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第8回
●2002年11月30日 「楽しく気楽に取材を」
 講師:白石 草(はじめ)氏

テレビ朝日から東京MXTVを経て、現在フリーでTVの企画、構成、演出をしている。OurPlanet-TVを主宰し、CEのビデオ作品の制作を指導。
現場を経験してこられた白石さんならではのお話が、とても興味深かった。
CE記者が実際に直面している問題を実例に挙げながら、色々なアドバイスをくださった。


記事には速報と企画もの(特集記事)があるが、CEの場合は後者の方に近い。
 +子どもとしてのメリットを最大限に活かす。
 ストーリーアイディアを出す前に、まだだれも気付いていないものを探しにいく、大人が入れな いもの、あるいは大人が気付いていても入っていけないもの。
 +自分の得意なものを上手く利用しながらテーマを探していく。
大切なこと
 ストーリー・アイディア:
 +もっと身近な問題を取り上げる。
 +締め切りを自分でつくって、その締め切りに向けて進める。
 +ニュースバリューとしてのタイミングを見る。
  例:「ハリーポッター」は映画が出る前、「政治家の仕事」は選挙前など
 +自分の中のメッセージは何か(そもそもこれをテーマにあげた理由、取材の動機)
 ストーリー・アイディアを出してから・リサーチ:
 +ストーリーの切り口を決めていく。その中で自分は何を言いたいのか。
 +本を読んだり、HPを見たり、ありとあらゆる情報をとる。
 +100%リサーチをしてから取材に行こうと思わずに、気軽に情報を聞きに行く。(インタビューで はなくて、話しを聴きたいという姿勢で情報を集める)
 +全体像をイメージして、それをグループのメンバーに肉付けしてもらう。
 例:「少年法について」題材として難しい。
 +記事は中立公正でなければならない。一方的な意見だけだと説得力がなくなる。
 賛成派の意見も反対派の意見も書く。
 +月並みなことをやってもだめ。
 例:「在日外国人の子ども」色々な子にインタビューしてみる。答えが出なくてもいい。
それぞれの子が抱えてる細かい問題をひろって書いてあげる。文化比較論のような本を読んでみるといい。切り口を何にするのか。なるべく多くの子の話を聴いてみる。

○速報記事はどのようにして作られるのか
 +日本には、警視庁、裁判所、首相官邸、自民党本部、宮内庁、都庁、兜町、厚生省、 外務省、経団連、大企業、消防庁などありとあらゆるところに「記者クラブ」がある。これは  日本のメディアの登録メンバーしか入れないことから、外国人特派員から問題視されている 。各社がお金を出して、親睦団体のようなかんじで、排他的。警視庁の記者クラブなどは、 「飲み会」や「剣道大会」には絶対でなければならない。
 +田中知事は、取材は公平にオープンにするために、県政記者クラブ制を廃止した。
 +都庁でも石原知事が毎週金曜日に記者会見をしてオープンにしている。
 +速報はこの記者クラブから入ってくる。政治家がぽろりと情報をもらしたりする。
 +警視庁や自民党本部の記者クラブには100人くらいの記者が住み込んでいる。外国人が これに入れないので問題になっている。
 +この記者クラブの記者の他に新聞社やTV局には遊軍記者がいて、大きな事件の時には  遊軍として助けにいく。
 +日本の記者の実態を詳しく知りたい場合は、元共同通信記者の斎藤茂夫氏著「新聞  記者を取材した」という本があるので読んでみたらいい。

○企画もの(特集記事)の作り方
 +企画は編集委員、論説委員、或いは現場からなど(TVの場合はゼネラル・プロデューサー )が今問題になっている材料を取り上げる。時代を反映するもののコンセプトを決める。情報 (本、記事などから)をとって話し合いできめる。そのテーマにそって数人の記者が時間をかけ て取材する。
 +CEのストーリーアイディアはこちらに近い。
 +小さい企画の立て方について(大規模は私たちには手が届かない)
 ニュース番組の中での15分の特集や新聞の第2社会面や家庭欄などに載っているもの。
 これは個人がキャッチしてきて、面白ければ採用される。何故今取り上げる必要があるのか という企画書、概要が必要。
 +だれも知らない現象、新事実が採用される。観念だけではなくて、具体的なものが求めら  れる。
 +このために、それに関っている人に直接会って話しを聴いてみる。人の噂話もヒントになる。 例えば「失神ゲーム」など学校内で起きている怪しいブーム、団子3兄弟のブームなど、みん なの身近な問題はマスコミの大人記者たちは知らない。遊び、ファッション、食べ物など。その 中にうまく社会性を盛り込む。なぜこれが流行るのか。
 +社会性のあるものは、なるべく身近なもの、人の方がいい。
 +今CEが取り上げているS.アイディアは、記事にするまでには時間がかかるようなものが多い。
「最近子どもたちはマクドナルドからファーストキッチンへ移っている」という現象はニュースに値する。

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