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レクチャー

「新しい読み・書き・計算の学び方」 講師: 夜部 茂樹 氏
2004/03/14

九州地方で個人塾を経営している夜部先生に、算数・数学の学び方についてお話を伺った。

算数・数学は難しくない
算数・数学は、世界一簡単な言葉。言葉を読むように勉強できるもの。日本語をしっかりやれば数学も出来る。理屈として捉えると難しくなってしまうが、昔の人が理屈で考えて説明がつかないものに、自分がわかるように考えてできた屁理屈だと思う。「角度を求めても何に意味があるんだろう」などと考えてしまうと、その時点で、そこからはあまり伸びない。他のことでも、"何故?"と思い始めたらきりがない。そういう時こそ、突拍子もないことでもいいから屁理屈で返せるようになっているといいと思う。

でも、どうでもいいところに楽しみを見つけないと楽しくならない。普段の生活の中でも「割合はどこにあるか」と考えたり、「この公式はどこにあてはまるんだろう」と考えたりすれば、楽しくなる。
算数と数学はどう違うのかというと、問題で物事の順序を見せていき、最後に答えを出すのが算数で、この答えになるにはどう考えたらいいか?と考えるのが数学。算数は道具の仕組みで、数学ではそれを使って物事を考える。算数を習っておけば数学が使えるようになるし、算数が得意なら数学もできるはずである。線分図・面積図・てんびん算の意味がわかっていれば、方程式までは大丈夫。

知恵は大事
算数・数学は考える為の知恵・道具で、持っているだけでは意味がなく、それをどう生かしていくかという事が大事。嫌いか嫌いでないかが、その後伸びるか伸びないかの差になってくるが、知恵や道具は持っていれば後々ものになるので、それを放棄しないで欲しい。今は、その知恵の生かし方を考えたり作り上げたりする時間が無かったり、学校や塾で教えなかったりということが問題なのではないか。

小中高の算数と数学をきちっとやっていれば、企業経営や、大統領になって考える時にも役立つ。大統領のように、世界の事を考えるようなレベルになると本当に必要になる。1つの点では良くなっても他のところで何か起こっていないかを探る力が数学には出てくる。

基礎だけでもじゅうぶん役立つのに、応用をやるのは、日本が生きていく為の産業を維持する人材を育てるには、理系の教育をすることが必要だからだと思う。工学部などでは、応用で出てくるような問題が必要になってくるから。日本では理系が優位に見られがちだが、その考えについていかなくてもいいと思う。文系の人たちには頑張って欲しい。

2次関数は、具体的には物理にしか使えない。ただ、2次関数以上でないと頂点が出てこないので、物事の下り始めるところがわからない。経済の浮き沈みのような物事が起きる仕組みを知るために、学ぶ。変革を予測する式が微分だが、2次関数の微分(増減表の書き方等)は知恵を知っておくために学ぶもの。

幸せとは?
心理学上の公式で、「幸せ=お金/欲」というものがある。お金を増やすことが幸せの場合と節約することが幸せの場合と両方真実であるが、企業の場合だと大抵、利益(お金)を生む事が幸せという発想で、ものに執着する。

純粋な人は、節約したり欲を抑制したりしていけば、幸せは生まれるんじゃないかという発想ができる。この発想が出来ることは素晴らしい。

いろいろな問題を考える時、大人は計算式を考えているが、今の日本人は、数式を与えられたら全てが右肩上がり・右に習えの思考になってしまう。お金に目を向けていると、本当に無限に稼がないと幸せにならない。経済学で本当に意味のある式を与えられても、右=無限ばかりを意識していくと、世界も危なくなる。

なぜ節約する発想ができないのかというと、勉強してこなかったからである。けれども、苦手な事の中にこそ知恵となることがあると思う。

環境問題では、ゼロエミッションが注目を集めている。これは、ものができたらごみが出るのは当たり前と言うのではなく、残飯を肥料に戻せば地球に優しくごみもゼロで済むというように、いかにゼロに近づけるかという努力をすること。このように、今までと同じ数学を学んだ上でゼロに向かっていくという意識がこれから世界で大事になってくる。

欲求を満たされている時は、少しの努力をしてもあまり変化を見られないが、ゼロに近づけば近づくほど物事は急に動き出す力をもち、実った時には無限大の力を発揮する。お金をたくさん使っても、環境にやさしい燃料をなかなか増やせないが、限られた資源の中で節約をすることによって、少しずつ環境保護をすることが出来る。このようなことが式によってビジュアル的にわかり、与えられた状況でのよりよい選択をする事ができる。それが、数学の良さだと思う。

勉強方法について
常に同じやり方で勉強していると、ある状況になった時、視野が狭まり、答えが出せなくなることがある…作図の問題では、テストで時間に迫られていると、図と文章を一緒に見て全てを理解した気になってしまうが、頭の中では整理できてない。そんな時は、視野を広げるために、図形を隠して文章だけを見る。そして、図形を描くとその文章のとおりに描けているはず。作図の後にその問題の文章を自分で書いてみるという方法もある。ちょっと時間はかかるが、10回の内3回でも取り入れてみると良い。

ここ数年、テレビ番組の字幕スーパーがとても増えている。一方では助かっている人もいるが、言葉を聞くと同時に文字を見ていると、ぼんやりしたことを明確にわかった気になる。聞いているはずなのに理解できないという現象が起こる。この事は言語力の低下にもつながるのではないか。

数学は、真似ることが大事。数学を得意になろうと思ったら、問題を解く前にすぐ答えを見て、次に解説を読むと良い。解説書だけを読むと、いろいろな物の捉え方が書いてある。だから、問題集を選ぶ時は解説つきのものがよい。解説=答えを出す為のプロセスこそが数学の大事なところで、本来の答えである。そして、解くための工夫を見つける事が数学の楽しみを見つける事でもある。