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座談会

首都圏の若者が感じた震災後の生活の変化
出席者:青野ななみ(17)、堀友紀(17)、富沢咲天(15)、南雲満友(司会、16)
2011/06/19

東日本大震災という大ニュースに自ら接したCE記者4人が体験的ラウンドテーブル(RT)ディスカッションをしました。

司会:3月11日に起きた東日本大震災以降、私たちのまわりで 、計画停電やスーパーでの買い占め、また地震の直後には、帰宅困難者が駅や主要幹線道路にあふれかえりました。今でも(6月段階)電車は日中7〜8割の運転になっている鉄道もあり 、夏には電力不足になる恐れがあると言われています。そこで首都圏の若者たちが身のまわりで起きた震災後の生活の変化について聞きたいと思います。
まず、3月11日、地震が起きたとき、どこで何をしていましたか?

咲天:私はその時、ちょうと学校が早く終わったので、家に母といました。

友紀:私はその日学校が休みで 、家で母と二人でいました。

ななみ:私はチルドレンズ・エクスプレスの事務所にいました。

満友:私は クラブ活動から帰ってきたところで、家で祖母と二人でいました。

咲天:私は母とずっと一緒にいたので大丈夫だったのですけど、父とは連絡が取れなくてすごく不安でした。

ななみ: 意外と携帯がずっと通じていました。メールも送れて母からも父からも連絡があったので、携帯が通じなくて 心配ということはありませんでした。

友紀: 震災のことで一番心配だったのは弟でした。部活から帰る時に一度連絡があった直後に地震が起きて 、 、その後どこで何をしているかがまったくわからなくて、とても心配でした。

満友:父や母は会社にいて、携帯電話をかけてもなかなか通じず、家の固定電話でかけるとすぐに通じました。携帯電話は今までどこでも通じて便利だなと思っていたので、 びっくりしました。

 

買い占めは悪い?

司会: 今回の震災では私たちの食卓にも影響が及びました。スーパーの買い占めです。実際買い占めを行いましたか?
ななみ:はい、し ました。もし家に閉じ込められてしまった時に困るので 二週間分の食料 が今は 用意されています。

咲天:私はとても不安で非常食 などを買おうって思ったんですけど、母はそれは買い占めだからよくないと言っていて、とりあえずお米だけを買いました。

司会:どうして買い占めが起きたと思いますか?

咲天:またいつ地震が来るかわからないし、放射能が怖くて家にずっといなくてはならないかもしれないので。

友紀: 母がその日に使う分だけの食材しか買ってこないので、私は心配になって、もっと何か買ってきた方がいいんじゃないかって言ったら、今みんながパニックになって、同じことを全員が してしまうと悪循環しか起こらないし、それで必要な人に物が渡らなくなってしまうのもよくないので、ということで買い占めは行いませんでした。

満友:私の家でも買い占めは行いませんでした。 どうして買い占めが起きたのか考えたところ 、一つはやはり人々が不安になったこと、そして放射能の影響。もう一つは無くなってしまうという人々の不安が増幅して、それが噂としてまわって、ほんとに無くなるんじゃないかという話になって拡がってしまったのかなと思います。


司会:その意見に対してどう思いますか?

ななみ:私が思ったのは、確かにスーパーですぐ買ってしまったら必要な人にまわらないかもしれませんが、私の家の場合はネットで、例えば京都の方から全部取り寄せたりしていたので、そういう方が経済も活発になるし、必要かなと思います。

咲天:私も被災者の人たちに食べ物 がまわらないっていうのは思ったのですけれど、自分の家族がもし食料が手に入らなかったらということを考えると、 食料を貯めておかないと危ないという考えの人が多いんではないかと思います。

友紀: わかっていても、やはり自分のことを優先してしまう人が多かったんじゃないかと思います。

 

自粛ムード

司会:そのことに関連して、消費の自粛ムードというのが話題になりましたが、みなさんは自粛していましたか、それとも経済を活発にするために物を買っていましたか?

ななみ:私は自粛ムードは反対です。 自粛、自粛っていうのは、ただ経済を活発にさせないだけの話になってしまうと思います。

友紀:私は 時と場合によって違うと思います。もし物資が足りていない中で、自分がここで買い占めたりしたら無くなってしまうと考えた場合は、必要最低限に抑えるべきだと思うのですが、例えば京都とか大阪から物資を買ったり、被災地で作っている物を買ったりするのは経済的にもいいことだと思います。

咲天:私は自粛に反対です。やはり経済のことを考えると悪影響を及ぼすだけだし、被災地の人たちのことを思っても、やはりそういう自粛はよくないと思いました。

満友: もし私たちが物を買わないと経済がまわらなくなって、それが被災地の復興にも関わってくることだと思うので反対します。

司会:自粛と買い占めのバランスについて、 どうしていくべきだと思いますか?

咲天:私が思う自粛と買いだめの違い は、やはり買い過ぎないこと。自分が必要な分だけ買うこと を意識することが大事なのだと思います。

友紀:私が震災後にスーパーなどに行って見た人たちの買っている量を見ると、そんなに買っても、もしほんとに震災が起きた時に、その食料を家に置いておいたからといって、全部使えないんじゃないかなというふうに思いました。


ななみ: 買いだめといってもそれが一ヶ月二ヶ月続くわけではなくて、一時的なものだったから、それは今回もう経験しているし、例えば東京で大きな震災があって、 スーパーとかには無くなったとしても、一時的だからしばらくたったら、けっこうすぐ戻るのではないかなと私は思います。

満友: 必要な分だけ買って普段通りの生活をしていくことが、一番バランスを取る方法なのではないかなと思います。

咲天:自粛は物を買う以外にも、例えば遊びに行くとか、そういうのをみんな自粛していて、それもやはり復興にはつながらないんだと思いました。

 

計画停電

司会:次に計画停電について聞きたいと思います。今まで当たり前と感じていた電気が、東京電力福島第一原子力発電所の事故を境に計画停電が実施され、今日本では節電が注目されています。計画停電が実施されると聞いた時、どのように感じましたか?
ななみ:私は、今まで停電というものは数えるほど しか経験したことがなかったので、街全体が一気に電力を落としちゃうなんて怖いなと思いました。

友紀:私は計画停電には賛成でした。 自分だけがいつも通りの 暮らしをす るのではなくて、 その計画停電をすることによって、電力不足がまかなえるのであれば、それはいいことだと 思いました。

咲天:私も計画停電に賛成で、特に悪いということは思わなかったんですけれど、やはりいつも生活で電気を当たり前のように使っていたのが、急にそれが無くなるっていうのはとても不安で、懐中電灯を用意したり、寒さ対策をしたりしなければいけないので大変だなとは思いました。

友紀:今回の計画停電で、私の家は比較的停電が多い地域だったので、この停電で今までなかった生活の知恵とか、どう したら電気の使用量を抑えられるか をすごく学んだ気がします。

ななみ: 、なぜ23区の電気を消さずに神奈川とか埼玉とか千葉とかの方を消していくのかというのは私には理解できませんでした。確かに千代田区などには 行政機関があるというのはもちろんあると思いますが。

咲天:私は計画停電で少し悪いところもあるなと思ったんです 。 お年寄りや 病人とか赤ちゃん連れの人たちが例えばエスカレーターやエレベーターが動かなくなったり、少しは眼が見えるけど暗いと見えないという人たちもいると思うので、照明がな いと困るという人たちもたくさんいたと思います。

司会:友紀ちゃんは 計画停電に備えて家庭で行ったことはありますか?

友紀:計画停電は、時間が最初から何時というふうに前日にはわかっていたので、その時間になると電気がすべて使えなくなるのはわかっているので、食料も腐ってしまうし 、なるべく使う分だけを買って、ご飯 もなるべく計画停電が始まる前に食べ終えて、お風呂も入ってしまってというふうに、時間帯を考えた生活のリズムを作っていました。

司会:咲天ちゃんとななみちゃんは家が計画停電に入らなかったと聞いたんですが、計画停電に入らないっていうのを聞いて、自分たちにできることは何かと考えて、何か行動をしたりしましたか?
ななみ:私の家では節電に協力しています。本当にできることは確かに小さくて、例えば電気をこまめに消すとか、冷蔵庫をすぐ閉めることしかできないんですけど、何か絶対役に立っていると思いながら地道に行動してます。

咲天: 普段は節電とかあまり意識していなかったので、やっぱり電気を消すことは節電につながるっていうのを実感しました。

友紀:実際、計画停電を私たちの地区でやってみると、こんなにもやりくりすれば生活ができるんだなって 思って、今までどれだけ電気を使っていたんだろうっていうふうにすごく実感しました。計画停電はあったんですけど、それ以外の時間でもなるべく電気は使わずに生活 するようにしました。

満友:私の家では、夜電気を消して、ろうそくの光とテレビの光で生活したり、後は暖房などを使わないようにしたり待機電源を切ったり と、自分たちが計画停電の範囲に入らなかったからといって電気を使うのではなく、逆にそれをありがたいと思いながら、何か自分たちで協力できることはないかと思いながら生活をしていました。

 

原発事故で意識が変わった?

司会: 原子力発電所の事故を境に、今まで当たり前だと思っていた電気について、 意識が変化したと感じますか? またそれはなぜですか?
友紀: みんなが電気をなるべく使わないようにしていたのはほんとに目に見えていて、それは学校でも 、各家庭とか会社でも行われていたと思うので、電力をなるべく使わないようにしようという意識はみんなの中にはあったと思います。

咲天:私も友だち同士で節電して、例えば教室移動の時は必ず電気消そうとか、普段忘れていたことも意識してやるようになったし、 ツイッターとかフェイスブックでもみんなが節電しようって呼びかけていたので、 そう思っていた人たちは多いと思います。
ななみ: みんなの意識は高まったと思います。学校では今までエレベーターが使えなかった時には みんな文句言っていたのに、今回 はみんな黙って階
段を使って 節電に協力しようという意識は高まったと思います。と同時に、私は東京電力に対する意識が高まりました。今回このようになったのは、東京電力が想定することがあまりにもできていなかった、津波に関してもあまりにもできていなかったということが大きいので、なぜそ うなってしまったのか、行政のあり方というものにすごく意識が高まって、新聞とか本を毎日欠かさず読むようにしています。

満友:私が一番感じたのは、駅とかヤフーやグーグルのトップページに、電気の消費量が何%って出ていて、事故が無かった時には電気の消費量なんて考えるということがなかったけど、私たちの意識が変化したと思います。


司会: テレビや新聞では政府機関や放送局、大きな企業がある23区を計画停電に入れるということは景気が後退して経済に打撃を及ぼすと書いてあったのですが、そのことに関してどう思いますか?

ななみ: 今回のこの教訓を生かして、政府が東京に集中しているからというのであれば、例えばちょっと分散させてみたりというのも一つの手かなとは思います。

ななみ: ただ、当日の天候や電気使用量によって左右されてしまうので、かなりむずかしいということがわかりました 。そこで、計画停電を東京23区でも実施する方法として、病院や消防署とか必要なところに電気を供給する送電線を一般家庭と分けるようになるべくシフトしてきているというのを新聞で読みました。それをもっと進めていけば、一般家庭では計画停電を行うけど、その間は病院は普通に動いてるという理想的な状況ができるのではないかなと思います。

友紀: 私の家は最初発表されたものには3つの地域にまたがっていて、どれを信じたらいいのかわからず、その計画のまま行くと、私の家では一日の半分以上がずっと停電状態ということだったので、もっと詳しく決まったものをきちんと出すべきだったのではないかと思いました。

咲天: 病院とか緊急の場合のことを考えると、やはり少しでも停電があるととても不便になってしまうし、できれば民間の住宅だけを停電にすればいいと思ったんです。それができないと東電が言っていたので、やはりみんな節電をがんばって、なるべく電気を使わないようにするという方法しかないのではないかと思います。

 

震災後の変化について

司会:最後にこの震災による身の回りの生活の変化について、感想を聞かせてください。
ななみ:今回のこの地震によって、まず若者たちが今まで当たり前だった電気が使えなくなったりして、すごく意識が高まったというのが一つあげられます。私もそれを実感しました。今このRTを通して感じたことは、長期的な目標を達成するために今やらなければいけないことというのが変わってくるのだなということでした。

友紀:今回メディアや新聞でもよく報道されていたのですけど、この震災を通して日本人の良さというものがすごく見えたではないかと思います。電気のこともそうですけど、自分が何かしなければと行動を起こそうとする人が増えたことで、他人のことを考えるということがすごく増えた気がして、よかったのではないか。今回の震災があったからこそわかったことがたくさんあったのではないかと思います。

咲天: 発電が原子力はよくないとか、送電線の問題がいろいろあって良くないとか、東京にすべての機能が集中し過ぎているから良くないとか、そういう問題点を見つけることができたので、これは将来のためになったと思います。このようなことがあったから、もし次に大きな震災が首都圏にきても日本は今ほど混乱しないのかなと思います。

ななみ:今回この地震によって世界に与えた日本の影響というのもすごく大きいなと感じました。例えば原子力発電所を止める、止めないという選挙を行ったり、ドイツは止めると宣言したり。今回の大震災では 多大な犠牲者が出て しまったし、いいことでは決してないのですが、もし東京であった場合、どこどこであった場合というふうに今後にそれを生かしていけたらと思います。そのために私も日々節電に協力します。

友紀: すごい被害をもたらしてしまったし、全然いいことではなかったんですけど、関東大震災や 阪神淡路大震災からも一歩ずつ、大震災が起きるごとに問題点がわかって、前回の問題点が今回の震災に生かされているし、今回わかった問題点もまた次の震災の時に生かされて、この自然災害も少しでも被害を防げるようになっていけるのではないかなと思いました。

満友:今回の東日本大震災で私たちの生活は一変して、今まで当たり前だと考えていた電気に対する人々の意識が変わったような気がします。今までは節電についてあまり意識はしなかったのですが、 人々が原子力という電気のエネルギーについても意識したし、計画停電が起きたことによって、病院などに対する送電線の問題も発見できたので、これを次に震災が起きた時に生かしてほしい と思います。そして私たちもできる限り被災者の方の現地のためになるように、節電などを協力していくこと、できることはひとつひとつ 協力していくべきだ と感じています。

以上