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教育


 

オタク文化をどう受け止める?
2007/12/14                曽木 颯太朗(15)

 「ひとつのことに熱中し、のめり込んでいる人」

 これは、僕が「オタク」という言葉を初めて聞いたとき、「オタクって何?」と友だちに尋ねた際に返ってきた言葉だ。そのとき「マニアとも言うんだよ」とも言われ、小学生のころはずっとそのように思ってきた。日本史が好きな僕自身もオタク呼ばわりされたことが何度かある。

 ところが中学校に入って「オタク」とは「少女アニメが好きなちょっと変な人」と聞くようになった。電気街として有名な秋葉原はいつしか「オタクの聖地」と呼ばれるようになるオタクを取り上げた小説『電車男』は大ヒットを記録し社会現象にもなった。テレビや新聞でも盛んに報じられ、英語の辞書に「 Otaku 」という言葉が掲載されたという報道や外国人までもがオタクと化しているという報道もあった。

 外国でもオタク文化が受け入れられ始めていると聞いて、随分驚いた。一体外国人がオタクについてどう考えているのか興味を持ち、取材を始めた。

 そもそもオタクとは何なのか。オタクについて詳しい大阪芸術大学客員教授の岡田斗司夫さんによれば「定義は非常に難しいが、広い意味では子どもが夢中になるような趣味を持つ大人、狭い意味では秋葉原に行ってメイド喫茶などに通うもてない大人」だそうだ。またマニアは同じ意味の言葉であるが、より肯定的なニュアンスがあるといっていた。

 最近の外国人オタクに関する報道でもいくつか怪しいところがあると岡田さんは言っていた。「 Otaku 」という言葉は英語圏では一部のインテリの間では通用するものの、とくに社会全体に浸透しているわけではないらしい。もっぱら「 geek 」や「 nerd 」という言葉が使われているそうだ。

 外国人はオタクについてどう考えているのか、オタクの「聖地」である秋葉原にいる外国人に取材をしてみた。すると少し意外な答えが返ってきた。オタクというものがよく分かっていなかったのだ。こちらで「 geek 」や「 nerd 」という言葉を使ってもよく分からない様子だったのだ。ともあれ、数人に聞いたところみんな「こだわりを持つことはよいこと」だと言っていた。

 対して秋葉原にいた日本人に聞いてみると半数近くの人がオタクという言葉に「否定的なイメージがある」と答えた。 10 代のオタクの男性はオタクという言葉を「新しい差別用語」とまでいってのけた。

 オタクは日本を語るうえで文化的にも経済的にも無視できない存在となりつつある。一方でオタクが偏見をもって見られていることも確かだ。しかし他人に迷惑をかけるわけではなく、あまり異端視することはないと思う。岡田さんも「冷たい目で見る世間のほうが間違っている」と言っていた。一つのことに打ち込んでいられるのであるから、趣味がなくぶらぶらしているよりよっぽどマシだと思う。

 オタクに偏見を持つ要因の一つはメディアの報道の仕方とも考えられる。外国人オタクもそのほんの一部を取り上げたに過ぎないのに、まるでそれが全部だといわんばかりの報道をしている。外国でそれほどオタク文化が浸透しているとも思えない。

 オタクやその文化が別に好きだというわけではないが、もっと大手を振って歩けるように願うばかりである。

「ちょい萌えオタク」になってみる
2007/12/14                川口 洋平(17)

 オタクと聞いてなにを連想するだろうか。一概にオタクといっても「アニメオタク」、「ゲームオタク」、「ミリタリーオタク」、「パソコンオタク」…と挙げてみるときりがないほど様々なオタクが存在している。

 そもそもオタクとは何なのだろうか。東京大学教養学部で「オタク文化論」の講義を行っていたこともある、大阪芸術大学芸術学部キャラクター造形学科の岡田斗司夫客員教授によると、これだけオタクという言葉が広く知られているものの、定義づけは非常に難しいという。あえて定義づけるなら、広義には趣味に夢中になっている人を指し、狭義には「萌え」と叫んでいて、メイド喫茶に行っているような人を指すそうだ。

 秋葉原での街頭インタビューで、オタクのイメージを尋ねてみると、まず「リュックサックを背負った小太りの汗をかいている人」「引きこもり」というネガティブな言葉が返ってきた。一方、オタクという言葉をいい意味だと捉えている人も半数以上おり、「趣味に集中するというのはいいことだ」「こだわりを持って生きているので偉い」と、物事に全力で取り組み、その分野を極めているというオタクの姿勢を評価しているようだ。なかにはオタクを尊敬しているという人もいた。

 オタクを自称する人は、「僕たち ( オタク ) は人からなにを言われようと、好きなことをしている。他の人は、今までサッカーに興味がない人も、ワールドカップになると急にサッカーファンが増えるではないか。そんな人たちは流されているだけだ」という。

 米国マサチューセッツ工科大学で日本文化を教えているイアン・コンドリー准教授は、物事に熱中しているオタクと学者も類似点がたくさんあるという。一方で、熱中しすぎずにバランスを保つことが必要だとも指摘している。岡田教授も、オタクな人ばかりになったら仕事に対して無責任になってしまい、今のような日本の社会は成り立たないと指摘する。

 最近は一部のインテリやアニメが好きな外国人が「 Otaku 」という言葉を使うほど、 アニメの技術などの オタク産業が 評価されている。日本のオタク産業は技術的に完成度が高く、感性的に独自性があるため外国人が惹かれるそうだ。 世界最大の同人誌即売会であるコミックマーケットの参加人数も年々増加し、 政府も日本のアニメやマンガなどの コンテンツビジネス振興政策を進めている。 経済学者の森永卓郎さんによると、オタク産業の経済規模は1兆円以上という。オタクが 生み出す、オタク産業も 無視できない存在だ。

「やりたいことがみつからない」「なにも好きな事がない」。最近、こういった声もよく聞かれるが、オタクのようにこだわりがありすぎる人間と比べると、どちらが幸せなのだろうか。たしかに、夢中になりすぎるというのは問題かもしれないが、一つのことに集中して極めるという点では、学者もオタクだといえるだろう。「なにも好きな事がない」よりは、オタク的なこだわりで特定のものの良さを見出して愛でる「萌え」という感覚を持った方が、新しい発見ができる可能性も高いのではないだろうか。そう考えれば、「ちょい萌えオタク」になったほうが楽しい人生を送れるかもしれない。

オタク文化ってなに?
2007/12/14                大久保 里香(16)

 現在、急激に国内からも海外からも注目を浴びるようになった日本のオタク文化。日本人のほとんどの人々が「オタク」という言葉を知っている。しかし、「オタク」とは何かと聞かれたとき、正確な定義を答えられる人は少ないだろう。「オタク」とは一体何なのだろうか。オタクについて詳しい大阪芸術大学芸術学部の教授である岡田斗司夫氏に取材をした。

 「オタク」という言葉を聞くと、アニメやマンガ、秋葉原といったものが頭に浮かぶ人が多いだろう。岡田氏によると「オタク」という言葉には広義と狭義の二つがあるという。狭い定義での「オタク」とは「秋葉原で楽しんでいる二十歳以上のモテない男子」であり、広い定義では「大人になっても子供が夢中になりそうな趣味をやめない人たち」である。つまり、「オタク」とは“大人でありながら大人になりきれない人”のことを指すのだろう。しかし、「オタク」の人でなくても子供が夢中になるようなことに少なからず愛着を持っている人は多くいるはずだ。携帯にキャラクターのストラップをつけることや、ジュースなどについてくるおまけのフィギュアを会社の机に飾ることもそのよい例である。今では珍しくなくなった、このような光景は、社会全体の幼児化を意味するのではないだろうか。社会の幼児化が進むことによって、「オタク」が増え、「オタク文化」が広く展開され、注目を浴びるようになったともいえる。

 オタクがこれから増える傾向にある日本の社会。「オタク」が増えると、社会にはどのような影響が出るのだろうか。まず、大人の幼児化がさらに進むと考えられる。つまり、社会が「オタク化」してしまうのだ。岡田氏は「大人が幼児化することは責任力が低下することである」と語った。責任力が低下すると社会のルールを破る人が増加する。また、「オタクが増加しすぎると社会が成り立たなくなる。」とも語っていた。このまま「オタク」が増え続けることは、日本の社会にとって危機的状況を意味するのではないだろうか。この危機を回避するためには、大人一人一人が大人としての自覚を持ち、しっかりと社会の責任、いわば義務を果たすしかない。社会全体の責任力の低下は「オタク」増加に伴う問題点であるが、これは絶対に避けなくてはならない。

 オタク文化が注目を浴びるようになって広がった「オタク」という言葉。しかし、いまいちどのような意味があるのか把握しづらい言葉でもある。「オタク」という言葉は人にどのような印象を与えるのだろうか。一般の人に秋葉原でオタクについての街頭取材を行った結果、「オタク」という言葉に良い印象を持っている人はほとんどいなかった。「オタク」という言葉を聞くと、引きこもりやマニアック、ネガティブという印象を持つらしい。差別用語の一種であると言う人もいた。「オタク」というたった 3 文字が人と人を区切ってしまう差別用語であるのならば、この言葉は使われるべきでないのかもしれない。しかし、「オタク」という言葉の悪い印象に反して、「こだわりを持つことはいいと思う」、「集中してひとつのことに取り組めてすごい」など「オタク」たちのこだわりや信念を良い印象ととらえる人もいた。「オタク」ではない人たちは「オタク」たちに多少共感はするものの、やはり理解しづらいものがあるために、「オタク」という言葉はおそらく馴染みづらいものとしてとらえられるのだろう。

 ひとつの推測ではあるが、現代の日本の社会では昔より人間の関わり合いがはるかに薄れたために、一人でも楽しめる時間の使い方が多様化・高度化し、「オタク」たちの趣味を作り出した気がする。今後日本の社会でますます増えていくことが予想される「オタク」人口。それは、つまり人間の関わり合いがどんどん希薄になっていくとも考えられる。日本国民全員がもし「オタク」になってしまったら、おそらく人間関係はないものに等しくなるだろう。趣味に没頭できることはすばらしいことであるが、人と関わり合うこともバランスよく行っていくことが必要である。

誰が「オタク」なの?
2007/12/19                三崎 令雄(16)

 そもそも「オタク」とは何なのだろうか? 秋葉原に通い、メイドのコスプレなどをした女性に萌えている人のことを言うのか? それとも大人になっても、コミックやアニメに夢中になっている人のこというのか? しかし、「○○オタク」と言えば「○○に関連したことに夢中になっている人」という意味にもなり、意味は無数にあるようにも思える。自称「オタク」で「オタク」研究家でもある、大阪芸術大学の客員教授、岡田斗司夫氏も「オタクを定義するのは難しく、オタクの業界でも揺れ動いている」と言う。

 しかし、定義が定まっていない「オタク」に対して世間のイメージはマイナス寄りな感じがする。実際に自分も今まで「オタク」にあまり良いイメージを持ったことがなかった。時には軽蔑さえも混じる「オタク」を私たちはどのように捉えているのだろうか。そしてオタクと言われ、冷たい目で見られた人はどう感じたのだろうか。

 秋葉原で「オタク」と思われる人に話を聞いた。しかしその回答に、あまり共通した部分は見受けられなかった。まず、自分が「オタク」と思っている人もいればそれを否定する人もいる。また、自分を「オタク」と認めた上で「オタク」がポジティブなワードだと言う人もいれば、ネガティブなワードだと言う人もいた。「新たな差別用語」と言う人さえいた。一般の方の中には「オタク」がポジティブなワードだと答えた人もいた。

 「オタク」というワードに対して感じることは人によって様々だ。また人によって「オタク」の基準は違う。それなのに他人のものさしで「オタク」と決めつけられたのなら、たまったものではない。もっと「オタク」というワードを使うときには両者の間で「オタク」に対するそれぞれの価値観を認識しあうことから始めなければいけないと思う。

  秋葉原にいた外国人たちにはまだ、「オタク」が認知されていなかった。今後、「オタク」が海外進出を果たした場合、各国の人々は日本発の「オタク」をどう捉えるのだろうか。


 

 

 

岡田斗司夫
▲ オタクについて詳しい
大阪芸術大学の岡田斗司夫客員教授にインタビュー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋葉原、外人インタビュー
▲ 秋葉原で街頭インタビューを行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋葉原、外人インタビュー
▲ 秋葉原で日本を訪れる外国人に街頭インタビュー