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政治

日本を先進的な環境対策国モデルへ

2009/12/12          三崎友衣奈(18)

  今年9月に鳩山首相が発表した「首脳国の同意の上での温室効果ガスの 1990 年比 25% 削減」をみなさんはどう思われただろうか。経済界からは「現実的でない」「国民の負担が増す」と反対される一方で、環境活動家、環境 NGO 等からは歓迎された。前政権の目標数値の 15% ( 2005 年比、 1990 年度比では 8 %)に比べると飛躍的な変化だが、 IPCC (気候変動に関する政府間パネル)が発表しているデータによると、地球温暖化を止めるために必要な主要国の温室効果ガスの削減数値は 25 ~ 40% なので、 25 %は最低ラインの数値設定である。

外務副大臣福山哲郎氏

 今まで環境対策に消極的だった日本による大幅な目標数値の変更は世界で注目された。一方で鳩山政権が掲げた政策の中の高速道路無料化や暫定税率の廃止が環境対策に反しているとして批判を浴び、まだ目標数値をどう実現していくかを具体的に提示していないことと重なり波紋を広げている。

 政府は環境問題という、現在だけでなく将来に重くのしかかってくる問題に対してどう考えているのか、これから日本として、どういう姿勢でこの問題に向き合っていけばよいのだろうか。外務副大臣の福山哲郎氏を取材した。

 福山哲郎氏は 1997 年の地球温暖化防止京都会議( COP 3)に民主党コーディネーターとして参加し、その後も環境問題について熱心に取り組んできた。地球温暖化対策本部事務総長などを経て今年9月から外務副大臣に就任した。

 福山氏は環境問題の将来についてとてもポジティブだ。環境問題への対策で懸念されている国民への経済的負担は「未来への投資」、高速道路の無料化は「一般道を含めて渋滞を緩和し CO2 排出を削減するため」と考えている。環境 NGO が温暖化を抑えるには足りないとする温室効果ガス削減目標の 25 %という数値についても「 2050 年までに温室効果ガス 80 %を削減する目標への一つのプロセス」、目標の実現性の問題も「環境問題において現状維持は意味がない。なぜ削減できないかを議論するより、これからどうやってその壁を乗り越えていくかを考える必要がある」と話し、長期的な問題に対して焦らず、経済とのバランスを考えながら対策を進めていくという姿勢を示した。

 また福山氏は、将来の問題の担い手である若者の環境活動にとても関心を持っている。環境問題はどこかの時点で誰かが何かをやって解決するものではなく、それを次の世代に繋いでいくことが大切であると強調し、「問題はこれからもずっと続くもので、若い人たちにはまずしっかりと現状を受け取ってもらいたい」と語った。

 「環境問題は避けては通れない問題。そこで日本がいち早く経済と環境問題とのバランスのとれた社会をつくり、世界に示すべきだ。」福山氏は問題を恐れることなく、あくまで「未来に繋げる環境問題」として見ている。

 現状を目の当たりにしている若い世代の一人として、福山氏が何度も使ったフレーズ「厳しいけれど新たな希望をつくるシナリオ」を実行していく一人となりたい。

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