいは「全部のプリ画を携帯送信できるようにして資源の節約になることをしてほしい」という答えが返ってきた。

 渋谷に本社があるフリュー株式会社で業務用ゲーム事業部デザイン部広報宣伝担当の成田博子氏がインタービューに応じてくれた。プリ界に進出した理由は、体温計など健康医療器具で有名なオムロン株式会社の新しい分野への挑戦だったそうだ。 時の流れがプリにむかっていたからと、オムロンが開発した顔認識機能の技術などを生かせることが挑戦の理由だ。

 フリュー社はプリントシール機に参入した当初から「グループインタビュー」といって中高生が実際に試作中のプリ機体験してもらって、その意見をとりいれてプリ機を作りあげるシステムをとってきたそうだ。また、品質の良さ、壊れにくさ、などからゲームセンターの方から信頼していただけたのも、プリ機市場で一位になった1つの理由ではないかと、成田氏は語った。 中高生の意見を聴くことで携帯に画像を送るというアイディアも思いついたそうだ。この他にも全身プリ、デカ目など様々な加工もこのシステムから生まれた。

 また社員の願いから生まれたものもあるそうだ。例えば「デカ目」は社員が「女の子は可愛く写った方が喜んでくれるだろう」と考え開発したそうだ。また普段から中高生の読む雑誌をチェックしているそうだ。成田氏は「中高生は好みが変わりやすいと思うので、毎年春・夏・冬の休み前に新機種を出し、一年以内にはバージョンアップを出し、飽きさせない工夫をしています。また、どの機種にもテーマがあり、それに合わせた一つのストーリ―をプリ機で表現しております。例えば、7iRO Co.(ナナイロコーデ)は、その名の通り、7色の虹色で統一したプリントシール機ですし、カオフェチは“雑誌”をテーマにし、外装も雑誌の表紙風に仕上げています。」と語った。 一つのプリ機を作るためにここまで考えられているのだ。それが中高生に人気がある秘訣なのだろう。

 今は中高生でも将来は大学生になるので、プリを撮らなくなるかもしれない。しかし、フリュー社のように、いつもプリを利用する人たちの意見を参考にして新しい機種を作り続けるかぎり、プリ利用者の年齢層はこれからも広がっていく可能性がある。


▲ 渋谷で中高生に街頭取材

 

 

 

 

▲フリュー株式会社 業務用ゲーム事業部 成田博子氏

 

 

 


▲ 渋谷で中高生に街頭取材

 

 

 

 

 

▲フリュー株式会社で取材をするCE記者

 

 

 

 

▲ 渋谷で中高生に街頭取材

 

 

 

 

 

 

▲フリュー株式会社 業務用ゲーム事業部 成田博子氏

 

 

 

 

 

▲フリュー株式会社で取材をするCE記者