「アフガニスタンの子ども達は今」 講師:寺尾 明人 氏
2002/05/25
寺尾さんは、日本ユネスコ協会連盟というNPOで、ユネスコ憲章前文にある「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という考えを実践する仕事をしています。その一つとして「世界寺子屋運動」(世界中の人々が教育を受けられるように手伝いをする事業)を行っています。この事業の一環で、先日アフガニスタンに行き、寺子屋(学校)開設の準備をして来られました。このレクチャーでは、その時に見たアフガニスタンの現状と、教育を受けられることを心待ちにしている人々のことを、貴重なビデオ映像と共にお話しいただきました。
アフガニスタンと聞いて、みんなはどんなことを思いますか? という質問で始まったこのレクチャーでは、まずアフガニスタンという国をその歴史・地理などから改めて見直してみました。アフガニスタンは仏教伝来のルートにもシルクロードにも入っており、古来「文明の十字路」としてとても重要な地であったこと、主に4つの民族がいて、それがドラえもんの両目・鼻・口のように分布していること、などを記者と共に確認しました。
学校をつくる時の苦労としては、先生も生徒となる村人たちもどこにいるかわからない、先生の給料が払えない、建物がない、教科書がないなど「ないない尽くし」であるとのお話がありました。
ビデオ映像では、爆撃で荒れ果てた王宮やカブール博物館、町や村の様子、住民が難民キャンプに逃れたために空家になった家、そこに住み着いたよその家族の暮らしぶり、昔は豊かなブドウ畑で今は荒れ果てた土地、麻薬のもとである芥子畑、アジアハイウェイ(昔のシルクロード)、ユネスコ学校(寺子屋)の子どもたちの様子などが写し出され、その一つ一つについて解説していただきました。
初めて学校にいく1年生の年齢は5?10才くらい。地べたに座り、石盤を使って1日に4時間ほど勉強するという子どもたちは、学ぶ喜びをその瞳いっぱいに溢れさせているようでした。
|