わたしたちの周辺が危ない!
2003/06/15 島田 菫(10歳)
安全なはずの通学路や公園に不審者が出没する。実際に不審者に出会ったチルドレンズ・エクスプレスの記者(島田菫10才)が、不審者の出る場所の写真を撮影し、「こども110番」の家や地元の警察署、そして子ども犯罪に詳しい千葉大学の中村功教授を取材して記事にまとめた。
10歳の男の子が登校途中に火をつけられた福岡の事件を覚えているだろうか。今、子どもの周りは安全ではなくなってきている。
『子どもはどこで犯罪にあっているか』の著者、千葉大学の中村功教授に聞いた。「4年生以上の子どもの4割が危ない目に遭っている」。
学校の周りで不審者が出没すると、学校から注意を呼びかけるお知らせが配布される。内容は「一人で登下校しない、不審者にあったら大声を出す、明るいうちに家に帰る」などだ。また、つくば中央警察生活安全課の浜田裕司課長も「防犯ブザーを持つ、一人で歩かないなど、自分が気をつけることが大切」と言う。
しかし、これらの注意は果たして実際にどれほど守られているのだろうか。チルドレンズ・エクスプレスのメンバーにアンケートをとったところ、ほとんどが守っていないと答えていた。
中村教授は「子どものできることには限度がある」と言う。「子どもはもっと自由でいたいもの。子どもに注意を呼びかけるだけで犯罪を防ごうとするのは間違っている」。 また、「子どもが遭う犯罪の8〜9割は学校には関係ないところでおこっている。通学路だけを注意しても仕方がない」そうだ。
さらに「最近の不審者の8〜9割は、きちんとした背広を着た、仕事もある男の人。子どもには不審者かどうか見分けがつかない。普通の人だと思っていると思いがけない被害にあう」「今の犯罪者は、昔と違って相手を選ばない。たまたまそこにいた子どもが被害にあう。皆、今の競争社会に疲れているから、ストレスを爆発させて一番弱い子どもを襲うのだ」とも。
インタビューの中で、中村教授が最も強調したのは、「子どもは社会に守られて育っていく。犯罪から子どもを守るのは大人の責任。その上で子どもが自分で犯罪にあわないように気をつける。はじめから子どもに任せるのは責任逃れだ」という点だ。
では、私たち子どもにできることは何だろう。「家の周りの危ない場所を自分で調べて、そこをどうしてほしいかをPTAの大人や先生に伝えること。大人たちは、それを警察や市役所公園課に伝え、町を安全にしていかなければいけない」。
子どもにもできることがある。大人と協力して、犯罪のない安心して住める町を取り戻そう。
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