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教育


 

若者のカラーコンタクト使用時の危険性
2013/09/15               高橋優香(15)

 現代の女子中高生などが使用しているカラーコンタクトレンズ(以下カラコン)は、今やファッション目的や、自分好みのお洒落な目元を演出するためにも用いられている。だが使用を誤ると大事な目に傷がつきかねない。カラコン使用時の安全性を検証するために若者たちを取材し、専門医に話を聞いた。

 渋谷区の道玄坂糸井眼科医院の糸井素純院長を8月11日に訪ねた。糸井先生によると、ソフトコンタクトレンズは1970年代に初めて作られ、より多く酸素などを供給するために改良を重ねている。現在普及している透明なレンズは、非常に酸素透過性が高い。コンタクトレンズは視力補正が本来の目的であったが、病気ために目の色が正常と違う患者用に目の色素を補正するカラコンが開発された。一方、現在普及している多くのカラコンは、1970年代の開発当初のHEMAと呼ばれる素材をそのまま使用していて、その素材に色素を付着させ用いられている。開発当初の素材なので酸素供給がとても低い。そのため、目の健康を考えると安全性が高いとは言えない。

 カラコンはHEMAと色素をサンドイッチにした構造になっている。この製造方法はメーカーによってそれぞれ異なり、特許も関係する。そのため眼科で処方されていないカラコン(ネットなどで簡単に手に入るカラコン)はサンドイッチ構造が不十分で、カラコンの色素が眼球側に偏り、一部露出していることがある。色素が露出していると、眼球に直接色素が触れてしまう。そうすると、眼球がひどく傷つき眼病にかかってしまう恐れが出てくるそうだ。

 これまでも眼科ではカラコンを処方していた。それらのカラコンは、酸素透過性も、透明なレンズと同等であり、主に眼科で処方を受け、購入していた。眼科で処方を受けた人は、少しでも異変を感じると、処方を受けた眼科に行くので、重症な例は少なかった。しかし、眼科医の処方を受けないで、ネットなどでカラコンを購入した人はトラブルがあってもひどくならない限り眼科には行かないそうだ。そうすると、より重症になる。
 
 カラコンを使用している20名ほどの東京の女子中高生にアンケートを取ったところ、お洒落目的や、使用期限を守っていないなどという回答が多かった。中には、一度使用するとやめられなくなるといった人もいた。また、カラコンを使用していない人たちの理由を聞くと、イメージ的に危ない、自分は目に異物が入るのでつけたくないなどの意見が多かった。また使用していない人たちは、つけている人々について特に何も思わないようだ。

カラコンをつける多くの人は化粧もしている。マスカラやつけ睫毛をつけると目が乾燥する。そのうえにカラコンをするので更に乾燥するそうだ。

 カラコンを利用する若者たちにとっては価格が最優先であって、安全性は二の次なのであろう。医師の忠告を聞かずに、危険性を軽く見るカラコン利用者は減りそうにもない。

 

オシャレなカラーコンタクトに潜む危険
2013/09/15               村上 類(14)

最近よく街で日本人らしくない目の色をした若者を見かける。それはカラーコンタクトレンズをつけているからだ。色はさまざまでナチュラルな茶色から派手なピンクや紫など幅広い。しかし危険が伴うことはネットが情報源の主流になった今、よく知られた話だ。ではなぜそこまでして若者はカラーコンタクトを使用するのだろうか。

若者にカラーコンタクトの危険性を伝えるために、日本コンタクトレンズ学会常任理事を務めている眼科医の糸井素純氏を取材した。

そもそもカラーコンタクトは両目で色が違っていてそれに対してコンプレックスを感じる外国人や、先天性白皮症で体の色素が薄い人などが通常の見た目に近づけるために作られたものでオシャレのために作られたものではないと糸井医師は話す。しかしカラーコンタクト使用者は増える一方で、しかも正しい使い方をしない人が多く一週間に2人位は病院を訪れるそうだ。

なぜカラーコンタクトによる眼障害を訴える人がいるのか。それは3つ理由がある。一つは購入者が正しいカラーコンタクトの使い方をしていないからだ。通常コンタクトレンズの洗浄は指でこすり洗いをしっかりとしなければならない。しかし、眼科医の処方を受けていないので、ケアの指導を受けておらず、適当に洗っている人が多く、目に傷つけている。二つ目は利用者が自分にあったカラーコンタクトを使用していないからだ。人により眼球の形も違うことを知らずに見た目で選んでしまう若者が多く、それに加えてマスカラなどを目の近くに塗るため、目が乾き、酸素の供給もうまくいかなくなり目が充血する。最悪失明の患者がでるのだ。三つ目はカラーコンタクトの製造会社が、必ずしも品質の安定した製品を作っていないからだ。添付文書に詳しいケアの方法を書いていない場合も多く、インターネットや雑貨店でレンズを購入し、誤った使い方をしてしまう。またサンドイッチ構造と言って色素をレンズの透明な部分で挟んでいる製品が安全と言われているが、特許や製造技術の問題で、実際には色素の一部が露出している製品も多い。

サンドイッチ型として販売されているにもかかわらず、一部、色素が露出している。だから利用者が正しい洗い方をしていても色素が取れてしまい、色は薄くなったり、目に害を与える可能性も高くなる。

それでもなぜ若者はカラーコンタクトを使用するのか。生の声を聞くために渋谷のセンター街で街頭取材をした。

使用者は14歳からとかなり若い年齢の人もいて、目が大きく見えるからかわいいとか顔映えがよくなる、違う自分になれるとやはりオシャレで使用している人が多かった。そしてその大半がカラーコンタクトの危険性は知っているが、まだ自分にはトラブルにあったことはないからこれからも使いたいという意見が多かった。

その一方でかわいいと思わない、違和感がある、危険だかれ使いたくないという意見も多く、特に男性でカラーコンタクト未使用者は女性使用者に対してカラーコンタクトなしの方がいいと思う、興味がないとの意見もあった。

若者のなかにはカラーコンタクトに潜む危険を理解している人もいる。しかしトラブルを経験するまで危険性を知っていても使用を続ける人は多い。安易なオシャレを優先して不正確な使用の仕方を続ける若者に危険性を真剣に伝え広めていくことが必要だろう。

 

カラコンに潜む危険
2013/09/15               毛利 真由(16)

今の若者の流行とは何だろうか。プリントネイル、茶色い髪など若者の流行はつま先から頭のてっぺんまで様々だが、最近はそれにカラーコンタクト(以下カラコン)が加わった。黒目を大きく見せたい、外国人のように見られたいなどの理由から、ファッションとしてつけている。カラコンをつける彼女たちの心理を探り、医学的に心配はないのか専門医に聞いた。

「カラーコンタクトはもともと、目の色が左右違う虹彩異色症の人や、白皮症の患者さん用のもの、眼の色の変化を他人に気づかれないために作られた」と語るのは日本コンタクトレンズ学会常任理事であり、東京渋谷の道玄坂糸井眼科医院長、糸井素純さんだ。

 コンタクトレンズが目の悪い人だけに使用される時代は終わり、今や健康な目をしている人でもおしゃれのためにカラコンを使っている。そういう人の多くは、病院で処方されたものではなくネットなどで買うことにより、カラコンに潜む危険性を知らずに使用している。だが、糸井先生によれば、使い方を間違えると失明をする可能性があるのだという。ワンデイ(1日限り使用)のカラコンを何日間も使っていると色素が落ち、カラコンの眼球に触れる面に凸凹を生じ、目に傷がつくそうだ。なぜ色素が落ちるのか。それは、色素とレンズが本来あるべきサンドイッチ構造になっていないためで、色素が目に触れる側に露出することうがあるためだ。糸井先生は、一部の製造業者は特許やコストの削減のために完全なサンドイッチ構造ではなく、色素が露出しやすい製法で製造していると指摘している。

 気をつけなければならないのは、マスカラやアイシャドウを使うことで目は乾き、さらにカラコンによって眼球に傷がつく。乾きは目にとって危険なことで、傷がつきやすくなり、失明につながることも少なくないそうだ。

 このような危険があることを、カラコンを使用する人は知っているのだろうか。夏休みの東京・渋谷の街頭取材をした。

 ある女子高生は、角膜に傷がつき眼球が赤くなるトラブルがあったという。記者が「色素が落ちて眼球に傷がつくそうですよ」と知らせてもまるで他人事のようで危険性を感じた様子はなく、おしゃれのために使用し続けたいという。また17歳の別の女子高生も「使い方を改めようとは思うが、今後も使い続けていきたい」という。

 こうした若者はカラコンをインターネットで買っていることが多かった。眼科医の診断を受けて自分に合ったものを買うのではなく、適当に買っていたのだ。そういう若者は目に異変を感じても、なかなか眼科医を訪れることは少ないと糸井先生は言う。

 では、カラコンの女性は男性にどのようにみられているのだろうか。21歳の男子大学生は「不自然であまり好まない。自然の瞳が一番いい」と語った。15歳の中学生は「つけている子はかわいいとは思うが、していてもしていなくてもどちらでもいい」と話していた。男性の意見は様々だが女性の意見のほとんどが「かわいいと思う」「メイクもきちんとして使用することは、全然かまわないと思う」「その人に似あっていたらいい」と、賛成の意見が多かった。

 今の時代の女性たちは失明するかもしれないとわかっていてもおしゃれのためには使用する。自分をかわいく見せようとする女性はどこまでも貪欲である。安易なおしゃれには危険が潜んでいることを知ってほしい。

 

「黒目のおしゃれ」に隠れる危険性
2013/09/15               米山 菜子(16歳)

 「黒目の大きさや色を変えたりすることのできる魔法のレンズ」が今、若い女性を中心に人気だ。目の色を茶色や青色などに見せられる「カラーコンタクト」や黒目を大きく見せるために黒く縁取られている「サークルコンタクト」だ。 1か月分のレンズ代は約4,000〜5,000円かかる。決して安くはない金額を払ってまでも彼女たちがする「黒目のおしゃれ」の魅力とは何か。また、ネットでも買うことのできる気軽さに危険性は隠れていないのか。専門医にインタビューし、東京渋谷の繁華街で若者の声を拾った。

 「目を大きく見せたい」とカラーコンタクトを使用している女性が口をそろえて言った。街頭取材では、カラーコンタクトを使用したことのない人も含め、黒目は大きいほうが可愛いと考える人が多かった。しかし、可愛さを求めるばかりに眼科医の処方を受けずに、あるいは使用期限を守らずに使用する人もいた。

 道玄坂糸井眼科医院の糸井素純院長(54歳、日本コンタクトレンズ学会常任理事)は、彼女たちのように正しくコンタクトを使用していない人に警鐘を鳴らす。コンタクトのトラブルを訴える人は年々、増加している。その中でも日常生活に支障が出るほどに視力が低下する人は年間1,000人(推定)にものぼる。

 トラブルに繋がる原因の一つには、カラーコンタクトの色素が関係していると、糸井先生は言う。本来、カラーコンタクトは色素がレンズとレンズの間に挟まれ、サンドイッチにされた形が正しい。しかし、サンドイッチ構造に製造するには、特許や、作り方が難しい、などの理由から色素が黒目側にかたよっていたり、色素が一部露出しているコンタクトがあるという。そのため、サンドイッチ構造が不十分な使い捨てカラーコンタクトを綿棒でこすると綿棒に色素がついてしまう。また、1か月使用可能のものもこすり洗いをきちんとして1か月使用すると色が落ちてしまうことがあるそうだ。色素が落ちると、レンズに凹凸ができ、眼球を傷つける原因に繋がるという。

 この事実を街頭取材でカラーコンタクトを使用している人に伝えてみた。しかし、彼女たちは「使い方は改めるが、使用はやめられない」と答えた。やはり、トラブルは他人事のように感じるようだ。ある女性(18)はカラーコンタクトの使用について「依存」という言葉を使った。その女性は何度か角膜を傷つけたことがあるが、「やはりやめられない」と話し、「スッピンは良くても裸眼は嫌」と断言した。

 糸井先生はコンタクトの正しい使い方や危険性を様々な形で広めようとしている。日本コンタクトレンズ学会で話し合い、記者会見という形でマスコミを通して訴えたり、正しい使い方を説明する映像を作成したりしている。コンタクトは正しい使い方をしていてもトラブルは起こる。しかし、継続して定期検査を受けている人はトラブルが起こる確率が2%以下まで下がるという。目の状態を眼科医に診てもらい、コンタクトと眼球との相性のよいコンタクトレンズを処方してもらい、定期的に検診を受けることがとても大事だと糸井先生は話す。

 若者にとっておしゃれの必須アイテムになりつつあるカラーコンタクトは一概に悪いものとはいえない。ただし、使い方を誤れば、失明もしかねない危険なものであることも事実だ。今後、皆が安全に使用するためには、カラーコンタクトとの正しい付き合い方を広めることが必要とされるだろう。