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7月21 日〜30 日の10 日間、イーマス国際ユース・メディア・サミットにCE記者二名が参加しました。サミットは 26 カ国の10代の若者たちと、世界で問題になっている環境や貧困、暴力など7つのテーマに沿い、各国の若者が自分の国で問題となっていることを映像やレポートにして持ち寄りました。


Irmas International Youth Media Summit Uniting to Give Power to the Voices of Teens
2006/07/21-30                 三崎友衣奈 ( 14 )

 イーマス国際ユース・メディア・サミットは、10代の声を集めて世界に広めることを目的に、 2006 年 7 月 21 日〜 30 日の 10 日間 、米国 ロサンゼルス で 行われた。

 シエラレオネ 、 アルメニア 、 ボリビア、エジプト など まず、このサミットの内容から説明しよう。 世界 26 カ国から10代の若者 が 2 名ずつ、 それぞれ が フィルムメーカー( 事前に自分の課題に関するビデオ作品 や レポート を準備して 1分〜2分を用意) と ディプロマット(事前に自分の課題に関する文章を用意)、アドバイザー(引率の大人)が 集ま った る 。宿泊はホームステイだ。7つに分かれたグループで3日間、それぞれ違った体験やインタビュー、討論をし、最終的に1分以内の映像に収め、 Public Service Announcement ( 公共メディア向けに発表 ) という形で世界へ発信していくことを目指すものだ。7つのグループとは、人種差別、貧困、暴力、保健、環境、女性の権利、ユースエンパワーメント(若者の地位向上) 若者の選択権利 に 分か 別 れており、それぞれに7人くらいの各国の若者代表と、 4 人前後のアドバイザー (大人の引率者) がいる。毎朝 8 時にクリーブランド高校 場所を借 の講堂 ホール に集合し、活動を始める。 活動 初日の 22 日は 14 時からオリエンテーションが開かれた。

 私は環境問題グループ に 映像製作者として のフィルムメーカーとして 参加していた。このグループは、 23 日に近くのサンタ・モニカ・ビーチでごみ拾いを体験し、その後海洋学者のウォーレス・ J ・ニコラス氏に海ガメと世界中の海の関連性について の話を聞いた 学んだ 。次の日は全員でユニバーサル・スタジオへ行き、よい息抜きとなった。 25 日からはまたそれぞれのグループに分かれての活動だ。環境問題グループは 地元の NGO の LA Audubon へ行き、太陽光発電のシステムや Debs Park の安全性について建物を回 り 回り ながら説明を受けた。 26 日はロサンゼルス川へ行ってその歴史を学び、川沿いに落ちているごみについて調べた。

 これらの体験を踏まえ、翌日からグループ内でどのような映像作品にするかが話し合われた。午後 3 時からは全員でサンタ・モニカへ行き、それぞれ海水浴、ショッピングを楽しんだ。そして 28 日は各グループで一日中ビデオの撮影・編集が行われた。翌日の 29 日午後 4 時 30 分 には 完成した映像作品を からは 全員で その 鑑賞 を した。その後 Farewell Party 会場へ移動して、夕食の を済ませた 後は 会場の上の 体育館 のような場所 でバンド演奏を伴ったダンスとなった。最後はみんなで円になり、 一人 ひとり ずつが全員と抱き合った。何とも米国らしい終わり方である。

 私はここで様々な国の人と話し、行動をともにした。その中で、相手が誰でも関係なく笑ったり激論を交わしたりしているのを見 て 、 強く思ったことは、若者なら国同士の問題など関係なく人と触れ合え、共に行動できるということである。

 例えば隣接する国から環境の影響をうけても、政府が抗議すると そのときの 隣国との微妙な ・その国との 関係や状況などからなかなか事態が進展しないこともあるだろう。しかし、若者同士ならお互いの国の状況に関係なく環境問題に率直に目を向け、相手が誰であろうと耳を傾け、解決の手段を一緒に考えることだろう。子どもたちで考えられるのは身近で安全、 なお かつ簡単なこと限られるが、だからこそ世界中で実践でき 、人々 、いろんな人 が行動に起しやすい対応策になりうるのだ。 そして それこそ環境問題グループが映像 の中 で訴えた“ Think Globally Act Locally ”というスローガンである「世界規模で考え、地域で行動を起こす」。これは環境問題に限った考え方ではないと強く感じた。

Irmas International Youth Media Summit Uniting to Give Power to the Voices of Teens
2006/07/21-30                 三崎令日奈 ( 18 )

 例年にない猛暑に見舞われた米国ロサンゼルス。 7 日 21 日から 30 日の 10 日間、ここにグルジア共和国、シエラレオネ、アルマニアを含む 26 カ国の10代の若者たちが集まった。イーマス国際ユース・メディア・サミットが行われるためだ。世界で問題になっている環境や貧困、暴力など自分が希望して振り分けられた7つのテーマに沿って、各国の若者が自分の国で問題となっていることを映像やレポートにして持ち寄った。

 私はユース・エンパワーメント(若者の地位向上)のグループに所属し、日本の学校で生徒たちが規則や受験、暗記中心の勉強に縛られ、自由も責任も与えられていない現状を説明した。このサミットでは、まず議論の参考にするため3日間かけてユース・エンパワーメントに関連する3つのNGOを訪問した。好評だったのが一日目に行ったスキューバダイビング体験。障害のある若者を中心にスキューバダイビングを教え、それを通して自信を持つことや自己実現を学んでもらうということを実践している Zen Diving という組織で、陽気で親切なインストラクターのもと、プールでスキューバ体験を楽しんだ。これで一気にメンバーの仲も深まり、一石二鳥だった。

 団体訪問が終わると、それぞれのグループが自分たちの主張や解決策を1分の映像にまとめる作業に取りかかった。「何かいいアイデアはない?」と意見を聞き、アイデアを出し合った結果、ユース・エンパワーメントのグループでは「地球上の問題解決は若者の手にかかっている」というメッセージを映像にすることにした。ジグソーパズル状態の世界地図の裏に「貧困」「保健」「暴力」「女性の人権」「環境」「人種差別」など今回のサミットでテーマとなった問題を書き、それが最終的にはひとつの世界地図になり、10代の若者がそれを取り囲むといった内容だ。

 最終日、パーティーを前に7つのグループの映像作品がお披露目となった。 10日間、異なる背景を持つ若者が集まったこのサミットでは、様々なことが起きた。英語を外国語とする者には聞きなれない強い訛りのある英語に戸惑ったし、皆が意見を主張するあまり、まとまらないグループもあったようだ。しかしたった1分間にまとめられた映像作品は、どれもとてもユニークで、様々な国から集まった人たちならではのものだった。色々あったが、サミットは成功したとこの時実感した。

  普段あまり耳にすることのない国々を含め各国から問題意識を持って集まった同じ世代の若者と意見を交わし、過ごした10日間は、私の人生における宝物となった。ユニークなアイデアに富み、英語に不自由している人には排除せずに助ける彼らの姿勢にとても刺激を受けたし、その中でどう自分の居場所や役割を見つけうまくやっていくかを学んだ。このことは将来国際的な仕事をしたい私にとってかけがいのないことであるし、今回学んだことを生かしてこれからも大学生活を送っていこうと思う。